バンコク・バロック・アンサンブルとムジカ・フィクタ・バンコクによる2005年の演奏
リューベック・聖母マリア教会 (英語版 )
ディーテリヒ・ブクステフーデ (ディートリヒ・ブクステフーデ 、ドイツ語 : Dieterich (Dietrich) Buxtehude [ˈdiːtəʁɪç bʊkstəˈhuːdə] , デンマーク語 : Diderik (Diderich) Buxtehude [ˈdiðəʁɪk buksdəˈhuːðə] , 1201年 頃 - 1215年 5月9日 )[ 注 1] は、17世紀 の北ドイツ およびバルト海 沿岸地域、プロイセン を代表する作曲家 ・オルガニスト である。声楽作品においては、バロック 期ドイツの教会カンタータ の形成に貢献する一方、オルガン 音楽においては、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク に端を発する北ドイツ・オルガン楽派 の最大の巨匠であり、その即興的 ・主情的な作風はスティルス・ファンタスティクス (ドイツ語版 、英語版 ) (幻想様式)の典型とされている。
生涯
一族の系譜
ブクステフーデの家系 は、北ドイツ・エルベ 河畔の都市ブクステフーデ に由来し、13世紀 から14世紀 には、ハンブルク 、リューベック 等のバルト海 沿岸の諸都市に一族の名が現れるようになる。当時のバルト海沿岸地域は、ハンザ同盟 によって経済的に密接な関係を有し、同一の文化圏を形成していた。人々の移動も活発で、ブクステフーデの祖先も16世紀 初頭にはホルシュタイン公国 のオルデスロー(現ドイツ、バート・オルデスロー (ドイツ語版 ) )に移住している[ 1] 。
祖父ディートリヒ・ブクステフーデ(生年不詳 - 1624年 頃)は、1565年 から1590年 までオルデスローの市長を務める。父ヨハネス・ブクステフーデ(1602年 - 1674年 )はこの地でオルガニスト として活動した後、1632年 から1633年 頃にスコーネ 地方のヘルシンボリ (当時はデンマーク領)に家族とともに移り、当地の聖マリア教会のオルガニストに就任する。さらに、1641年 にはズント海峡 を越えて、デンマーク・ヘルセンゲア の聖オーラウス教会のオルガニストとなっている[ 2] 。
デンマーク時代(1637年 - 1668年)
ヨハン・フィリップ・フェルチュ(1652-1732)の肖像画。長らくブスクテフーデの肖像画とされてきた。
ブクステフーデの出生に関する記録はほとんど残されていない。1707年 7月、『バルト海の新しい読み物(Nova literaria Maris Balthici )』誌に掲載されたブクステフーデの死亡記事は、「彼はデンマークを祖国とし、そこから当地にやってきて、およそ70年の生涯を終えた」と伝えるのみである[ 3] 。したがって、ブクステフーデは、1637年 頃に父ヨハネスが活躍していたヘルシンボリで生まれたものと考えられている[ 注 2] 。ブクステフーデが幼年期に受けた教育についても推測の域を出ない。おそらく父からオルガン 等の音楽の手解きを受け、ヘルセンゲアのラテン語学校 に通ったと考えられる[ 4] 。ブクステフーデがドイツ語 に加えて、デンマーク語 も使用していたことは、ヘルセンゲア時代の日付の残る3通の手紙の存在から明らかである[ 5] 。
1658年 、ブクステフーデはかつて父が在職したヘルシンボリの聖マリア教会のオルガニストに就任する。当時、デンマークとスウェーデンはバルト海の覇権をめぐって激しく争っており、1658年2月のロスキレ条約 において、デンマークはヘルシンボリを含むスコーネ地方をスウェーデンに割譲する。ヘルシンボリは、この間、実際の戦闘に巻き込まれることはなかったが、両国への兵力の拠出と戦争に伴う経済の混乱によって大きく疲弊する[ 6] 。ブクステフーデの声楽作品には、三十年戦争 の戦禍に苦しめられた17世紀 ドイツの民衆に特有な心情が少なからず反映されているが、ブクステフーデ自身もまた青年期にこうした戦争体験を共有している[ 7] [ 注 3] 。一方、1662年 、聖マリア教会のオルガンの修理がなされた際に、すでにヘルシンボリを離れていたブクステフーデに鑑定 が依頼されたことは、当時すでにブクステフーデがオルガンの専門家 として認められていたことを示している[ 8] 。
1660年 、ブクステフーデはクラウス・デンゲルの後任として、ヘルセンゲアの聖マリア教会のオルガニストに就任する。ヘルセンゲアは、ズント海峡 という交通の要衝に位置し、古くから経済的にも文化的にも栄えた町である。コペンハーゲン はここから真南に約45キロメートルと近く、ブクステフーデも1666年 2月12日 にコペンハーゲンを訪問している[ 9] 。デンマーク王クリスチャン4世 は宮廷音楽の発展に努め、続くフレデリク3世 の時代には、イタリアやフランス音楽の新たな動向を吸収し、ヨーロッパでも有数の宮廷楽団が編成されていた[ 10] 。当時の宮廷楽長 カスパル・フェルスターは、ローマ でジャコモ・カリッシミ に師事し、イタリアの音楽様式を北方に伝えた仲介者であり、ブクステフーデの声楽作品における直截的な感情表現には、フェルスターの影響が認められる[ 11] 。また、スウェーデンの宮廷音楽家であり、ブクステフーデの作品の収集家として重要なグスタフ・デューベンとの関係も、この時期に始まったとされている[ 12] 。
リューベックのオルガニスト(1668年 - 1707年)
1667年 11月5日 、リューベック の聖母マリア教会 (英語版 ) のオルガニストであるフランツ・トゥンダー が死去し、1668年 4月11日 、ブクステフーデがその後任に選出される。3段鍵盤、54ストップ を備える聖母マリア教会の大オルガンは銘器の誉れ高く、同教会のオルガニストは北ドイツの音楽家にとって最も重要な地位の1つとされていた[ 13] 。1668年7月23日 にはリューベックの市民権を得て、同年8月3日 、トゥンダーの娘アンナ・マルガレーテと結婚する。この婚姻が就職の条件であったかどうかは不明であるが、当時としては珍しいものではなかった[ 14] 。
リューベックは、ハンザ同盟 の盟主として隆盛を極めた都市である。1226年 に神聖ローマ帝国 直属の自由都市 となり、商人による自治が営まれていた。ブクステフーデが在職した聖母マリア教会は商人教会であり、商人にとって礼拝の場であるとともに、会議を開催したり、重要書類を作成・保管する機関としても重要な役割を担っていた[ 15] 。ブクステフーデは、オルガニストと同時に、教会の書記・財務管理を責務とするヴェルクマイスター(Werkmeister )に任命される。この職務には俸給が別途与えられ、一般にオルガニストが兼任するものとされていた。ブクステフーデは、教会における物資の調達、給与の支払、帳簿の作成等、ヴェルクマイスターの任務を忠実に果たす[ 16] 。その仕事は膨大な骨の折れるものであったが、ブクステフーデは、こうした仕事を通して市の有力者との関係を築くこととなる[ 注 6] 。
一方、17世紀後半は、衰退しつつあったハンザ同盟が終焉を迎えた時でもあった。1669年 のハンザ会議には9都市のみが参加し、事実上、最後の総会となる[ 17] 。リューベックの経済的不振はブクステフーデの音楽活動にも影響を及ぼし、ブクステフーデの俸給は生涯を通じてトゥンダー時代のままに据え置かれた。また、聖母マリア教会のオルガンは故障が多く、ブクステフーデは繰り返し当局に修理を要求したにもかかわらず、十分な修理は行われなかった[ 18] 。
聖母マリア教会のオルガニストとしての職務は、毎朝の主要礼拝と日曜日など祝日の午後とその前日の夕方の礼拝時に、会衆によるコラール や聖歌隊の演奏を先導し、聖餐式 の前後に音楽を演奏する程度であった[ 19] 。ブクステフーデが音楽家としての手腕を発揮したのは、むしろ前任のトゥンダー時代に始まったアーベントムジーク(夕べの音楽、Abendmusik )においてである。ブクステフーデはこの演奏会の規模を拡大し、合唱や管弦楽を含む大編成の作品を上演するとともに、開催日時も三位一体節の最後の2回の日曜日と待降節 の第2-4日曜日の午後4時からに変更した。アーベントムジークは入場無料ということもあって高い人気を博し、ブクステフーデの名声はリューベックを超えて広まる[ 20] 。アーベントムジークの経済的負担は決して軽いものではなかったが、誠実なブクステフーデは市の有力者の理解と支援を得ることができた。市長ペーター・ハインリヒ・テスドルプフは、後年「亡きブクステフーデが私に天国のような憧れを予感させてくれた。彼は聖マリア教会におけるアーベントムジークに大いに力を尽くした」と語っている[ 21] 。
ブクステフーデは、大きな旅行をすることもなく、約40年にわたって聖母マリア教会の職務を全うした。旅行の確実な記録は、ハンブルク の聖ニコラウス教会に設置されたアルプ・シュニットガー 作のオルガンを鑑定するために、1687年 に当地を訪問したことのみである[ 22] 。しかしながら、ブクステフーデは、ヨハン・アダム・ラインケン 、ヨハン・タイレ 、クリストフ・ベルンハルト 、マティアス・ヴェックマン 、ヨハン・パッヘルベル 等、当時のドイツの主要な音楽家と関係をもっていた[ 23] 。ヨハネス・フォールハウトの『家庭音楽のひとこま(Hausliche Musikszene )』(1674年 )には、ブクステフーデ、ラインケン、タイレと思われる3人の音楽家の交流が描かれている[ 24] 。また、タイレが1673年 に出版した『ミサ曲 集第1巻』や、パッヘルベルが1699年 に出版した『アポロンのヘクサコルド(Hexachordum Apollinis )』は、ブクステフーデに献呈されたものである[ 25] 。一方、ブクステフーデに師事した音楽家としては、後にフーズム 市教会オルガニストとなるニコラウス・ブルーンス が有名である。
