フネガイ科

フネガイ科
Arcidae
鮮新世のアカガイ属の一種(キプロス産)
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 二枚貝綱 Bivalvia
亜綱 : 異歯亜綱 Heterodonta
: フネガイ目 Arcida
上科 : フネガイ上科 Arcoidea
: フネガイ科 Arcidae
学名
Arcidae Lamarck1809
和名
フネガイ科
英名
ark clams

フネガイ科(フネガイか、学名: Familia Arcidae)は、フネガイ目に属する二枚貝の科の一つ。全世界に約200種が生息する。化石記録も豊富であり、特にエガイ属三畳紀の層からも発見されている[1]

特徴

殻は白から乳白色だが、茶色の筋が入ったり、全体が茶色い種もいる。生時は殻を厚い茶色の殻皮が覆っており、エガイ属のようにこれが殻の端から突き出し、毛状になる種もある[2]。このような殻皮は保護色擬態としての役割も持つと考えられる。

蝶番線は長く真っ直ぐで、多数の特殊化していない歯が一列に並ぶ[2]。これは多歯型(taxodont dentition)と呼ばれ、原始的な特徴とされる。これに似た蝶番線がタマキガイ科クルミガイ科ロウバイガイ科などでも見られる。

分布

全世界の熱帯から温帯の浅海域に分布する。オヤカタサルボウカワワシノハガイ属の種は汽水域でも見られ、カワワシノハガイ属の中には淡水域に生息する種もある[1]

生態

ほぼ全ての種が足糸で岩などに付着するが、成長に連れて足糸を切り離し、堆積物内での底生生活に移行する種もある。水管はないが、血中にエリスロクルオリンを持ち酸素運搬能力が高いため、酸素濃度の少ない場所にも生息できる[2]

名称

学名"Arcidae"、英名"ark shells"、和名"フネガイ"などはフネガイ属 Arca の殻形に由来する。2枚の殻を合わせると、殻頂の間に広い平たいスペースができる。これを甲板に見立てると、全体としてノアの方舟のような形となるためである。

利害

コンドルノハガイ

コンドルノハガイのような大型種はカリブ海域で食用、釣餌として用いられる。

日本では、アカガイサトウガイが主に寿司刺身用に、サルボウガイが主に缶詰用に食用に供されている[3]

いくつかの種では養殖も行われており、特にハイガイ Tegillarca granosa は東南アジア諸国において重要種となっている[4]

分類

シンガポールで食用とされるフネガイ科の一種
セネガル産のオヤカタサルボウ

WoRMS[5]による。

脚注

  1. ^ a b Geological Survey professional paper, Volume 1228, Parts 1-4, p. 31, - Google ブックス
  2. ^ a b c ARCIDAE in FAO”. 2015年3月12日閲覧。
  3. ^ アカガイ マルハニチロホールディングス「おさかなギャラリー」 2012年6月17日閲覧。
  4. ^ マレーシア半島セランゴール沿岸における麻痺性貝毒原因プランクトンの発見”. 国際農林水産業研究成果情報 第20号 【2012(平成24年度)】. 2015年3月12日閲覧。
  5. ^ "Arcidae". World Register of Marine Species. 2015年3月12日閲覧

外部リンク