バカンティマウス

バカンティマウス(Vacanti mouse)あるいは耳ネズミイヤーマウス(Earmouse)とは、背中にヒトが生えているかのように見える実験用マウスである。この「耳」は実際には、生分解性の金型に牛の軟骨細胞を播種することで人間の耳の形をした軟骨を作り、それをマウスの皮膚下に移植したものである[1]。(英語版に写真がある)。

麻酔科医(マサチューセッツ大学医学部)のチャールズ・バカンティらによって作製され、1997年に発表された。マウス自体はヌードマウスと呼ばれる、一般的に用いられる拒絶反応が阻害されている免疫不全マウスである。

1990年代末の英語圏を中心とするインターネット上で、いわゆるグロ画像の一種として出回り、生物工学に関する倫理的な議論、そしてアニマルライツ派やプロライフ派の怒りを引き起こした[2]

なお、2016年には実際に東京大京都大のチームが人間のiPS細胞から作った耳軟骨をラットの背中で培養している[3]

関連項目

出典

  1. ^ “Transplantation of chondrocytes utilizing a polymer-cell construct to produce tissue-engineered cartilage in the shape of a human ear”. Plast. Reconstr. Surg. 100 (2): 297–302; discussion 303–4. (August 1997). PMID 9252594. http://Insights.ovid.com/pubmed?pmid=9252594. 
  2. ^ BBCニュース In 1997 Dr Jay Vacanti grew a human ear from cartilage cells the back of a mouse, causing outrage among animal rights and pro-life groups.
  3. ^ “iPSで耳の軟骨作製 東大・京大チーム”. 日本経済新聞. (2016年1月16日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22HA0_T20C16A1CR0000/ 2021年9月25日閲覧。 

外部リンク