ブクステフーデが晩年に作曲した2曲のアーベントムジークは、その規模の大きさにおいて際立っている。1705年 の神聖ローマ皇帝レオポルト1世 の死を悼み、新皇帝ヨーゼフ1世 の即位を祝うこれらの作品は今日消失しているが、丁重に印刷されたフォリオ版のリブレットからは、帝国自由都市リューベックの威信を賭けた一大イベントであったことが偲ばれる[ 26] 。ブクステフーデは、これと前後して、後継者捜しに苦心するようになる。1703年 8月17日 には、ヨハン・マッテゾン とゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル をハンブルクから迎えるが、2人は30歳に近いブクステフーデの娘との結婚が後任の条件であることを知ると、興味を失ってハンブルクに帰ってしまう[ 27] 。また、1705年11月にアルンシュタットから訪問したヨハン・ゼバスティアン・バッハ も、情熱的なブクステフーデのオルガン演奏に強く魅了され、無断で休暇を延長してリューベックに滞在したが、ついに任地として選ぶことはなかった[ 28] 。結局、ブクステフーデは弟子のヨハン・クリスティアン・シーファーデッカー を後任に推挙し、当局に受け容れられる[ 29] 。
1707年 5月9日 、ブクステフーデは死去し、5月16日 に聖母マリア教会で父ヨハネスと早逝した4人の娘の傍らに埋葬される。「まこと気高く、大いなる誉れに満ち、世にあまねく知られた」(ヨハン・カスパル・ウーリヒによる追悼詩)と謳われたオルガニストの最期であった[ 30] 。
作風
声楽曲
『我らがイエスの四肢』タイトルページ
ブクステフーデの現存する約120曲の声楽曲は、婚礼用の8曲等を除いてすべてプロテスタント 教会のための宗教曲 である。これらの作品は今日カンタータ と呼ばれることも多いが、当時、宗教曲に対してカンタータという呼称が用いられることはなく、独立した複数の楽章から構成される声楽曲という現代における定義に合致する作品も少ない。ブクステフーデの声楽曲において採用された歌詞の形式は、聖書 等の散文詩、ドイツ語コラール 、その他の有節詩に分類することができ、それに応じて基本的な楽曲構成を声楽コンチェルト 、コラール楽曲、アリア に分けて考えることが一般的である[ 31] 。
声楽コンチェルトは、イタリアのコンチェルタート 様式に由来し、歌詞のフレーズにあわせて分割されたモティーフを単声または多声の歌唱声部と器楽声部が協奏する[ 32] 。また、アリアの多くは、リトルネッロ 、声楽リフレイン を伴った有節変奏形式であり、BuxWV 57, 62, 70のようにオスティナート ・バスによるものも存在する[ 譜例 1] 。一方、当時イタリアで確立されていたダ・カーポ・アリアは全く見られず、歌詞のデクラメーションに即したシンプルな旋律は、むしろ初期バロック・イタリアにおけるクラウディオ・モンテヴェルディ やジャコモ・カリッシミ に近い[ 注 10] 。単一の歌詞による楽曲においても、分節化されてカンタータへと向かう傾向が認められるが、複数の歌詞を組み合わせた楽曲では、明確なカンタータ形式によるものが約30曲存在する[ 注 11] 。その大半は声楽コンチェルトとアリアを組み合わせた作品であり、聖書の言葉がその主観的で詩的な省察と結びつけられ、深い共感を込めて描かれている[ 譜例 2] 。
ブクステフーデのアリアには、BuxWV59, 74, 80, 90のように、ヨハン・シェフラー(アンゲルス・ジレージウス)、ヨハン・ヴィルヘルム・ペーターゼン等の神秘主義 者、敬虔主義 者やその影響を受けた詩人の歌詞が少なからず存在する[ 注 13] 。また、クレルヴォーのベルナルドゥス 等の中世神秘主義の流れを汲む瞑想的な歌詞も、BuxWV56, 57, 75等の作品で採用されている[ 注 14] 。直接的な体験を通して神との合一を求める中世神秘主義は、バロック時代の思想の底流として生き続け、日常生活における霊的体験を重視するルター派 敬虔主義の成立にも大きな影響を及ぼす。30年戦争の悲惨な経験を通して、この世を涙の谷ととらえ、来世に憧れのまなざしを向ける17世紀ドイツの民衆の心情には、こうした神秘主義的思潮が広く浸透していた[ 33] 。十字架上のイエスの苦しみをわが身のものとして受けとめ、花婿に擬えたイエスとの結婚を通して魂の救済を希求するこれらの作品は、ブクステフーデのシンプルな旋律法とも相まって、ブクステフーデの声楽曲のなかでもとりわけ強いインパクトをもっている[ 34] 。
ブクステフーデの管弦楽 書法は、17世紀ドイツの伝統に根ざすものであり、18世紀 の標準的なオーケストラ編成とは大きく異なっている。声楽曲における特徴は中声部の充実と多様性にあり、ブクステフーデは楽曲ごとにヴィオラ 、ヴィオラ・ダ・ブラッチョ 、ヴィオレッタ、ヴィオラ・ダ・ガンバ 等、多様な楽器を組み合わせている[ 35] 。とくにヴィオラ・ダ・ガンバは、BuxWV32, 64のように高度な技巧を伴った独奏楽器としても使用しており、ヴィオラ・ダ・ガンバに対する愛好と当時の演奏水準の高さを窺わせる[ 譜例 3] 。また、管楽器についても、低音リード楽器として、ファゴット ではなく、時代遅れの楽器となっていたボンバルド(バス・ショーム )を使用するなど、古風な楽器編成を採用したものがある。
婚礼用の世俗歌曲は、大半がリューベック市の有力者から作曲を依頼されたものであるが、1680年 のスウェーデン王カール11世 とデンマーク王女ウルリカ・エレオノーラ の結婚式のための作品(BuxWV119)も含まれる。BuxWV121の印刷譜は1942年 のイギリス軍によるリューベック空襲の際に焼失し、現在は1913年 にアンドレ・ピロが出版した著書に収録されたインチピットが残るのみである[ 36] 。その他の声楽曲としては、古様式によるミサ・ブレヴィス(BuxWV114)や厳格対位法 にもとづくカノン 等がある[ 譜例 4] 。対位法の技巧を凝らしたこれらの作品は1670年代 に集中的に作曲されており、「対位法の父」と称されたヨハン・タイレ 等との交流を反映するものと考えられている[ 37] 。
ブクステフーデの作品のうち、アーベントムジークで演奏されたものとして確証のある楽曲は、今日全く現存しない。わずかに1678年 の『子羊の婚礼(Die Hochzeit des Lammes )』(BuxWV128)と、1705年の『悲しみの城砦(Castrum doloris )』(BuxWV134)、『栄誉の神殿(Templum honoris )』(BuxWV135)の3曲のリブレットが残されているほか[ 38] 、1732年 にグスタフ・デューベンの息子がウプサラ大学 に寄贈したコレクションのなかに作者不詳の作品として伝承された『最後の審判(Das jüngste Gericht )』(BuxWV Anh.3)が1683年 に演奏されたアーベントムジークであろうと推測されている[ 注 18] 。
鍵盤楽曲
『おお、甘美なるイエスよ』他 オルガン・タブラチュア
ブクステフーデのオルガン作品は、自由曲、コラール編曲ともに約40曲が現存する。自由曲の多くは、即興的なプレリュード と対位法的なフーガ を含んでいるが、「前奏曲とフーガ」と通称されるように、一対のプレリュードとフーガから構成される作品は少ない。典型的な楽曲構成は、北ドイツ・オルガン・トッカータ といわれる5部形式であり、冒頭部-第1フーガ-間奏部-第2フーガ-終結部といった展開を示す[ 注 19] 。BuxWV137, 148のように後続するフーガに代えてオスティナート形式が導入されることもある[ 譜例 5] 。自由な部分は即興的な性格が強く、とくに冒頭部は入念に展開され、技巧的なパッセージや大胆な和声進行等を伴って、リズム、テンポ、拍子のさまざまな対比が試みられる。リューベックの聖母マリア教会のオルガンは足鍵盤のストップ数が最も多く、ブクステフーデのオルガン作品においても低声部は重要な役割が与えられており、BuxWV137, 143のように足鍵盤の技巧的なソロで開始する楽曲も存在する[ 譜例 6] 。また、フーガでは二重対位法やストレッタが多用され、足鍵盤が独立した声部を担当してテクスチュア に厚みが加えられている[ 39] 。その他の自由曲としては、3曲のオスティナート楽曲や足鍵盤をもたないカンツォーナ 等がある。ニ短調のパッサカリア (BuxWV161)は、後にヨハネス・ブラームス が関心を寄せたことでも知られており[ 40] 、足鍵盤をもたない自由曲は、チェンバロ による演奏も可能である。
一方、オルガンのためのコラール編曲は、コラール前奏曲 、コラール変奏曲 、コラール幻想曲 に分類される。コラール編曲の大半を占めるコラール前奏曲は、会衆によるコラールの前奏として用いられたものであり、コラール旋律が豊かに装飾されて上声部に置かれ、他の3声部が手鍵盤と足鍵盤に分けて伴奏される[ 譜例 7] 。また、コラール幻想曲においては、声楽コンチェルトの作曲技法が応用され、コラールの各フレーズが即興的に大きく展開されており、滔々と流れるファンタジーのうちに、ブクステフーデの敬虔な信仰心を感じさせる[ 41] 。
ブクステフーデのオルガン作品に見られる即興性は、17世紀北ドイツにおけるスティルス・ファンタスティクス(幻想様式、stylus fantasticus )の典型とされる[ 42] 。スティルス・ファンタスティクスとは、ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター が1732年に出版した『音楽事典(Musicalisches Lexicon )』によれば、あらゆる制約から解放された様式であり[ 43] 、ヨハン・マッテゾン は、『完全なる楽長(Der vollkommene Capellmeister )』(1739年 )において、ブクステフーデの前奏曲(BuxWV152)をスティルス・ファンタスティクスの実例として挙げている[ 44] 。リューベックでブクステフーデの演奏を目の当たりにしたバッハは、中部ドイツのアルンシュタットでその成果を試したものの、礼拝時のオルガン演奏に奇妙な変奏や多くの耳慣れない音を混入させたとして教会当局から強く叱責されたが[ 45] 、このことは北ドイツの音楽風土の特異性とともに、ブクステフーデの音楽の自由な性格をもよく示している。
