フェレット (装甲車)
フェレット装甲車(Ferret armoured car )は、イギリス軍が偵察用に設計した装輪装甲車(偵察戦闘車)であり、一般にはフェレット偵察車(Ferret Scout car )と呼ばれる。“フェレット(Ferret)”とは家畜化されたケナガイタチの種名である。 イギリス以外にもフランスやイギリス連邦加盟国で広く使用された。 概要フェレット装甲車は、イギリス陸軍が第二次世界大戦中に広く使用していたダイムラー偵察車(ダイムラー・ディンゴ)の後継車両として、同じくダイムラー(デイムラー)社により1949年に設計された。 この車両は高速かつ小型であるうえに、頑丈な車体構造と不整地走破能力の高さ故に偵察任務にうってつけの車両である。 1952年から1971年にかけて4,409両が製造され、イギリス陸軍での運用期間は短かったが、その他のイギリス連邦加盟国で広く使用され、現在でもセントクリストファー・ネビスなどで多数が現役である。小型軽量であることと安価(10,000 USドルから)で入手できるため、軍用以外でも、個人コレクターが所有していることも多く、それらの車両は戦争映画によく登場している。日本国内にも私設博物館の運営者が所有する、公道走行可能な車両(Mk 1/2)が1両のみ現存する[1][2]。 構成車体は鋼鉄製のモノコック構造で、車体はほぼ密閉されている。4つの車輪はフラットタイヤである。砲塔は全ての車両に装備されているわけではない。標準武装は1挺の7.62mm口径ブレン軽機関銃L4(後にL7 GPMGに更新)のみであるが、イギリス軍の車両は左右に3つずつ発煙弾発射機を追加装備している。 設計と形状は前任のダイムラー偵察車との共通点が多いが、銃眼から固定式の機関銃もしくは対戦車ライフルを突き出す形式であったダイムラー偵察車とは異なり、機関銃付の小型砲塔(銃塔)を装備している。 内部は狭く車長と操縦士の座席をタンデム配置としているほどであるが、比較的安全な車内でティータイムを楽しむために湯沸器(ボイリングベッセル)と紅茶を保温する魔法瓶が標準装備となっている[1]。車体だけでなくボイリングベッセルにも段階的に改良が加えられている[1]。 派生型フェレット装甲車には、砲塔が存在しなかったりヴィジラント対戦車ミサイルを搭載したりしている派生型が存在する。
実戦投入第二次世界大戦後に開発された車両であるため、朝鮮戦争へ参加した可能性はある。1956年のスエズ動乱にも投入された。1993年のソマリア内戦へのPKO任務にも、ネパールがフェレット装甲車を派遣している。
運用国現用登場作品映画
小説
脚注
外部リンク
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