パレスチナイロワケガエル
パレスチナイロワケガエル(Latonia nigriventer)は、イスラエルとシリアの国境地帯にあったフーラ湖に生息するカエルの1種。イスラエルイロワケガエル、ハラグロミミナシガエルという別名がある。 概要ユダヤ民族基金によって実施された、ヤルコン川の水をネゲブに導く灌漑事業によりフーラ湖が干上がったため、同じフーラ湖に生息していた Acanthobrama hulensis(コイ科)や Tristramella intermedia (シクリッド科)とともに、1955年以降絶滅したと考えられていた。しかし2011年、絶滅両生類10種を世界規模で探索するプロジェクトによって再発見された。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト2012年版では、絶滅危惧IA類(絶滅寸前)に分類された[1]。2011年以降、現在までに14匹の生個体が確認され、推定生息数は100から200匹ほどと推測されている[2]。 生態体長は8cm程度。体色は黄土色で、背中にはまだら模様(さび色の斑)があり、腹は白い斑点をもつ黒色をしている。夜行性。パレスチナイロワケガエルの生態については、絶滅したとされた時期がイスラエル建国直後の混乱期で、オタマジャクシを含めても5匹程度しか捕獲されておらず、不明な点が多かった。 それまでイロワケガエル属(Discoglossus)に分類されていたが、再発見された個体について遺伝的解析と形態的解析が行われ、更新世以降に絶滅したと考えられていたラトニア属(Latonia)に分類しなおされた[3]。同属現生は本種のみで、同属種の化石についてはイスラエルで200万年前のものが発見されている[2]。数百万年以上同じ形態を保っているものとされ、「生きた化石」と考えられている[2]。 出典
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