ヒメカイツブリ (姫鳰、学名 :Tachybaptus dominicus )は、カイツブリ目 カイツブリ科 の鳥類 であり、そのなかで最も小さい水鳥 である。
分布
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、西インド諸島。
アメリカ南西部 およびメキシコ からチリ 、アルゼンチン にかけて、またバハマ 、大アンティル諸島 、トリニダード・トバゴ に分布する。
形態
全長21 - 27cm(亜種による)、体重112 - 180g[ 2] 。すべてのカイツブリ類と同様、足は体の後方につき、うまく歩くことはできないが、泳いだり潜ったりするのは巧みである。体は小さくて丸く、嘴は短く先がとがる。目は黄色。体は全体として暗色に見える。
繁殖成鳥は灰褐色で、頭とのどは濃黒色。胸は褐色をおび、下部は淡色。飛ぶと翼に白斑が見える。
非繁殖期はのどが白色をおびた淡色で、幼鳥は成長より淡い灰色である。
亜種
ヒメカイツブリは、大きさと色により5亜種が認められる。[ 3]
生態
生育環境
淡水池、湖沼、ゆるやかな流れの河川、道路側溝、マングローブの生える沼地など、さまざまな湿地 に生息する[ 3] [ 4] 。通常、特に縁に沿って多くの植物が生える水域を好み、ほとんど草で覆われた湿地も利用する[ 3] 。雛が大きな魚に捕食されるのを避けるため、繁殖時には小さな水域を選ぶとも考えられる。[ 5]
1年の多くは単独かつがいで見られるが、非繁殖期には時に20羽以上の群れとして集まることもある。[ 6]
食性
他のカイツブリ類と同様、潜水をして、小さな魚 、甲殻類 、カエル 、水生昆虫 などさまざまな水中の小動物を捕食 する[ 7] 。水中で餌の多くを追い、平均12.5秒それぞれ潜水し、2 - 24秒の間一時浮上する。[ 8]
繁殖
周年繁殖する[ 7] 。テキサス州 では1年のどの月にも営巣が見られるが、熱帯のものは雨期 に繁殖する傾向がある[ 5] 。各つがいは水面まで1.5mくらいの深さに根がつく植物を支えとして、植物製(通常さまざまな水生雑草)の小振りな浮き巣 を造る。雌は3-6個の白い卵を産むが、湿った巣材がすぐ卵に茶色の染みをつける[ 7] 。雌雄両方で抱卵し、21日後に孵化する。 縞模様の幼鳥は時々親の背中で運ばれる。
鳴き声
繁殖期の声は馬 のいななきにも例えられた。
脚注
^ a b c d Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. p. p. 8. ISBN 978 0 8014 4501 9
^ Ogilvie & Rose 2003 , p. 92
^ a b c Ogilvie & Rose 2003 , p. 32
^ Howell, Steve N. G.; Sophie Webb (1995). A Guide to the Birds of Mexico and Northern Central America . Oxford University Press. pp. 94–5. ISBN 0-19-854012-4
^ a b Ogilvie & Rose 2003 , p. 34
^ Hilty, Steven L. (2003). Birds of Venezuela . London: Christopher Helm. pp. 185–6. ISBN 0-7136-6418-5
^ a b c Stiles, Gary; Alexander Skutch (1989). A Guide to the Birds of Costa Rica . Ithaca, NY: Comstock Press. p. 68. ISBN 0-8014-2287-6
^ Jenni, Donald A. (April 1969). “Diving times of the Least Grebe and Masked Duck”. Auk 86 : 355–6.
参考文献
ffrench, Richard (1991). A Guide to the Birds of Trinidad and Tobago (2nd ed.). Comstock Publishing. ISBN 0-8014-9792-2
Ogilvie, Malcolm; Chris Rose (2003). Grebes of the World . Uxbridge, UK: Bruce Coleman. ISBN 1-872842-03-8
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
ヒメカイツブリ に関連するメディアがあります。