ハンターキラー 潜航せよ
『ハンターキラー 潜航せよ』(ハンターキラーせんこうせよ、Hunter Killer)は2018年のアメリカ合衆国のスリラー映画。監督はドノヴァン・マーシュ、主演はジェラルド・バトラーが務めた。本作はドン・キースと米海軍潜水艦の元艦長ジョージ・ウォレスが2012年に発表したFiring Point(原作は、"Final Bearing"、The Hunter Killer Series"の第1巻。シリーズは全6巻まである)を原作としている。なお、本作はミカエル・ニクヴィストの遺作のひとつ[4]。ハンターキラーは潜水艦の異名である。 ストーリーロシア領バレンツ海で、ロシア潜水艦を追尾していたアメリカ海軍潜水艦USSタンパ・ベイが消息を絶った。現場では2回の爆発が観測され、アメリカ軍上層部は直ちに潜水艦USSアーカンソーを現場に向かわせた。 ロシアのザカリン大統領は、潜水艦が消息を断った北海に面したコラ半島のポリャルヌイ海軍基地に向けモスクワを発っていた。しかし、それは事故処理ではなく爆発以前の行動だった。ロシア大統領の動向について、アメリカ政府はビーマン隊長以下4名のネイビーシールズにポリャルヌイ海軍基地への潜入と情報収集を命じた。 沈没したタンパ・ベイを発見し生存者が皆無と確認するUSSアーカンソー。だが付近にはロシアの原潜コーニクも沈没していた。コーニクが爆発物によって内側から破壊され沈んだことを確認したUSSアーカンソーのグラス艦長は、命令違反を承知で情報を得るためにロシア艦に小型急難艇を送り、アンドロポフ船長と2名の乗員を救助した。 ポリャルヌイ海軍基地に潜入し、ロシア大統領ザカリンがドゥーロフ国防相に拘禁される映像をアメリカに送信するネイビーシールズ。クーデターを起こしたドゥーロフは大統領令を偽装するために秘密裏にザカリンを拘束したのだ。アメリカ政府はザカリン大統領を救出する作戦を承認し、現地のビーマン隊長に命令を下した。 ロシア大統領とネイビーシールズ救出の命令を受け、ポリャルヌイ海軍基地を目指すUSSアーカンソー。だが、フィヨルドの奥にある基地まではロシア海軍の半数の戦艦と機雷群を抜ける必要があった。ロシア艦のアンドロポフ艦長に案内を請うために、軍規を犯して最高機密の艦橋に招くグラス艦長。事態を受け入れたアンドロポフ艦長は、アーカンソーをポリャルヌイ海軍基地まで導いた。 部下を失いながらもザカリン大統領を救出するネイビーシールズのビーマン隊長。迎えの小型救難艇に大統領を乗り込ませたビーマン隊長は、陸に残した1人の部下を救うために敵地に戻った。 USSアーカンソーをザカリン大統領ごと沈めるべく、ドゥーロフ国防相はウダロイ級駆逐艦を派遣する。駆逐艦からの攻撃でUSSアーカンソーは満身創痍になりながらも、グラス艦長は反撃を控える。もしここでザカリン大統領が死ねば、アメリカはロシア大統領を拉致した上に殺したと非難されるが、戦闘になれば世界大戦が起こる。すでにロシア艦隊とアメリカ艦隊は交戦する寸前まで接近していた。 攻撃して来た駆逐艦の乗組員は全員が教え子だというアンドロポフ艦長の言葉を聞いて、敢えて駆逐艦の真正面に浮上するグラス艦長。アンドロポフ艦長とザカリン大統領からの通信を聞いた駆逐艦の若い乗員たちは攻撃を躊躇い、それに業を煮やしたドゥーロフ国防相はKh-35地対艦ミサイル部隊によってUSSアーカンソーへの攻撃を開始する。アメリカ軍のドネガン統合参謀本部議長はグラス艦長にUSSアーカンソーに搭載されたトマホーク巡航ミサイルでポリャルヌイ海軍基地を攻撃するよう命令するが、グラス艦長は最後まで攻撃を躊躇う。着弾の直前、駆逐艦はCIWSでUSSアーカンソーに向けられたKh-35を破壊し、ポリャルヌイ海軍基地の司令部をミサイル攻撃してドゥーロフ国防相やクーデターの一味もろとも破壊した。 USSアーカンソーからロシア空軍に発令してクーデターを鎮圧するザカリン大統領。アンドロポフ艦長と互いに敬意を表しつつ別れるグラス艦長。敵地に戻ったビーマン隊長も無事に部下を連れ帰った。 キャストアーカンソー乗員
Navy SEALs隊員
対策本部
ロシア
その他
製作2015年11月12日、オリジナル・フィルムが新作映画の製作に着手したと報じられた[7]。2016年3月3日、ドノヴァン・マーシュが監督に起用され、ジェラルド・バトラーとゲイリー・オールドマンの出演が決まったとの報道があった[8]。6月23日、テイラー・ジョン・スミスの出演が決定した[9]。7月6日、ガブリエル・チャバリアがキャスト入りした[10]。7日、ゼイン・ホルツが本作に出演すると報じられた[11]。13日、マイケル・トルッコとライアン・マクパートリンの出演が決まった[12]。19日、ミカエル・ニクヴィストの起用が発表された[13]。21日、デヴィッド・ギャーシーがキャスト入りしたとの報道があった[14]。8月4日、リンダ・カーデリーニが本作に出演すると報じられた[15]。 撮影2016年7月25日、本作の主要撮影がロンドンで始まった[16]。 興行収入本作は『Indivisible』及び『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』と同じ週に封切られ、公開初週末に750万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[17]、実際の数字はそれを下回るものとなった。2018年10月26日、本作は全米2728館で公開され、公開初週末に665万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場5位となった[18]。この数字はジェラルド・バトラー主演作としては異例の低さであった[1]。 評価本作に対する批評家の評価は伸び悩んでいる。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには101件のレビューがあり、批評家支持率は37%、平均点は10点満点で4.7点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「潜水艦を舞台にした作品の多くと同様、『ハンターキラー 潜航せよ』は陰鬱な雰囲気のアクション映画になっている。そのおざなりなストーリー展開は他の作品で何回も展開されたものをなぞっている。」となっている[19]。また、Metacriticには28件のレビューがあり、加重平均値は43/100となっている[20]。なお、本作のCinemaScoreは A+ から F のうちの A- となっている[21]。 出典
関連項目
外部リンク |