ヒメカイツブリ

ヒメカイツブリ
ヒメカイツブリ Tachybaptus dominicus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カイツブリ目 Podicipediformes
: カイツブリ科 Podicipedidae
: Tachybaptus
: ヒメカイツブリ T. dominicus
学名
Tachybaptus dominicus
(Linnaeus, 1766)
和名
ヒメカイツブリ
英名
Least Grebe
亜種
  • T. d. dominicus [1]
  • T. d. brachypterus [1]
  • T. d. bangsi [1]
  • T. d. speciosus [1]
  • T. d. eisenmanni
亜種分布図
亜種分布図

ヒメカイツブリ(姫鳰、学名Tachybaptus dominicus)は、カイツブリ目カイツブリ科鳥類であり、そのなかで最も小さい水鳥である。

分布

北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、西インド諸島。

アメリカ南西部およびメキシコからチリアルゼンチンにかけて、またバハマ大アンティル諸島トリニダード・トバゴに分布する。

形態

全長21 - 27cm(亜種による)、体重112 - 180g[2]。すべてのカイツブリ類と同様、足は体の後方につき、うまく歩くことはできないが、泳いだり潜ったりするのは巧みである。体は小さくて丸く、嘴は短く先がとがる。目は黄色。体は全体として暗色に見える。

繁殖成鳥は灰褐色で、頭とのどは濃黒色。胸は褐色をおび、下部は淡色。飛ぶと翼に白斑が見える。

非繁殖期はのどが白色をおびた淡色で、幼鳥は成長より淡い灰色である。

亜種

ヒメカイツブリは、大きさと色により5亜種が認められる。[3]

生態

生育環境

淡水池、湖沼、ゆるやかな流れの河川、道路側溝、マングローブの生える沼地など、さまざまな湿地に生息する[3][4]。通常、特に縁に沿って多くの植物が生える水域を好み、ほとんど草で覆われた湿地も利用する[3]。雛が大きな魚に捕食されるのを避けるため、繁殖時には小さな水域を選ぶとも考えられる。[5]

1年の多くは単独かつがいで見られるが、非繁殖期には時に20羽以上の群れとして集まることもある。[6]

食性

他のカイツブリ類と同様、潜水をして、小さな甲殻類カエル水生昆虫などさまざまな水中の小動物を捕食する[7]。水中で餌の多くを追い、平均12.5秒それぞれ潜水し、2 - 24秒の間一時浮上する。[8]

繁殖

周年繁殖する[7]テキサス州では1年のどの月にも営巣が見られるが、熱帯のものは雨期に繁殖する傾向がある[5]。各つがいは水面まで1.5mくらいの深さに根がつく植物を支えとして、植物製(通常さまざまな水生雑草)の小振りな浮きを造る。雌は3-6個の白い卵を産むが、湿った巣材がすぐ卵に茶色の染みをつける[7]。雌雄両方で抱卵し、21日後に孵化する。 縞模様の幼鳥は時々親の背中で運ばれる。

鳴き声

繁殖期の声はのいななきにも例えられた。

脚注

  1. ^ a b c d Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. p. p. 8. ISBN 978 0 8014 4501 9 
  2. ^ Ogilvie & Rose 2003, p. 92
  3. ^ a b c Ogilvie & Rose 2003, p. 32
  4. ^ Howell, Steve N. G.; Sophie Webb (1995). A Guide to the Birds of Mexico and Northern Central America. Oxford University Press. pp. 94–5. ISBN 0-19-854012-4 
  5. ^ a b Ogilvie & Rose 2003, p. 34
  6. ^ Hilty, Steven L. (2003). Birds of Venezuela. London: Christopher Helm. pp. 185–6. ISBN 0-7136-6418-5 
  7. ^ a b c Stiles, Gary; Alexander Skutch (1989). A Guide to the Birds of Costa Rica. Ithaca, NY: Comstock Press. p. 68. ISBN 0-8014-2287-6 
  8. ^ Jenni, Donald A. (April 1969). “Diving times of the Least Grebe and Masked Duck”. Auk 86: 355–6. 

参考文献

  • ffrench, Richard (1991). A Guide to the Birds of Trinidad and Tobago (2nd ed.). Comstock Publishing. ISBN 0-8014-9792-2 
  • Ogilvie, Malcolm; Chris Rose (2003). Grebes of the World. Uxbridge, UK: Bruce Coleman. ISBN 1-872842-03-8 

外部リンク