バリオバーン (グラーツ市電)
この項目では、シュタッドラー・レールが展開する路面電車車両ブランドのバリオバーンのうち、オーストリア・グラーツの路面電車であるグラーツ市電向けに製造された車両について解説する。旧型車両の置き換えを目的に導入された超低床電車で、200番台の車両番号が与えられている[1][2][3]。 概要老朽化が進みバリアフリーにも適していない高床式車両の置き換えを目的としたグラーツ市電向けの新型車両の入札を経て、2007年10月にシュタッドラー・レールへ発注が実施された車両[注釈 1]。製造はドイツ・ベルリン(パンコウ区)にあるシュタッドラー・レール工場で実施された[1][2][4]。 ステンレス鋼製の車体を用いた片運転台式の5車体連接車(車体長27.5 m)で[注釈 2]、中間車体の一部は台車がないフローティング車体となっている。設計に際してはモジュール構造が採用されている。車内は全体が床上高さ350 mmの低床構造となっており、車内に2箇所存在する車椅子・ベビーカー等が設置可能なフリースペースや一部の乗降扉に設置されている折り畳み式スロープ、視覚障害者のための情報システムなどの設備と共にバリアフリーへの適合が図られている。台車は車軸が存在しない独立車輪式台車で、主電動機は前後車体の各車輪の外側に搭載されている(ハブモーター方式)。塗装はそれまでの車両と異なり灰色や白色を基調としているが、これは全面広告塗装時のデザインの容易さを図ったものである[1][2][3][8]。
2009年に最初の車両がグラーツ市電に納入された後、2010年から営業運転に投入され、2015年までに45両(201 - 245)が導入された。そのうち2011年以降に製造された車両については騒音・振動の抑制や制動機構の調整などの改良が施され、それ以前の車両にも同様の改造が実施されている。これらの車両への置き換えにより、それまで使用されていた高床式車両は500形を除き2015年までに営業運転を終了している[1][3][3][4][8][9][10]。 ギャラリー脚注注釈出典
参考資料
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