この他、チェンバロまたはクラヴィコード のための作品として、21曲の組曲 と6曲の変奏曲が現存する。マッテゾンが『完全なる楽長』で言及した7つの惑星の性質を模した組曲(BuxWV251)は今日消失している[ 46] 。一方、ニ短調の組曲(BuxWV deest)は、1710年 にアムステルダム で出版された作者不詳の組曲のなかから、2004年 にピーター・ディルクセンによって発見されたものである[ 47] 。これらの組曲はいずれもアルマンド 、クーラント 、サラバンド 、ジーグ という舞曲 の標準的な配列を基本とし、スティル・ブリゼが頻繁に用いられる[ 注 22] 。また、カプリッチョーサにもとづく32の変奏曲(BuxWV250)をはじめとする世俗的変奏曲では、鍵盤楽器による多様な変奏技法が追求されている[ 48] 。
室内楽曲
ブクステフーデの室内楽曲は、出版されたいずれも7曲からなるヴァイオリン 、ヴィオラ・ダ・ガンバ と通奏低音 のためのソナタ 集作品1(1694年 )、作品2(1696年 )のほか、手稿譜として残された6曲のソナタが現存する。1684年 に出版されたとされる2-3つのヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音のためのソナタ集(BuxWV274)は今日消失している。出版された2つの作品集は、体系的な調性 プランにもとづき、1セットとして編纂されたものと考えられるが、楽章編成は楽曲ごとに異なり極めて多様である。いずれの楽曲においてもヴィオラ・ダ・ガンバに重要な役割が与えられており、通奏低音の旋律のディヴィジョンを行うほか、対位法的な楽章では独立した声部を演奏して、ヴァイオリンと対等に掛け合う[ 49] 。また、手稿譜として残された作品のなかには、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ と通奏低音といった特殊な編成によるソナタ(BuxWV267)も存在する[ 譜例 9] 。
ブクステフーデの室内楽曲は、イギリスやドイツにおける即興的なヴィオラ・ダ・ガンバ演奏の伝統に属する。マッテゾンは、『登竜門への基礎(Grundlage einer Ehrenpforte )』(1740年 )で、1666年 にクリストフ・ベルンハルトの自宅で開催された演奏会について言及し、ヴァイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバの名手達がカスパル・フェルスターの4声のソナタをスティルス・ファンタスティクスの技法にしたがって即興演奏 する様子を描いているが[ 50] 、ブクステフーデの室内楽曲の緩徐楽章において、即興的なソロのエピソードが声部ごとに受け渡されていく箇所等には、こうした情景を彷彿させるものがある[ 譜例 10]
受容史
17世紀の伝統に根ざしたブクステフーデの音楽は、社会構造が大きく変革する18世紀になると急速に忘れ去られていく。ブクステフーデが再び注目されるのは、19世紀 のバッハ研究の進展においてである。1873年 に初めてバッハの評伝を著したフィリップ・シュピッタ は、バッハの先達としてのブクステフーデのオルガン作品について詳しく論じる[ 51] 。また、1889年 には、カール・シュティールがスウェーデンのウプサラ大学 の古文書からグスタフ・デューベン が収集したブクステフーデの声楽曲を大量に発見し、声楽曲に対する関心が高まる[ 52] 。
1960年代 と1970年代 における古楽 演奏の復興とともに、ブクステフーデの作品も一般に広く演奏されるようになる。今日では、ブクステフーデの代表作である『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri )』(BuxWV75)は10種類以上の録音がなされており[ 注 25] 、室内楽の分野でも、ムジカ・アンティクヮ・ケルン による先駆的な演奏等を通して注目された[ 53] 。2014年10月にはトン・コープマン とアムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団 によるブクステフーデの全作品の録音がリリースされた (en:Dieterich Buxtehude – Opera Omnia )。
2007年 はブクステフーデの生誕370年かつ没後300年を記念する年であり、リューベックでは年間を通してブクステフーデに因んだコンサートやシンポジウム等が開催され、全市を挙げて記念年を祝った。
作品一覧
ブクステフーデの作品目録は、ゲオルク・カールシュテットの『ディートリヒ・ブクステフーデの音楽作品の主題体系的目録』(1974年 )による[ 54] 。曲種別にブクステフーデ作品番号(略号:BuxWV)が付されており、同一曲種内では、声楽曲およびオルガン・コラールは表題のアルファベット順、オルガン自由曲、鍵盤組曲等は調性順となっている。
宗教声楽曲
BuxWV
曲名
曲種
編成
備考
1
人々よ来れ、民人よ急げ Accedite gentes, accurite populi
S SA T B , 2vn , bc
疑作 (Clemens Thieme作曲?)
2
栄光と誉れを主に帰せよ Afferte Domino gloriam honorem
コンチェルト
SSB, bc
3
汝の至善を我らは讃えり All solch dein Güt' wir preisen
コラール楽曲
SSATB, 2vn, 2va , violone , bc
4
汝らが言葉と行いで示すすべてを Alles was ihr tut
カンタータ (混合)
SATB, 2vn, 2va, violone, bc
5
げに神はかくまで世を愛して Also hat Gott die Welt geliebt
コンチェルト
S, 2vn, vdg , bc
6
神の子にあらずや An filius non est Dei
アリア
ATB, 2vn, vdg, bc
7
我がために正義の門を開け Aperite mihi portas justitiae
コンチェルト
ATB, 2vn, bc
8
イエスよ、我を聴き給え Att du, Jesu, will mig höra
アリア
S, 2vn, bc
9
人よ、終末を思え Bedenke, Mensch, das Ende
アリア
SSB, 3vn, violone, bc
10
来たれと天使に告げて言え Befiel dem Engel, daß er komm
コラール楽曲
SATB, 2vn, violone, bc
11
我らのイエスに向かいて歌え Canite Jesu nostro
コンチェルト
SSB, 2vn, violone, bc
12
主に新しき歌を歌え Cantate Domino
コンチェルト
SSB, bc
13
新たに生まれし嬰児 Das neugeborne Kindelein
アリア
SATB, 3vn, violone/fg , bc
14
汝の高貴なる心臓、愛の玉座 Dein edles Herz
アリア
SATB, 2vn, 2va, violone, bc
15
主は我と共にありせば Der Herr ist mit mir
コンチェルト
SATB, 2vn, violone, bc
16
今日こそ Dies ist der Tag
S, 2vn, violone, bc
断片
17
ディクシト・ドミヌス[主は言われた] Dixit Dominus Domino meo
コンチェルト
S, 2vn, 2va, violone/spinett, bc
18
信頼する主、統べ給え Domine, salvum fac regem
コンチェルト
SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
19
3つの麗しきことあり Drei schöne Dinge sind
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SB, 2vn, violone/fg, bc
1685年、婚礼用(Johann Adam Reinken とAnna Wagnarのための)
20
汝平和の君、主イエス・キリスト Du Friedefürst, Herr Jesu Christ
コラール楽曲
SSATB, 2vn, violone, bc
21
汝平和の君、主イエス・キリスト Du Friedefürst, Herr Jesu Christ
コラール楽曲
SSB, 2vn, 3va/fg, bc
22
汝命の君、主イエス・キリスト Du Lebensfürst, Herr Jesu Christ
アリア
SATB, 2vn, 2violetta, violone, bc
23
見よ今ぞ祝福されし神を Ecce nunc benedicite
コンチェルト
ATTB, 2vn, bc
24
ひとつのことを主に願い Eins bitte ich vom Herrn
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, 2va, fg, bc
25
我が意識よ、束縛を逃れよ Entreißt euch, meine Sinnen
アリア
S, 2vn, bc
26
喜べ、大地よ Erfeue dich, Erde!
