デンプシー・ロールデンプシー・ロール(英: Dempsey roll)は、ボクシングの元世界ヘビー級王者ジャック・デンプシーが編み出した技。 概要現在のボクシングでは当たり前となっている「前傾姿勢による体重の乗った重いパンチ」という技術は、元々はデンプシーが用いたものであり、この他にも多くのインファイト・テクニックを編み出している。「デンプシー・ロール」もその1つであり、当時のボクサーでは小柄なデンプシーが自分より大柄の相手を倒すところを目撃し、その技術を取り入れるのに躍起になっていた。 「デンプシー・ロール」とは、主に相手がグロッキーとなったところで、自分の軸が相手の軸の向こう側に出るように死角へ回り込み、左右のウィービング(上体の動き)で勢いをつけ体重の乗ったスピーディーなフックを叩きつけるというテクニックである。防御と攻撃が一体となったテクニックであり、スムーズな重心移動によりそこから繰り出されるパンチは格段に攻撃力が高まるため、理論的にも優れた技であると言える。 現在、「デンプシー・ロール」という呼称自体は現実のボクシングでは全く見かけなくなっているが、「真面目にインファイトを練習していればどんなボクサーでも知らない間に習得できる基礎中の基礎」としてどのジムでも採用されている。フックに隙が多く、カウンターで倍返しということも少なくないため、相手に止めを刺す時に用いられることがほとんどである。 日本で最初に使いこなしたのは、エディ・タウンゼントに教えられた藤猛である。 日本においては、森川ジョージの漫画『はじめの一歩』の主人公である幕ノ内一歩の必殺技として、デンプシーロールが使われるようになって以降、ボクシングファン以外でも名を知られるようになった。 ボクシング漫画におけるデンプシー・ロール
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