フアン・ニカシオ
フアン・ラモン・ニカシオ(Juan Ramon Nicasio, 1986年8月31日 - )は、ドミニカ共和国ドゥアルテ州サン・フランシスコ・デ・マコリス出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。 愛称はアレノーソ(Arenoso)で、由来はドゥアルテ州にある出身地(町名)である。[1]。 経歴プロ入りとロッキーズ時代2006年8月21日にコロラド・ロッキーズと契約してプロ入り。契約後、傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・ロッキーズでプロデビュー。8試合(先発5試合)に登板して2勝1敗、防御率2.89、24奪三振を記録した。 2007年はパイオニアリーグのルーキー級キャスパー・ゴースツでプレーし、13試合(先発8試合)に登板して0勝3敗、防御率4.36、33奪三振を記録した。 2008年はA-級トリシティ・ダストデビルズでプレーし、12試合に先発登板して2勝4敗、防御率4.50、61奪三振を記録した。 2009年はA級アッシュビル・ツーリスツでプレーし、18試合に先発登板して9勝3敗、防御率2.41、115奪三振を記録した。オフの11月20日にロッキーズとメジャー契約を結び[2]、40人枠入りした。 2010年3月5日にロッキーズと1年契約に合意。この年はA+級モデスト・ナッツでプレーし、28試合に先発登板して12勝10敗、防御率3.91、171奪三振を記録した。 2011年3月3日にロッキーズと1年契約に合意。3月14日にAA級タルサ・ドリラーズへ配属され[3]、開幕を迎えた。5月28日にメジャーへ昇格し[4]、同日のセントルイス・カージナルス戦でメジャーデビュー。7回無失点で初登板初勝利を挙げた。以後、先発の一角に定着していたが、8月5日のワシントン・ナショナルズ戦でイアン・デズモンドの放ったライナーが直撃し、椎骨を骨折する重傷を負った。即座に手術を受け、残りのシーズンを欠場することとなった[5]。この年メジャーは13試合に先発登板して4勝4敗、防御率4.14、58奪三振を記録した。 2012年は監督であるジム・トレーシーや主砲のカルロス・ゴンザレスが「奇跡」と表現するほどの驚異的な回復を見せ[6]、開幕に間に合わせた。しかし、6月2日のロサンゼルス・ドジャース戦で投ゴロを捌いた際に膝を痛めて故障者リスト入り。翌月になって関節鏡視下手術を受け、2年連続で怪我により早期にシーズンを終える結果となってしまった[7]。この年は11試合に先発登板して2勝3敗、防御率5.28、54奪三振を記録した[8]。 2013年3月5日にロッキーズと1年契約に合意[9]。開幕後は先発ローテーションに定着したが、5月19日に4勝目を挙げて以来、1ヶ月以上勝ち星に恵まれず、6月28日にAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスへ降格[10]。7月12日にメジャーへ再昇格した[10]。この年は31試合に先発登板して9勝9敗、防御率5.14、119奪三振を記録した[8]。 2014年1月17日にロッキーズと1年契約に合意[11]。前年と同様に開幕から先発ローテーションに加わったが、5月下旬から3試合連続で大量失点を喫するなど、不調が続いたため、6月16日にAAA級コロラドスプリングスへ降格した[10]。降格後は先発として登板していたが、7月からリリーフへ転向。8月7日にリリーフとしてメジャーへ再昇格した[10]。昇格後はリリーフとして定着し、19試合に登板した。この年は33試合(先発14試合)に登板して6勝6敗、防御率5.38、63奪三振を記録した。オフの11月20日にDFAとなった[10]。 ドジャース時代2014年11月24日に後日発表選手[12]とのトレードで、ドジャースへ移籍した[13]。 2015年はリリーフに転向し、先発登板したのは53試合中1試合だけだった。1勝3敗1セーブ・防御率3.86という成績を記録したが、四球を大量に与えた為、WHIPは1.56と高かった。ただ、58.1イニングで許したホームランは1本のみ、投球イニングを超える65個の三振を奪って自己ベストの奪三振率10.0をマークするなど、成長した面も多く見せた。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[14]。 パイレーツ時代2015年12月10日にピッツバーグ・パイレーツと1年契約を結んだ[15]。 2016年は先発とリリーフの両輪に戻り、40試合でリリーフ・12試合で先発登板した。防御率4.50・チーム唯一の二桁勝利となる[16]10勝7敗・WHIP1.37という、まずまずのピッチングを見せた。また、前年に開花した奪三振能力の面では、118.0イニングで138奪三振を記録して自己ベストの奪三振率10.5をマークし、引き続き証明した。 2017年は移籍までに65試合にリリーフ登板し、2勝5敗2セーブ、防御率2.85と好投していた[8]。 フィリーズ時代2017年8月31日にウェイバー公示を経てフィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[17]。フィリーズでは僅か5日間の所属で、2試合のリリーフ登板に留まった[10][8]。 カージナルス時代2017年9月6日にエリザー・アルバレスとのトレードで、セントルイス・カージナルスへ移籍した[18]。カージナルスでは9試合リリーフ登板で3勝4セーブ・防御率1.64であった。このシーズンは初めてリリーフに専念した年となり、リーグ最多の76試合登板で5勝5敗6セーブ・防御率2.61という好成績を挙げた[10]。オフの11月2日にFAとなった[19]。 マリナーズ時代2017年12月20日にシアトル・マリナーズと2年1700万ドルで契約を結んだ[20]。 マリナーズでは46試合に登板して1勝6敗、防御率6.00という成績に終わった。 フィリーズ復帰2018年12月3日にカルロス・サンタナ、J.P.クロフォードとのトレードでジーン・セグラ、ジェームズ・パゾスと共にフィリーズへ移籍した[21]。 レンジャーズ時代2020年1月22日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[10]。8月14日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[23]。オフの10月28日にFAとなった[10]。 投球スタイル93~95mph(最速97mph)のフォーシームが全投球の約2/3、平均84mphのスライダーが約1/4を占め、チェンジアップは主に左打者に対して用いる。2011年はツーシームも1割程度投げていたが、2012年はフォーシーム1本となっている(※データは2012年のPITCHf/x)[24][25]。 詳細情報年度別投手成績
年度別守備成績
背番号
脚注
関連項目外部リンク
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