ニュージーランド王立協会
ニュージーランド王立協会(ニュージーランドおうりつきょうかい、英: The Royal Society of New Zealand; RSNZ)は、ニュージーランドの国立アカデミー。科学・技術と、人文科学・社会科学を合わせたニュージーランドで頂点に位置する学会である。本部はウェリントンに所在する。 イギリス王立協会と強力なコネクションを持ち、学術界の発展に貢献する人材交流や情報交換を積極的に行っている。 歴史1867年に、第3代ニュージーランド副王(現・ニュージーランド総督)を務めらジョージ・グレイが設立した科学研究を母体とする「ニュージーランド学会(New Zealand Institute)」に起源を持つ。ニュージーランド学会法1867が制定され、それまで独立運営されたオークランド学会、ウェリントン哲学協会、カンタベリー哲学協会、オタゴ学会を傘下に置いた。 1933年5月18日にニュージーランド王立学会法が議会を通過し、学会名をニュージーランド王立協会へ改称。同年12月6日に「ニュージーランド王立学会法1933」が施行される。1965年にニュージーランド王立協会法は「ニュージーランド王立協会法1966」へ改訂され、現在は1997年7月14日に改訂された「ニュージーランド王立協会法1997」により組織運営されている。 2010年1月1日より、従来の科学・技術主体の学会に人文・社会科学の学会を加え、文理融合の総合学会となった。 組織学会の最高責任者は会長が務め、任期は二年(再任可)。 理事会の最高責任者は理事長が務める。 学会運営は王立協会評議会により行われ、評議会には会長(1名)、副会長3名(生理・医学担当1名、物理学・数学・工学・技術開発担当1名、人文・社会科学担当1名)、学会選挙により選出された評議員3名、所属会派から選出された評議員1名、各支部より選出された評議員1名、その他の評議員(最大3名)が所属する。 学会は1200名以上の会員と、フェローと呼ばれる上級会員379名、名誉フェロー70名、10支部、60の付属会派が所属している。 一般会員は協会規定を満たせば高校生から入会が認められる。学術界出身者でなくても入会規定を満たせば入会可能。学生や退職者向けに特別会費も設定されている。フェローと呼ばれる上級会員は学士院の選考を経て選出される終身の特別会員であり、学会内で特権的な地位が与えられる。 学士院1997年の法改正により、それまで王立協会が行っていたフェロー選考を学士院(The Academy)へ移管し、学士院諮問委員会(The Committee)を設置。学士院諮問委員会がフェロー選考を行うことになった。委員会は8名の委員が最終決定権を持ち、委員長(1名)が委員会の最高責任者を務める。学士院は「生物・生理学」「自然科学・数学・技術・工学」「人文学・社会科学」の3部門で諮問委員会を設置し、各諮問委員会には最大11名の選考委員が所属し、学術上顕著な功績を残した学者を推薦する。 フェローに推薦された科学者は王立協会フェローの称号である"FRSNZ"のポスト・ノミナル・レターズを氏名の後ろに記載することが認められる。学術界から引退したフェローと外国籍のフェローは名誉フェローを意味する"Hon FRSNZ"のタイトルを氏名の後ろに記載することが認められる。 名誉フェローは終身の名誉職であり、日本からは地質学者・地理学者の太田陽子(横浜国立大学名誉教授、専修大学元教授)が「名誉フェロー」の称号を授与されている。 賞・メダル
脚注
外部リンク
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