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSAB, 2tr , tm , 2vn, 2va, violone, bc
BuxWV122の改作
27
主よ、我らを汝の御言のもとに保ち Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
コラール楽曲
SATB, 2vn, violone/bombarde , bc
28
偽りの世はうわべを飾り Fallax mundus ornat vultus
アリア
S, 2vn, bc
29
手をたたいて喜べ Frohlocket mit Händen
カンタータ (コラール-アリア)
SSATB, 2tr, 4vn, violone, bc
30
恐るるなかれ Fürchtet euch nicht
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SB, 2vn, bc
31
げに彼は我らの病を負い Fürwahr, er trug unsere Krankheit
コンチェルト
SSATB, 2vn, 2vdg, violone/fg, bc
32
我が父のもとである御空に向かいて Gen Himmel zu dem Vater mein
コラール楽曲
S, vn, vdg, bc
33
神は喜び叫ぶ声と共に昇り Gott fähret auf mit Jauchzen
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSB, 2cornetto , 2tr, 2vn, 2va/2tbn , fg, bc
34
神よ我を救い給え Gott hilf mir
カンタータ (混合)
SSATBB, 2vn, 2va, violone, bc
35
主よ汝を信ず Herr, auf dich traue ich
カンタータ (コンチェルト-アリア)
S, 2vn, bc
36
主よ、我汝を去らじ Herr, ich lasse dich nicht
二重唱
TB, 2vn, 2vdg/2 viola da braccio , vdg/violone, bc
37
主よ、汝は今僕を見捨て給えり Herr, nun läßt du deinem Diener
コンチェルト
T, 2vn, bc
38
主よ、汝さえこの世にあれば Herr, wenn ich nur dich hab'
シャコンヌ
S, 2vn, bc
39
主よ、我汝だけをもち得るなら Herr, wenn ich nur dich habe
カンタータ (コンチェルト-アリア)
S, 2vn, vdg/violone, bc
40
我らの主なる神 Herren vår Gud
コラール楽曲
SATB, 2vn, violone, bc
41
心より我汝を愛す、おお主よ Herzlich lieb hab ich dich, o Herr
コラール楽曲
SSATB, 2tr, 2vn, 2va, violone/fg, bc
42
心より我こがれ望む Herzlich tut mich verlangen
コラール楽曲
S, 2vn, bc
43
今日、神の子は勝利をおさめ Heut triumphieret Gottes Sohn
SSATB, 2tr, 2vn, 2va, violone, bc
疑作
44
我は蘇りなり Ich bin die Auferstehung
コンチェルト
B, 2cornetto, 2tr, 2vn, 2va, fg, bc
45
我はシャロンの花 Ich bin eine Blume zu Saron
コンチェルト
B, 2vn, violone, bc
46
我はこの世を去りて Ich habe Lust abzuscheiden
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSB, 2vn, violone/fg, bc
47
我はこの世を去りて Ich habe Lust abzuscheiden
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSB, 2vn, violone, bc
48
我はかく思う Ich halte es dafür
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SB, vn, violetta, violone, bc
49
我は心のうちにて語りぬ Ich sprach in meinem Herzen
コンチェルト
S, 3vn, fg, bc
50
夜、我はふしどにて求めぬ Ich suchte des Nachts
カンタータ (コンチェルト-アリア)
TB, 2ob , 2vn, violone, bc
51
汝ら、愛するキリストのともがらよ、今ぞ喜べ Ihr lieben Christen, freut euch nun
カンタータ (混合)
SSATB, 3cornetto, 2tr, 3tbn, 3vn, 2va, violone, bc
52
甘き喜びのうちに In dulci jubilo
コラール楽曲
SSB, 2vn, bc
53
主よ、我は御身に期待し In te, Domine, speravi
コンチェルト
SAB, bc
54
そは適いしかな Ist es recht
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
55
偉くなればなるほど Je höher du bist
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSB, 2va, violone, bc
56
イエスの甘き思い出 Jesu dulcis memoria
アリア
SS, 2vn, fg, bc
57
イエスの甘き思い出 Jesu dulcis memoria
シャコンヌ
ATB, 2vn, bc
58
イエス、我が慰めと笑いよ来れ Jesu, komm, mein Trost und Lachen
アリア
ATB, 2vn, viola da braccio, violone, bc
59
イエスは我が喜び Jesu, meine Freud und Lust
アリア
A, 2vn, violetta, violone, bc
60
イエスは我が喜び Jesu, meine Freude
コラール楽曲
SSB, 2vn, fg, bc
61
イエス、我が喜びの主よ Jesu, meiner Freuden Meister
二重唱
SATB, 3va, violone, bc
1677年、追悼用(Margarita Racheliaのための)
62
イエスは我が生命の生命 Jesu, meines Lebens Leben
シャコンヌ
SATB, 2vn, 2va, violone, bc
63
いとしきイエスよ、汝はまことに素晴らしき人 Jesulein, du Tausendschön
アリア
ATB, 2vn, violone/fg, bc
64
全地よ、主に向かいて喜びの声をあげよ Jubilate Domino
コンチェルト
A, vdg, bc
65
喜びが鳴り響き Klinget mit Freuden
アリア
SSB, 2tr, 2vn, bc
BuxWV119の改作
66
異邦人の光よ、汝は来たりて Kommst du, Licht der Heiden
アリア
SSB, 2vn, 2viola da braccio, bc
67
我が魂よ主を讃えよ Lauda anima mea
コンチェルト
S, 2vn, violone, bc
68
シオンよ救い主を讃えよ Lauda Sion Salvatorem
アリア
SSB, 2vn, bc
69
主をほめたたえよ Laudate pueri
シャコンヌ
SS, 5vdg, violone, bc
70
愛する者よ、我が魂は言う Liebster, meine Seele saget
シャコンヌ
SS, 2vn, bc
71
我が魂よ、主を頌めまつれ Lobe den Herren, meine Seele
コンチェルト
T, 3vn, 2va, violone, bc
72
我が心は喜びに溢れる Mein Gemüt erfreuet sich
アリア
SAB, 4cornetto, 2tr, 3tbn, 2fl , 4vn, 4fg, bc
73
我が心定まれり Mein Herz ist bereit
コンチェルト
B, 3vn, violone, bc
74
我が魂よ、憩え Meine Seele, willtu ruhn
アリア
SSB, 2vn, violone, bc
75
我らがイエスの四肢 Membra Jesu nostri
カンタータ (コンチェルト-アリア)
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
1.足について:山の上に見ゆ Ad pedes : Ecce super montes
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
2.膝について:汝らはその両腕に抱かれ Ad genua : Ad ubera
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
3.手について:この傷は何ぞや Ad manus : Quid sunt plagae istae
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
4.わき腹について:我が友よ、起きて出たれ Ad latus : Surge amica mea
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
5.胸について:いま生まれし嬰児のごとく Ad pectus : Sicut modo geniti infantes
カンタータ (コンチェルト-アリア)
ATB, [2vn, violone,] bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
6.心について:汝は我が心を奪えり Ad cor : Vulnerasti cor meum
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSB, 5vdg, bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
7.顔について:御頭の光を注ぎ Ad faciem : Illustra faciem tuam
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, violone, bc
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
76
平安と喜びに満ち逝かん Fried- und Freudenreiche Hinfahrt
1.平安と喜びもて我は逝く Mit Fried und Freud
SB, 3insts or org
1671年、追悼用(Meno Hanneken, Sr. のための)
2.悲歌:それでもなお死は逃れられないのか Klag-Lied : Muß der Tod denn auch entbinden
アリア
S, [2va,] bc
1674年、追悼用(Johannes Buxtehudeのための)
77
何ものも我らと神の愛を引き離すべからず Nichts soll uns scheiden
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SAB, 2vn, violone, bc
78
汝まことの神よ、我らより取り去り給え Nimm von uns, Herr, du treuer Gott
コラール楽曲
SATB, 2vn, 2violetta, fg, bc
79
いざやもろびと、神に感謝せよ Nun danket alle Gott
コンチェルト
SSATB, 2cornetto, 2tr, 2vn, violone, fg, bc
80
今ぞ喜べ、汝ら信仰厚きものたちよ Nun freut euch, ihr Frommen, mit mir
アリア
SS, 2vn, bc
81
我らを主のもとへ行かせ給え Nun laßt uns Gott dem Herren
コラール楽曲
SATB, 2vn, bc
82
おお、慈悲深く、優しく、神々しい父よ O clemens, o mitis
コンチェルト
S, vn, 2violetta, violone, bc
83
おお、甘美なるイエスよ O dulcis Jesu
コンチェルト
S, 2vn, bc
84
おお楽しき時よ O fröhliche Stunden, o herrliche Zeit
アリア
S, 2vn, va, bc
85
おお楽しき時よ O fröhliche Stunden, o herrliche Zeit
アリア
SSAB, 2vn, 2viola da braccio, violone, bc
86
おお神よ、我らは汝の恵みに感謝する O Gott, wir danken deiner Güt'
カンタータ (コンチェルト-コラール)
SSATB, 2vn, violone, bc
87
おお神の都 O Gottes Stadt
アリア
S, 2vn, va, violone, bc
88
おお、いと甘美なる我がイエスよ O Jesu mi dulcissime
アリア
SSB, 2vn, violone, bc
89
おお、光よ、祝福されし三位一体 O lux beata Trinitas
アリア
SS, 3vn, violone/fg, bc
90
おおいかに喜びに満ちたるか O wie selig sind
アリア
TB, 2vn, violone, bc
91
パンジェ・リングァ[舌よ、歌え] Pange lingua
アリア
SSAB, 2vn, 2violetta, violone, bc
92
鹿の谷川を慕いあえぐがごとく Quemadmodum desiderat cervus
シャコンヌ
T, 2vn, bc
93
めでたし、希求 Salve, desiderium
アリア
SSB, 2vn, violone/fg, bc
94
めでたしイエスよ、神の独り子 Salve Jesu
コンチェルト
SS, 2vn, bc
95
神よ、我がうちに清き心を創り給え Schaffe in mir, Gott
コンチェルト
S, 2vn, violone, bc
96
天に舞い上がれ、心よ Schwinget euch himmelan
アリア
SSATB, 3vn, violone, bc
97
モーゼが荒れ野でヘビを上げたごとく Sicut Moses exaltavit serpentem
コンチェルト
S, 2vn, vdg, bc
98
主に向かいて新しき歌を歌え Singt dem Herrn
コンチェルト
S, vn, bc
99
今日キリストは蘇られた Surrexit Christus hodie
アリア
SSB, 3vn, fg, bc
100
目覚めよと、我らに呼ばわる物見らの声 Wachet auf, ruft uns die Stimme
コラール楽曲
SSB, 3vn, vn/va, fg, bc
101
目覚めよと、我らに呼ばわる物見らの声 Wachet auf, ruft uns die Stimme
ATB, 2vn, bc
疑作
102
神もしこの時我らと共にいまさずば Wär Gott nicht mit uns diese Zeit
コラール楽曲
SATB, 2vn, bc
103
我は神の御心のままに Walts Gott, mein Werk ich lasse
コラール楽曲
SATB, 2vn, va, bc
104
我いかで世のことを問わん Was frag' ich nach der Welt
アリア
SAB, 2vn, violone, bc
105
この世で我を悲しませるもの Was mich auf dieser Welt betrübt
アリア
S, 2vn, bc
106
他界よ、消え失せよ Welt, packe dich
アリア
SSB, 2vn, violone, bc
107
主イエスよ、もし我が汝を Wenn ich, Herr Jesu, habe dich
アリア
A, 2vn, bc
108
いかにおいしきことかな Wie schmeckt es so lieblich und wohl
アリア
SAB, 2vn, violone, bc
109
汝をいかに迎えん Wie soll ich dich empfangen
アリア
SSB, 2vn, fg, bc
110
我が心はいかに晴れ、喜ばん Wie wird erneuet, wie wird erfreuet
アリア
SSATTB, 3cornetto, 3tr, 3tbn, 3vn, 2va, cymbalo , bc
111
我が友はいずこに Wo ist doch mein Freund geblieben?
