ピエ・ノワール

ピエ・ノワール (Pieds-noirs) とは、1830年6月18日のフランス侵攻から、1962年アルジェリア戦争終結に伴うアルジェリア独立までのフランス領アルジェリアに居たヨーロッパ系(フランススペインイタリアマルタユダヤ系)植民者。また、アルジェリアだけでなくモロッコチュニジアを加えたマグレブ諸国のヨーロッパ系住民を含める場合もある。独立時点までのピエ・ノワールの人口は約100万人だと推される。

1962年のアルジェリア独立により多くは母国に帰国したが、フランス本国で差別的な扱いを受けている。

アルジェリアのユダヤ系住民で、同様にフランス国民として引き揚げてきた者も含むことがある。

ピエ・ノワールとは「」を意味する。フランス人入植者が先住民と黒いを履いていることで区別されたことが由来と言われるが、北アフリカ植民地政策初期に入植してきた多くのヨーロッパ人は軍人だったため一様に黒靴を履いており、靴を脱いだ彼らの足は靴墨で黒ずんでいたため、など多くの説がありどれが正しいのかは不明。また、20世紀初頭、蒸気船の燃料庫で動力となる石炭を燃やしていたアルジェリア労働者を指す語としても用いられていた。彼らは石炭が敷き詰められた倉庫の中を裸足で労働に従事しており、その足は石炭で真っ黒に汚れていた。その後、「イスラムのアルジェリア人」つまりヨーロッパ人入植前から居住していたアルジェリア人とも、「フランス本土のフランス人」とも異なるヨーロッパ入植者を指す呼称として1955年から使用された[1]

著名なピエ・ノワール

関連図書

  • 大嶋えり子著『ピエ・ノワール列伝――人物で知るフランス領北アフリカ引揚者たちの歴史』、2018年、パブリブ

脚注

関連項目