ニワシロユリ
ニワシロユリ
分類
学名
Lilium candidum
英名
Madonna lily, white lily
ニワシロユリ (英:Madonna lily [ 1] [ 2] , white lily[ 3] )は、ユリ科ユリ属の植物 。
概要
バルカン半島 や中東 が原産地。フランス 、イタリア 、ウクライナ などのヨーロッパ 地域や北アフリカ 、カナリア諸島 、メキシコ などにも帰化している[ 4] [ 5] 。
古くから3000年以上栽培されており、多くの文化にとって大きな象徴的価値を持っている[ 6] 。ユリに共通するウイルス 病に罹り、またボトリティス菌 にも弱い。ウイルス病の問題を解決する術の一つとして種子から育てることが挙げられる。
特徴
他のユリと異なり、冬の間に葉のロゼット を成長させて、翌年の夏に枯れる。葉の付いた花茎1.2mほどに成長し、時には2mに達することもある。花は純白で、花弁の奥が黄色に染まっている[ 7] [ 8] [ 9] [ 10] [ 11] 。
文化
母子とパドヴァのアントニオ 、ニコーラ・ダ・トレンティーノ。両聖人とも白いユリの花を持っており、その貞節な生活を象徴している。
ニワシロユリは、古代ミノア のクノッソス 宮殿跡にある『ユリの王子』と題されたフレスコ画 に描かれている。
聖書 の翻訳によっては、ヘブライ語 のShoshannahを『歌の中のユリ』と訳しているものもある。 例えば、アブラハム・イブン・エズラ は、「良い香りを放ち、6枚の花弁と6本のの雄蕊 を持つ白いユリ」と表現している。しかし、『峡谷のユリ』という言葉があるように、一般的に山地に生育し、谷間には生育しないため、その正体は不明である。
聖書には、ソロモン神殿 の柱 と真鍮製の海(水盤)にニワシロユリの意匠を施された[ 注 1] [ 注 2] [ 12] 。
カトリック教会 と正教会 の一部の図像において、白いユリは純潔 を象徴している。例えば、中世の受胎告知 の描写では、大天使ガブリエルが聖母マリアに白いユリを手渡ししている。更に白いユリはナザレのヨセフ [ 13] 、パドヴァのアントニオ 、マリア・ゴレッティなど他の処女や貞潔な聖人の象徴でもある。
フランスでは、ニワシロユリを様式化したものと表現されるフルール・ド・リス の象徴が採用されたが[ 14] [ 15] 、この象徴の形状は、より正確にはキショウブ またはニオイイリス (英語版 ) に似ている[ 16] [ 17] 。ユリの花はイエフド・メディナータの古代硬貨やサラディン時代のシリアの中世の旗にも描かれている[要出典 ] 。西洋の文脈で初めて登場するのは、アッコ にある聖ヨハネ騎士団 の施設の食堂を飾る石彫で、おそらくヴァロワ=アンジュー家 が採用した事との関連を示している。
1999年以前、ニワシロユリはケベック州 の州花であり、これはおそらくケベック州旗のフルール・ド・リスに因んだものであろう。しかし、ニワシロユリはケベック州には自生していないとして批判され、1999年にケベック州原産のブルーフラッグ (英語版 ) に変更された[ 18] 。
食用
台湾 では花も球根も食用として利用されており、ニワシロユリの他にハカタユリ 、オニユリ 、イトハユリ などが食べられている[ 19] 。
動物への毒性
ニワシロユリの種の鞘と種子 - トゥールーズ自然史博物館
ネコ はこの植物の毒性に対して極めて敏感で、摂取するとしばしば致命的となる[ 20] [ 21] [ 22] 。ネコが出入りする家庭や庭では、この植物を栽培したり、ドライフラワーを置いたりしないことが強く勧められる[ 23] 。摂取した場合は活性炭 の投与や催吐処置を行うことによって吸収される毒素の量を減らすことができる。治療は一刻を争うため、場合によっては獣医師が自宅で行うことを進めることもある。ネコに大量の輸液を点滴 で行い、腎臓への被害を軽減し、生存の可能性を高めることができる[ 23] 。
ギャラリー
脚注
注釈
^ 柱の上にある頭は四キユビトの百合花の形にして廊におけるがごとし(列王記上 7:19)
^ 海の厚は手寛にして其邊は百合花にて杯の邊の如くに作れり海は二千斗を容たり(列王記上 7:26)
出典
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外部リンク
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