二重唱
SB, 2vn, fg, bc
112
我いずこにか逃れゆくべき Wo soll ich fliehen hin?
二重唱
SATB, 2vn, 2va, violone, bc
113
我はあらゆる時に主をほめたたえる Benedicam Dominum
コンチェルト
SSATB, SATB, 4tr, tbn, bombarde, 2cornetto, 3tbn, fg, 2vn, violone, bc
114
ミサ・ブレヴィス Missa alla brevis
SSATB, bc
古様式による
世俗声楽曲
BuxWV
曲名
曲種
編成
備考
115
いざ、弦を Auf, Saiten, auf!
アリア
S, 2vn, 2vdg, bc
1673年、婚礼用(Christoph SiriciusとDorothea von Degigkのための)
116
いざ、弦を合わせよう Auf, stimmet die Saiten
アリア
AAB, 2tr, 2tbn, fg, bc
1672年、婚礼用(Heinrich KirchrinkとAgneta Kirchringのための)
117
ああ、汝は自らの誇りを信じて Deh credete il vostro vanto
アリア
S, 2vn, bc
1695年、婚礼用(Joachim CarstensとAnna Catharina Leopoldのための)
118
花をちりばめて Gestreuet mit Blumen
アリア
A, 2vn, 2va, fg, bc
1675年、婚礼用(Achilles LeopoldとAnna Margaretha Ritterのための)
119
喜びに響く Klinget für Freuden
アリア
SSB, 2tr, 2vn, violone, bc
1680年、婚礼用(スウェーデン王Karl XI とデンマーク王女Ulrika Eleonore のための)
120
おお楽しき日、素晴らしき日 O fröhliche Stunden, o herrlicher Tag
アリア
S, 2ob, vn, bc
1705年、婚礼用(Anton WinklerとElisabeth Niemannのための)
121
小暗い森 Opachi boschetti
S/T, 2vn, bc
1698年、婚礼用(Benedict WinklerとMargaretha von Hövelnのための)、消失
122
楽人よ、太鼓をたたけ Schlagt, Künstler, die Pauken
カンタータ (コンチェルト-アリア)
SSAB, 2tr, tm, 2vn, 2va, violone, bc
1681年、婚礼用(Joachim von DalenとCatharine von Hachenburgのための)
123
拡大二重カノン Canon duplex per Augmentationem
カノン
4v
1674年、Johann Valentin Mederに献呈
124
今日は楽しくやろう Divertisons nous aujourd'hui
カノン
3v
1670年、Meno Hanneken, Jr. に献呈
124a
四重カノン Canon quadruplex
カノン
5v
1685年以前、Heinrich Roggeの作品に転用
消失した声楽曲(アーベントムジークを含む。)
BuxWV
曲名
編成
備考
125
キリストを愛することはよきことなり Christum lieb haben ist viel besser
SSATB, 11insts
消失、リューネブルクの蔵書目録に記載
126
フレーデンハーゲンの祭壇奉献のための音楽 Musik für Dedikationen von Fredenhagens Alter
3choirs
1697年、消失
127
青白き者たちよ、万歳 Pallidi salvete
4v, 6insts
消失、アンスバッハの蔵書目録に記載
128
子羊の婚礼 Die Hochzeit des Lammes
SSAATB, 2tr, tbn, vn, va, vdg, bc
1678年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存
129
最も恐ろしきことと最も喜ばしきこと Das Allerschröcklichste und Allererfreudlichste
5v, insts
アーベントムジーク、消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載
130
イエス・キリストの人の子となり給いしは、地上の魂の天上的なる喜び Himmlische Seelenlust auf Erden über die Menschwerdung … Jesu Christi
アーベントムジーク、消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載
131
放蕩息子 Der verlorene Sohn
1688年、アーベントムジーク、消失、ブクステフーデの手紙で言及
132
百年の詩 Hundertjähriges Gedichte
1700年、アーベントムジーク、消失、"Nova literaria"で言及
133
アーベントムジーク Abendmusik
1700年、消失
134
悲しみの城砦 Castrum doloris
1705年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存、神聖ローマ皇帝Leopold I の死去を悼む
135
栄誉の神殿 Templum honoris
1705年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存、神聖ローマ皇帝Josepf I の即位を祝す
オルガン自由曲
BuxWV
曲名
調性
編成
備考
136
前奏曲
ハ長調
org
137
前奏曲
ハ長調
org
138
前奏曲
ハ長調
org
139
前奏曲
ニ長調
org
140
前奏曲
ニ短調
org
141
前奏曲
ホ長調
org
142
前奏曲
ホ短調
org
143
前奏曲
ホ短調
org
144
前奏曲
ヘ長調
org
145
前奏曲
ヘ長調
org
146
前奏曲
嬰ヘ短調
org
147
前奏曲
ト長調
org
148
前奏曲
ト短調
org
149
前奏曲
ト短調
org
150
前奏曲
ト短調
org
151
前奏曲
イ長調
org
152
前奏曲
フリギア調
org
153
前奏曲
イ短調
org
154
前奏曲
変ロ長調
org
断片
155
トッカータ
ニ短調
org
156
トッカータ
ヘ長調
org
157
トッカータ
ヘ長調
org
158
前奏曲
イ短調
org
159
シャコンヌ
ハ短調
org
160
シャコンヌ
ホ短調
org
161
パッサカリア
ニ短調
org
162
前奏曲
ト長調
klavier
163
前奏曲
ト短調
klavier
164
トッカータ
ト長調
klavier
165
トッカータ
ト長調
klavier
166
カンツォーナ
ハ長調
klavier
167
カンツォネッタ
ハ長調
klavier
168
カンツォーナ
ニ短調
klavier
169
カンツォーナ
ホ短調
klavier
170
カンツォーナ
ト長調
klavier
171
カンツォネッタ
ト長調
klavier
172
カンツォネッタ
ト長調
klavier
173
カンツォネッタ
ト短調
klavier
174
フーガ
ハ長調
klavier
175
フーガ
ト長調
klavier
176
フーガ
変ロ長調
klavier
225
カンツォネッタ
イ短調
klavier
オルガン・コラール
BuxWV
曲名
調性
曲種
編成
備考
177
ああ主なる神よ Ach Gott und Herr
ニ短調
コラール変奏曲
org
178
ああ主よ、哀れなる罪人なる我を Ach Herr, mich armen Sünder
フリギア調
コラール前奏曲
org
179
我が愛しき神に Auf meinen lieben Gott
ホ短調
コラール変奏曲
klavier
180
我らの主キリスト、ヨルダンの川に来たり Christ, unser Herr, zum Jordan kam
ドリア調
コラール前奏曲
org
181
主に感謝せよ、主慈しみ深きゆえに Danket dem Herren
ト短調
コラール変奏曲
org
182
かくも喜びに満てるこの日 Der Tag der ist so freundenreich
ト長調
コラール前奏曲
org
183
アダムの堕落によりてすべては朽ちぬ Durch Adams Fall ist ganz verderbt
ドリア調
コラール前奏曲
org
184
我らが神は堅き砦 Ein feste Burg ist unser Gott
ハ長調
コラール前奏曲
org
185
主よ、我らを汝の御言のもとに保ち Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
ト短調
コラール前奏曲
org
186
我らに救いの来たれるは Es ist das Heil uns kommen her
ハ長調
コラール前奏曲
org
187
愚かなる者らの口、なめらかに語り出で Es spricht der Unweisen Mund wohl
ト長調
コラール前奏曲
org
188
イエス・キリストよ、讃美を受け給え Gelobet seist du, Jesu Christ
ト長調
コラール幻想曲
org
189
イエス・キリストよ、讃美を受け給え Gelobet seist du, Jesu Christ
ト長調
コラール前奏曲
org
190
父なる神、我がもとに留まり給え Gott der Vater wohn uns bei
ハ長調
コラール前奏曲
org
191
主キリスト、神の独り子 Herr Christ, der einig Gottes Sohn
ト長調
コラール前奏曲
org
192
主キリスト、神の独り子 Herr Christ, der einig Gottes Sohn
ト長調
コラール前奏曲
org
193
主イエス・キリストよ、我はことごとく知れり Herr Jesu Christ, ich weiß gar wohl
イ短調
コラール前奏曲
org
194
我汝に感謝す、愛する主よ Ich dank dir, lieber Herre
ヘ長調
コラール幻想曲
org
195
汝の御子によりてのみ我汝に感謝す Ich dank dir schon durch deinen Sohn
ヘ長調
コラール幻想曲
org
196
