ハイドンの弦楽四重奏曲一覧では、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲のリストを示す。
概要
ホーボーケンの目録では「III」に該当する。多くの作品は6曲ずつまとめて出版され、作品番号によって呼ばれることも多い。現在の作品番号は19世紀はじめにパリでイグナツ・プライエルによって出版された初のハイドン弦楽四重奏曲全集のものにもとづく。
作品50(1787年)以降は継続的に書かれているが、それ以前の作品の発表は断続的であり、1750年代後半の10曲(作品1/2)、1770年前後の18曲(作品9/17/20)、1781年の6曲(作品33)の間にそれぞれ10年ほどの弦楽四重奏曲を作曲しない期間がある。
ハイドンの弦楽四重奏曲は1805年のハイドン作品目録(HV)以来、長らく83曲と考えられてきたが、ほかにフンメル社から出版された作品1の1(Hob.II:6)がある。また、作品3の6曲は現在ではハイドンの作ではないと考えられており、このほかに作品1の5、作品2の3、作品2の5、および『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』(7曲)を編曲ものとして除くと、68曲になる。
ハイドンは長い間題名として弦楽四重奏曲を用いず、ディヴェルティメントと呼んでいた。自筆楽譜に「四重奏曲」の名が現れるのは作品42(1785年)になってからである。また、チェロの声部は作品17まで「バス」と指定されており、本当にチェロを想定していたのかどうか明らかでない。
弦楽四重奏曲一覧
編曲
作品番号順
Hob. III |
Op. |
作品タイトル |
作曲年代 |
備考
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5 |
1-5 |
弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 |
1762 |
交響曲「A」変ロ長調(第107番)(Hob. I:107) の編曲
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9 |
2-3 |
弦楽四重奏曲第9番 変ホ長調 |
1763 |
6声のディヴェルティメント (Hob. II:21) の編曲
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11 |
2-5 |
弦楽四重奏曲第11番ニ長調 |
1764 |
6声のディヴェルティメント (Hob. II:22) の編曲
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50 |
51 |
弦楽四重奏曲第50番 変ロ長調 |
1787 |
『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』の編曲
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51 |
弦楽四重奏曲第51番 ハ短調
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52 |
弦楽四重奏曲第52番 ホ長調
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53 |
弦楽四重奏曲第53番 ヘ短調
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54 |
弦楽四重奏曲第54番 イ長調
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55 |
弦楽四重奏曲第55番 ト短調
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56 |
弦楽四重奏曲第56番 変ホ長調
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疑作・偽作
作品番号順
Hob. III |
作品タイトル |
作曲年代 |
備考
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13 |
弦楽四重奏曲第13番 ホ長調 |
1777出版 |
作品3の6曲、R.ホフシュテッター作か
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14 |
弦楽四重奏曲第14番 ハ長調
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15 |
弦楽四重奏曲第15番 ト長調
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16 |
弦楽四重奏曲第16番 変ロ長調
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17 |
弦楽四重奏曲第17番 ヘ長調『セレナード』
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18 |
弦楽四重奏曲第18番 イ長調
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C1 - 13 |
弦楽四重奏曲 ハ長調 |
- |
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D1 - 9 |
弦楽四重奏曲 ニ長調 |
- |
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d1 |
弦楽四重奏曲 ニ短調 |
- |
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Es1 - 12 |
弦楽四重奏曲 変ホ長調 |
- |
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E1 - 3 |
弦楽四重奏曲 ホ長調 |
- |
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F1 - 7 |
弦楽四重奏曲 ヘ長調 |
- |
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G1 - 7 |
弦楽四重奏曲 ト長調 |
- |
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g1 |
弦楽四重奏曲 ト短調 |
- |
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A1 - 6 |
弦楽四重奏曲 イ長調 |
- |
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B1 - 10 |
弦楽四重奏曲 ロ長調 |
- |
B1のみ4楽章
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