フッ化パラジウム(II) (Palladium(II) fluoride)は、パラジウム とフッ素 からなる無機化合物 で、化学式はPdF2 である。
合成
フッ化パラジウム(II,IV) (PdII [PdIV F6 ])を四フッ化セレン (SeF4 )と還流 することにより合成される。
Pd[PdF6 ] + SeF4 → 2PdF2 + SeF6
構造と常磁性
より軽い同族元素 のフッ化ニッケル(II) と同様に、フッ化パラジウム(II)は、t6 2g e2 g の電子配置 を持つ八面体配位 のパラジウムを含む、金紅石 型の結晶構造 [ 2] [ 3] を持つ。この電子配置のため、パラジウムのeg 対称軌道の各々に1つずつ、2つの不対電子 が存在し、フッ化パラジウム(II)は常磁性 [ 4] を持つ。
応用
フッ化パラジウム(II)は、酸素に対する反応性のため酸化パラジウム が適さない場合に赤外線光学センサに用いられる[ 5] 不溶性粉末である。
関連項目
出典
^ a b c CRC Handbook, 89th edition
^ Bachmann, B.; Muller, B. G. (1993). “Einkristalluntersuchungen an Fluoroperowskiten MPdF3 (M = Rb, K) und PdF2 ”. Z. Anorg. Allg. Chem. 619 (2): 387-391. doi :10.1002/zaac.19936190225 .
^ Holleman, A. F.; Wiberg, Egon; Wiberg, Nils (2001) (英語). Inorganic Chemistry . Web: Academic Press. p. 1515. ISBN 9780123526519 . https://books.google.com/books?id=Mtth5g59dEIC&pg=PA439 30 May 2020 閲覧。
^ グリーンウッド, ノーマン ; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン (英語版 ) . pp. 1152–1153. ISBN 978-0-08-037941-8 。
^ “American_Elements.com ”. 2021年7月17日 閲覧。