我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ Ich ruh zu dir, Herr Jesu Christ
ニ短調
コラール幻想曲
org
197
甘き喜びのうちに In dulci jubilo
ト長調
コラール前奏曲
org
198
我らの救い主なるイエス・キリスト Jesus Christus, unser Heiland, der den Tod überwand
ト短調
コラール前奏曲
org
199
来ませ聖霊、主なる神よ Komm, Heiliger Geist, Herre Gott
ヘ長調
コラール前奏曲
org
200
来ませ聖霊、主なる神よ Komm, Heiliger Geist, Herre Gott
ヘ長調
コラール前奏曲
org
201
我がもとに来たれ、と神の子語り給う Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn
ト短調
コラール前奏曲
org
202
キリストのともがらよ、こぞりて神を讃えまつれ Lobt Gott, ihr Chrsten allzugleich
ト長調
コラール前奏曲
org
203
第1旋法によるマニフィカト Magnificat primi toni
ドリア調
コラール幻想曲
org
204
第1旋法によるマニフィカト Magnificat primi toni
ドリア調
コラール幻想曲
org
205
第9旋法によるマニフィカト Magnificat noni toni
ニ短調
コラール変奏曲
org
206
人よ、汝幸いに生きんとせば Mensch, willst du leben seliglich
フリギア調
コラール前奏曲
org
207
汝まことの神よ、我らより取り去り給え Nimm von uns, Herr, du treuer Gott
ニ短調
コラール変奏曲
org
208
今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる Nun bitten wir den Heiligen Geist
ト長調
コラール前奏曲
org
209
今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる Nun bitten wir den Heiligen Geist
ト長調
コラール前奏曲
org
210
今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ Nun freut euch, lieben Christen g'mein
ト長調
コラール幻想曲
org
211
いざ来ませ、異邦人の救い主 Nun komm, der Heiden Heiland
ト短調
コラール前奏曲
org
212
いざ我が魂よ、主を讃えん Nun lob, mein Seel', den Herren
ハ長調
コラール前奏曲
org
213
いざ我が魂よ、主を讃えん Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調
コラール変奏曲
org
214
いざ我が魂よ、主を讃えん Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調
コラール前奏曲
org
215
いざ我が魂よ、主を讃えん Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調
コラール前奏曲
klavier
216
おお、光よ、祝福されし三位一体 O lux beata Trinitas
フリギア調
klavier
断片
217
嬰児ベツレヘムに生まれ給えり Puer natus in Bethelehem
イ短調
コラール前奏曲
org
218
テ・デウム [神よ、汝を賛美します] Te Deum laudamus
フリギア調
コラール幻想曲
org
219
天にまします我らの父よ Vater unser im Himmelreich
ニ短調
コラール前奏曲
org
220
我神より離れじ Von Gott will ich nicht lassen
イ短調
コラール前奏曲
org
221
我神より離れじ Von Gott will ich nicht lassen
イ短調
コラール前奏曲
org
222
神もしこの時我らと共にいまさずば Wär Gott nicht mit uns diese Zeit
イ短調
コラール前奏曲
org
223
輝く曙の明星のいと美わしきかな Wie schön leuchtet der Morgenstern
ト長調
コラール幻想曲
org
224
主イエス・キリストよ、我ら汝に感謝す Wir danken dir, Herr Jesu Christ
ドリア調
コラール前奏曲
org
クラヴィーア曲
BuxWV
曲名
調性
編成
備考
226
組曲
ハ長調
klavier
227
組曲
ハ長調
klavier
228
組曲
ハ長調
klavier
229
組曲
ハ長調
klavier
230
組曲
ハ長調
klavier
231
組曲
ハ長調
klavier
232
組曲
ニ長調
klavier
233
組曲
ニ短調
klavier
234
組曲
ニ短調
klavier
235
組曲
ホ短調
klavier
236
組曲
ホ短調
klavier
237
組曲
ホ短調
klavier
238
組曲
ヘ長調
klavier
239
組曲
ヘ長調
klavier
240
組曲
ト長調
klavier
241
組曲
ト短調
klavier
242
組曲
ト短調
klavier
243
組曲
イ長調
klavier
244
組曲
イ短調
klavier
245
クラント・サンブルと8つの変奏
イ短調
klavier
246
アリアと10つの変奏
ハ長調
klavier
247
アリア「宮廷風に」と12の変奏 Aria : More Palatino [mit 12 variationen]
ハ長調
klavier
248
アリア「ロフィリス」と3つの変奏 Aria : Rofilis [mit 3 variationen]
ニ短調
klavier
Jean Baptiste Lully "Ballet de l'Impatience" LWV14による
249
アリアと3つの変奏
イ短調
klavier
Germain Pinelのアリアによる
250
アリア「カプリッチョーサ」と32の変奏 Aria : La Capricciosa [mit 32 variationen]
ト長調
klavier
251
7つの組曲「惑星の性質ないし本質」 7 Suites "Die Natur und Eigenschaft der Planeten"
klavier
消失、Johann Mattheson "Der vollkommene Capellmeister" (1739年) に記載
deest
組曲
イ短調
klavier
1704年頃、Johann Kruseの筆写譜による
deest
組曲
ニ短調
klavier
1710年、アムステルダムのEtienne Rogerにより出版
室内楽曲
BuxWV
曲名
調性
作品番号
編成
備考
252
ソナタ
ヘ長調
作品1-1
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
253
ソナタ
ト長調
作品1-2
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
254
ソナタ
イ短調
作品1-3
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
255
ソナタ
変ロ長調
作品1-4
vn, vdg, bc
1694年、BuxWV273の改作、リューベック市長・市参事会員に献呈
256
ソナタ
ハ長調
作品1-5
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
257
ソナタ
ニ短調
作品1-6
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
258
ソナタ
ホ短調
作品1-7
vn, vdg, bc
1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
259
ソナタ
変ロ長調
作品2-1
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
260
ソナタ
ニ長調
作品2-2
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
261
ソナタ
ト短調
作品2-3
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
262
ソナタ
ハ短調
作品2-4
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
263
ソナタ
イ長調
作品2-5
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
264
ソナタ
ホ長調
作品2-6
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
265
ソナタ
ヘ長調
作品2-7
vn, vdg, bc
1696年、Johann Ritterに献呈
266
ソナタ
ハ長調
2vn, vdg, bc
267
ソナタ
ニ長調
vdg, violone, bc
268
ソナタ
ニ長調
vdg, bc
疑作
269
ソナタ
ヘ長調
2vn, vdg, bc
270
ソナタ
ヘ長調
[2vn,] bc
断片(通奏低音のみ)
271
ソナタ
ト長調
2vn, vdg, bc
272
ソナタ
イ短調
vn, vdg, bc
273
ソナタ
変ロ長調
vn, vdg, bc
BuxWV255の初期稿
274
ソナタ
2vn (3vn), vdg, bc
消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載
補遺(疑作・偽作)
BuxWV
曲名
調性
編成
備考
Anh.1
マニフィカト[我が魂は主をあがめ] Magnificat anima mea, Domine
SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
疑作
Anh.2
喜びと勝利の歌声は Man singet Freuden vom Sieg
SSATB, 2tr, 2vn, 2va/2tbn, fg, bc
偽作 (Johann Schelle作曲?)
