バーン・ウィチャエーン
バーン・ウィチャエーン(Ban Wichayen 〈Bahn Vichayen〉、タイ語: บ้าน วิชาเยนทร์)は、タイの中部、ロッブリーにある遺跡。ウィチャエーンの家(英: Wichayen House)とも称される。 ギリシャ生まれで1675年にタイに渡来した後、王ナーラーイ(在位1656-1688年)のもとで大臣を務めたコンスタンティン・フォールコン(チャオプラヤー・ウィチャエーン〈Chao Phraya Wichayen、タイ語: เจ้าพระยาวิชเยนทร〉)の邸宅の跡でありチャオプラヤー・ウィチャエーンの家と呼ばれるが、もともとはフランス大使のために建てられた建造物であった[1]。 位置バーン・ウィチャエーンは、ロッブリー市内の中心部にあるナーラーイ王の宮殿プラ・ナーラーイ・ラチャニウェートの北約300m[2]、寺院遺跡プラーン・サームヨートの西約400mに位置する。 歴史当初、建物は王ナーラーイにより、1658年にロッブリーの王のもとを訪れたフランス大使アレクサンドル・ド・ショーモン(シュバリエ・ド・ショーモン)の住居として建造された[1]。 その目的によりこの複合建造施設は当初、使節を迎える王室の迎賓館として“Ban Luang Rab Rat Thut”(タイ語: บ้านหลวงรับราชทูต)と呼ばれた。その後、王に仕えたコンスタンティン・フォールコンの官職名であるチャオプラヤー・ウィチャエーンにちなんで付けられたバーン・ウィチャエーンの名称で知られるようになった。 構成構造物の中心部には、ヨーロッパとタイ様式を融合して建てられ、鐘楼を備えたカトリックのチャペル(礼拝堂)がある[3]。その西側には大使の邸宅があった。東側には中庭が広がり、そこには別にフランス外交官の居留する建物群が構築された。敷地の後方には厨房および小型の宿所などを備えていた[4]。 構造物はヨーロッパの様式で設計されており、フォールコン(ウィチャエーン)の住居は2階建である。窓や扉の上部には精細に彫刻された化粧しっくい(スタッコ)の装飾が施され、その一部が保存されている。入口に向かって半円形の階段がある[3]。 脚注
関連項目外部リンク
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