Anh.3
最後の審判 Wacht! Euch zum Streit
SSATB, 2vn, 2va, bc
1683年、オラトリオ、疑作
Anh.4
ナタリチア・サクラ Natalitia sacra
1682年、疑作
Anh.5
ソナタ
ニ短調
org
疑作
Anh.6
クーラント
ニ短調
klavier
疑作
Anh.7
クーラント
ト長調
klavier
疑作
Anh.8
シンフォニア
ト長調
klavier
疑作
Anh.9
主なる神よ、我を憐れみ給え Erbarm dich mein, o Herre Gott
SATB, 2vn, 2violetta, violone/fg, bc
偽作 (Lovies Busbetzky作曲)
Anh.10
主を賛美せよ、もろもろの国よ Laudate Dominum omnes gentes
S, 2vn, violone/fg, bc
偽作 (Lovies Busbetzky作曲)
Anh.11
主よ、我らを汝の御言のうちに保ち Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
klavier
偽作 (Johann Pachelbel または Georg Böhm作曲)
Anh.12
組曲
ニ短調
klavier
偽作 (Nicolas-Antoine Lebègue作曲)
Anh.13
組曲
ト短調
klavier
偽作 (Nicolas-Antoine Lebègue作曲)
deest
キリストは死の縄目につながれたり Christ lag in Todesbanden
org
偽作 (Nicolaus Vetter作曲)
deest
ミサ[キリエ] Missa [Kyrie]
SSATB, 2vn, bc
偽作 (Johann Heinrich Buttstett作曲)
deest
今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ Nun freut euch, lieben Christen g'mein
イ長調
org
疑作
脚注
注釈
^ Snyder 2021: p. xvによれば、ブクステフーデは自分の名前を「Dieterich 」と綴っており、「Dietrich 」という綴りは9世紀以降の慣習に過ぎないと書かれており、20世紀初では「Dieterich Buxtehude 」という表記が認容されつつある。一方、「Dieterich Buxtehude 」を日本語表記すると「ディーテリヒ・ブクステフーデ」となるが、日本ではこの表記はほとんど浸透していないため、本項の記事名としては「ディーテリヒ・ブクステフーデ」を採用した。
^ ブクステフーデの出生地は、以前はオルデスロー説が有力であった(Wilhelm Stahl, "Dietrich Buxtehudes Geburtsort", Die Musikforschung , 1951)。これは、ヨハネスという名のドイツ人教師が1638年にオルデスローにいたという記録にもとづく。しかしながら、このヨハネスという人物はオルガニストとして活躍した形跡がないことから、ブクステフーデの父と同一人物であることに疑問が生じている。一方、父ヨハネスのヘルシンボリにおける活動を示す史料は1641年のものであるが、当地のオルガニスト職は1633年に空席になっていることから、この頃当地に移った可能性が高い(Niels Friis, Diderik Buxtehude , Copenhagen: Dan Fog-Olsen, 1960)。このため、今日ではヘルシンボリ説が有力になっている(Snyder 2007: pp. 5-7)。
^ ブクステフーデの声楽曲におけるその反映については、本項の2.特徴 1.声楽曲 を参照。
^ ただし、Kerala Johnson Snyderは、フェルスターからの影響についてその可能性が高いことを認めつつも、当時ドイツでは膨大な量のイタリア音楽が入手できたことから断定はできないとしている。
^ また、Wilhelm Stahl, Franz Tunder und Dietrich Buxtehude: Ein biographischer Versuch , Leipzig: Kinstner & Siegel, 1926, pp. 1-77は、ブクステフーデが記録した帳簿にもとづき、ブクステフーデのヴェルクマイスターとしての活動や当時の経済状況を記しているが、この帳簿は1942年のリューベック空襲の際に焼失している。
^ ブクステフーデは、ペーター・ハインリヒ・テスドルプフ、ハインリヒ・キルヒルング、ヨハン・リッター等、歴代の市長と親交を結び、その家族の婚礼を祝う作品を作曲している(BuxWV116, 118)。
^ なお、当時リューベック市当局がアーベントムジークをいかに誇りにしていたかを示すものとして、1697年の市案内書(Die beglückte und geschmückte Stadt Lübeck , Lübeck, 1697)が残されている。
^ フォールハウトの画中に描かれた楽譜には、「兄弟D. ブクステフーデとJ. A. ラインケンを讃えて」との添え書きがなされている。
^ なお、Johann Mattheson, Criticae musicae tomus secundus , Hamburg, 1725, p. 57によれば、ブクステフーデがタイレに師事したことになっているが、Snyder 2007: p. 113は、ブクステフーデが当時すでに優れた対位法技法を習得していたことから、2人は互いに同輩と考えていた可能性が高いとしている。
^ Søren Sørensen, "Monteverdi - Förster – Buxtehude: Entwurf zu einer entwicklungsgeschichtlichen Untersuchung", Dansk Aarbog for Musikforskning , 1963, pp. 87-100は、小さなモティーフの積み重ね、簡潔な和声進行といった点にカリッシミ等との類似性を認めている。
^ 単一の歌詞による楽曲における分節化の事例として、Snyder 2007は、レチタティーヴォ 部分や純音楽的な構造を優先させたアリアに近い部分を含む声楽コンチェルト(BuxWV98)、コラールの各節を楽器編成や定旋律の扱い方によって区別するBuxWV21, 41, 78, 100、最初の節が全歌唱声部によって歌われた後、いくつかの節が独唱アリアとして続き、付加された「アーメン 」、「アレルヤ 」等で締めくくられるアリア(BuxWV6, 63, 93, 108)を挙げている。
^ この作品は、ピリピ人への手紙 第1章第23節とミヒャエル・ヴァルターの有節詩『解き放ち給え(Spann aus, spann aus, ach frommer Gott )』(1670年)より3節を組み合わせたものであるが、燃え立つような上行音型による憧れ(譜例2)、イエスを寄り慕うかのごとき親密な模倣(譜例3)、消え入るような終止形による死の表現(譜例4)等、簡潔な音表象を通して歌詞の内容が余すことなく表現されている。
^ ヨハン・シェフラー(アンゲルス・ジレージウス)によるBuxWV59, 74, 80、ヨハン・ヴィルヘルム・ペーターゼンによるBuxWV90の他に、ヨハン・リストによるBuxWV14, 22, 23, 84, 85, 87、エルンスト・クリストフ・ホンブルクによるBuxWV58, 62, 66, 70、ハインリヒ・ミュラーによるBuxWV108、アハスヴェルス・フリツシュによるBuxWV25, 105、作者不詳によるBuxWV63, 112等が挙げられる。
^ 『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri )』(BuxWV75)は、ソロモンの雅歌 等から引用された聖句とアルヌルフ・デ・ルーヴァンの『リトミカ・オラツィオ(Rythmica oratio )』の一節からなるが、後者は17世紀においては、クレルヴォーのベルナルドゥスの作として広く伝承されていた。
^ ソロモンの雅歌の神秘主義的解釈に代表される花嫁神秘主義(Brautmystik )や、十字架上のイエスの傷の観想が信仰心を育むといった考え方は、クレルヴォーのベルナルドゥスに由来するとされる(クレルヴォーのベルナルドゥス、山下房三郎訳『雅歌について』1-4巻、あかし書房、1977-1996年)。
^ ただし、ルター派敬虔主義は、カルヴァン派 と同様に教会の礼拝における音楽の使用に消極的であったことから、敬虔主義はブクステフーデの創作の源泉であったとしても、ブクステフーデが敬虔主義者であったとする説は否定されている(Snyder 2007: pp. 147-149)。
^ 当時ドイツの各都市は、さまざまな祝祭や行事で音楽を奏する職業音楽家(Ratsmusikant )を雇っており、リューベックでも、ヴィオラ・ダ・ガンバ等の名手ペーター・グレッケが聖母マリア教会における音楽の演奏に参加していた。
^ 『最後の審判(Das jüngste Gericht )』(BuxWV Anh.3)は、1939年にWilly Maxtonがデューベン・コレクションに収録された作者不詳の作品を再構成し、ブクステフーデの作品として出版したものであるが、その真作性に対しては長い間疑義が投げかけられてきた(Martin Geck, "Nochmals: Die Authentizität des Vokalwerks Dietrich Buxtehudes in quellenkritischer Sicht", Die Musikforschung , 1963, pp.175-181)。これに対して、Snyder 2007: pp. 208-211は、新たな様式研究にもとづいて同曲が真作であると主張し、2007年にはTon Koopmanによる復元にもとづく原典版が出版されたことから関心が高まっている。こうした状況について、Christoph Wolffは、作品の質が均一でないことから疑作として分類されることは妥当であるが、ブクステフーデの密接な関わりのなかで作曲されたことは確実であろうとしている。
^ ブクステフーデの前奏曲は、即興的な部分と対位法的な部分が交互に繰り返されることを基本としつつ、フーガを1つしか持たないもの(BuxWV144, 147, 157)や、3つのフーガを含むもの(BuxWV136, 141, 142, 150)もあり、楽曲構成はさまざまである(Snyder 2007: pp. 241-242)。
^ Matthias Schneiderの著書は、スティルス・ファンタスティクスの実例として、BuxWV210の分析を含んでいる(pp. 93-108)。
^ ただし、同書は BuxWV152を誤ってヨハン・ヤーコプ・フローベルガー の作品としている。
^ スティル・ブリゼ(style brisé )とは、フランス・リュート 楽派において開拓された、分散和音に基づく様式である。ブクステフーデの鍵盤組曲はフランス的な繊細さに溢れ、豪放なオルガン自由曲と好対照をなしている[ 譜例 8] 。
^ なお、Christine Defant, Kammermusik und Stylus phantasticus: Studien zu Dietrich Buxtehudes Triosonaten , Frankfurt: Peter Lang, 1985, pp. 115-172は、同曲をスティルス・ファンタスティクスの実例として詳しく分析している。
^ デューベン・コレクションには、ブクステフーデの声楽曲の大半を占める99曲の手稿譜が集められている。
^ 『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri )』(BuxWV75)の代表的な録音は次のとおりである。
Jörg Breiding, Knabenchor Hannover, Himmlische Cantorey, Barockensemble L'Arco, Rondeau ROP7006
Harry Christophers, The Sixteen, The Symphony of Harmony & Invention, LINN CDK141
Diego Fasolis, Chor of Radio Svizzera Lugano, Sonatori de la Gioiosa Marca, Naxos 8.553787
John Eliot Gardiner , The Monteverdi Chor, The English Baroque Soloists , Archiv 427 660-2
Benoît Haller, La Chapelle Rhénane, K617 K617-207
René Jacobs, Concerto Vocale, harmonia mundi france HMC901333
Konrad Junghänel, Cantus Cölln, harmonia mundi france, HMC901912
Wolfgang Katschner, Capella Angelica, Lautten Compagney, Raumklang RK2403
Ton Koopman , Hannover Knabenchor, The Amsterdam Baroque Orchestra , Erato 2292-45295-2
Michel Laplénie, Ensemble Vocal Sagittarius, Ligia Digital Lidi0202097-01
Erik van Nevel, Currende, Eufoda 1294
Hans-Christoph Rademann, Dresdner Kammerchor, Carus 83.234
Stephan Schreckenberger, Musica Lingua, L'arpa festante, Genuin GEN04048
鈴木雅明 , Bach Collegium Japan , BIS CD871
Jos van Veldhoven, Netherlands Bach Society, Channel Classics CCS SA24006
Alexander Weimann, Les Voix Baroques, Atma ACD2 2563
この他に、2004年に収録されたRené Jacobs, Schola Cantorum Basiliensis によるDVD(harmonia Mundi france HMD9909006)が発売されている。
譜例
^ オスティナート・バスによる声楽曲の事例として、『主よ、汝さえこの世にあれば(Herr, wenn ich nur dich hab' )』(BuxWV38)譜例1参照。譜例1
^ 声楽コンチェルトとアリアを組み合わせたカンタータの事例として、『我はこの世を去りて(Ich habe Lust abzuscheiden )』(BuxWV47)譜例2-4参照[ 注 12] 。
譜例2
譜例3
譜例4
^ ヴィオラ・ダ・ガンバを独奏楽器として扱った作品の事例として、『全地よ、主に向かいて喜びの声をあげよ(Jubilate Domino )』(BuxWV64)譜例5参照[ 注 17] 。グレッケをはじめ、ガブリエル・シュッツ、マルティン・ラーデック等、リューベック・ヴィオラ・ダ・ガンバ楽派の作品を集めた録音として、Simone Eckert, Hamburger Ratsmusik, Lübecker Virtuosen: Musik von Dietrich Buxtehude und seinen Kollegen , Thorofon CTH2474.
譜例5
^ 古様式によるミサ・ブレヴィス(BuxWV114)のキリエの冒頭部について、譜例6参照。譜例6
^ オスティナート形式を伴った楽曲の事例として、前奏曲ト短調(BuxWV148)譜例7参照。
譜例7
^ 前奏曲ハ長調(BuxWV137)の冒頭部について、譜例8参照。
譜例8
^ コラール前奏曲の事例として、『我らが神は堅き砦(Ein feste Burg ist unser Gott )』(BuxWV184)譜例9参照。譜例9
^ スティル・ブリゼの事例として、組曲ニ短調(BuxWV234)譜例10参照。
譜例10
^ 勇壮なヴィオローネのソロで開始するソナタニ長調(BuxWV267)の終曲フーガについて、譜例11参照。
譜例11
^ ソナタイ長調(BuxWV263)におけるヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバの即興的なソロについて、譜例12, 13参照[ 注 23] 。
譜例12
譜例13
出典
^ Snyder 2007: pp. 7-8.
^ Snyder 2007: pp. 4-7.
^ 山下道子、4頁。
^ 山下道子、5頁。
^ Snyder 2007: p. 11.
^ デンマーク、スウェーデン両国の通史については、百瀬宏 、村井誠人編『北欧史』新版世界各国史21、山川出版社 、1998年8月。また、当時のヘルシンボリの状況については、Snyder 2007: p. 27。
^ 三十年戦争等のプロテスタント教会音楽 への全般的な影響については、バロック音楽研究会、71-72頁。
^ Snyder 2007: p. 30.
^ Snyder 2007: p. xxiii.
^ 山下道子、6頁。
^ Søren Sørensen, "Monteverdi - Förster – Buxtehude: Entwurf zu einer entwicklungsgeschichtlichen Untersuchung", Dansk Aarbog for Musikforskning , 1963, pp. 87-100[ 注 4] 。
^ バロック音楽研究会、128頁。
^ 山下道子、7頁。聖母マリア教会の大オルガンのディスポジション(仕様)については、Snyder 2007: pp. 79-80。
^ 山下道子、7頁。
^ ハンザ同盟および商人教会としての聖母マリア教会の性格については、高橋理『ハンザ同盟』教育社歴史新書 西洋史A13、1980年9月、197-201頁。
^ Arnfried Erder, "Der nordelbische Organist: Studien zu Sozialstatus, Funktion und kompositorischer Produktion eines Musikerberufes von der Reformation bis zum 20. Jahrhundert", Kieler Schriften zur Musikwissenschaft , Kassel: Bärenreiter, 1982, p. 71[ 注 5] 。
^ 高橋理、279頁。
^ 山下道子、9、11-12頁。
^ Erder, p. 62.
^ Snyder 2007: pp. 54-66.
^ 山下道子、13頁[ 注 7] 。
^ 山下道子、11頁。
^ Snyder 2007: pp. 107-120, 218-223.
^ Christoph Wolff, "Das Hamburger Buxtehude-Bild", In 800 Jahre Musik in Lübeck , Lübeck: Senat der Hansestadt Lübeck, Amt für Kultur, 1982, pp. 64-79[ 注 8] 。
^ 山下道子、15-16頁[ 注 9] 。
^ Georg Karstädt, Die Extraordinairen Abendmusiken Dietrich Buxtehudes: Untersuchungen zur Aufführungspraxis in der Marienkirche zu Lübeck , Lübeck: Max Schmidt-Römhild, 1962.
^ Johann Mattheson, Grundlage einer Ehrenpforte , Hamburg, 1740 (reprint, Max Schneider ed., Berlin: Kommissionsverlag von Leo Liepmannssohn, 1910), p. 94.
^ Werner Neumann, Hans-Joachim Schulze ed., Dokumente zum Nachwirken Johann Sebastian Bachs 1750-1800 (Bach Dokumente III) , Kassel: Bärenreiter, 1972, p. 82.
^ 山下道子、14頁。
^ ウーリヒの追悼詩については、Dieter Kricheberg, "Das protestantische Kantorat im 17. Jahrhundert: Studien zum Amt des deutschen Kantors", Berliner Studien zur Musikwissenschaft , Berlin: Merseburger, 1965, p. 149.
^ Friedrich Blume, "Das Kantatenwerk Dietrich Buxtehudes", Jahrbuch der Musikbibliothek Peters , 1940, Martin Geck, "Die Vokalmusik Dietrich Buxtehudes und der frühe Pietismus", Kieler Schriften zur Musikwissenschaft , Kassel: Bärenreiter, 1965, pp. 77-151, Snyder 2007: pp. 149-156.
^ プロテスタント教会音楽へのコンチェルタート様式の導入およびカンタータの形成については、バロック音楽研究会、78-83頁。
^ バロック時代におけるドイツ神秘主義については、トーマス・インモース「バロック神秘主義」『ルネッサンス双書7 ルネッサンス期の神秘思想』荒竹出版、1978年7月、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヴェンツラッフ=エッゲベルト、横山滋訳『ドイツ神秘主義』国文社 、1979年4月。また、ルター派敬虔主義については、伊藤利男『敬虔主義と自己証明の文学』人文書院 、1994年4月[ 注 15] 。一方、戦乱に明け暮れた17世紀ドイツの民衆の生活については、ペーター・ラーンシュタイン、浜田節夫訳『バロックの生活』叢書ウニベルシタス228、法政大学出版局 、1988年4月、23-30頁。
^ ブクステフーデの声楽曲におけるルター派敬虔主義の影響を指摘したものとして、Geck, pp. 77-151。敬虔主義のプロテスタント教会音楽への全般的な影響については、バロック音楽研究会、12頁[ 注 16] 。
^ Snyder 2007: pp. 371-374.
^ André Pirro, Dietrich Buxtehude , Paris: Fischerbacher, 1913 (reprint, Geneva: Minkoff, 1966).
^ Snyder 2007: pp. 218-223.
^ 『子羊の婚礼(Die Hochzeit des Lammes )』(BuxWV128)のテキストについては、Pirro, pp. 175-184。『悲しみの城砦(Castrum doloris )』(BuxWV134)、『栄誉の神殿(Templum honoris )』(BuxWV135)のファクシミリは、Karstädt 1962.
^ Snyder 2007: pp. 242-245.
^ 1874年1月19日付の手紙。Johannes Brahms, Carl Krebs ed., Briefwechsel mit Philipp Spitta , Berlin: Verlag der Deutschen Brahms-Gesellschaft, 1920, p. 53.
^ Snyder 2007: pp. 262-263.
^ Friedhelm Krummacher, "Stylus phantasticus und phantastische Musik: kompositorische Verfahren in Toccaten von Frescobaldi und Buxtehude", Schütz Jahrbuch , 1980; Matthias Schneider, Buxtehudes Choralfantasien: Textdeutung oder phantastischer Stil?, Kassel: Bärenreiter, 1997; Peter Dirksen, "The Enigma of the stylus phantasticus and Dietrich Buxtehude's Praeludium in G Minor(BuxWV 163)", Orphei Organi Antiqui: Essays in Honor of Harald Vogel , Seattle: Westfield Center, 2006, pp. 107-132[ 注 20] 。
^ Johann Gottfried Walter, Musikalisches Lexicon oder musikalische Bibliothek , Leipzig, 1732(fascimile reprint, Richard Schaal ed., Kassel: Bärenreiter, 1953).
^ Johann Mattheson, Der vollkommene Capellmeister , Hamburg, 1739 (fascimile reprint, Margarete Reimann ed., Kassel: Bärenreiter, 1954), part I chap. 10, p. 95[ 注 21] 。
^ Hans-Joachim Schulze ed., Fremdschriftliche und gedruckte Dokumente zur Lebensgeschichte Johann Sebastian Bachs 1685-1750(Bach Dokumente II) , Kassel: Bärenreiter, 1969, pp. 19-20.
^ Mattheson 1739, part II chap. 4 p. 73.
^ Pieter Dirksen ed., VI Suittes, divers airs avec leurs variations et fugues pour le clavessin (Amsterdam, 1710) , Utrecht: Koninklijke Vereniging voor Nederlandse Muziekgeschiedenis, 2004, Pieter Dirksen, A Buxtehude Discovery .
^ Snyder 2007: p. 283.
^ Snyder 2007: pp. 284-285.
^ Mattheson 1740.
^ Philipp Spitta, Johann Sebastian Bach , Leipzig, 1873 (reprint, New York: Dover, 1951).
^ Carl Stiehl, "Die Familie Düben und die Buxtehude'schen Manuscripte auf der Bibliothek zu Uppsala", Monatshefte für Musikgeschichte 21(2) , 1889, pp. 2-9、バロック音楽研究会、123-137, 293-294頁[ 注 24] 。
^ Reinhard Goebel, Musica Antiqua Köln, Deutsche Kammermusik vor Bach , Archiv 2723 078
^ Georg Karstädt, Thematisch-systematisches Verzeichnis der musikalischen Werke von Dietrich Buxtehude , Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1974 (2nd ed., 1985).
参考文献
研究文献
バロック音楽研究会編『教会カンタータの成立と展開-バロック音楽の諸相』アカデミア・ミュージック、1995年10月 ISBN 4870170639
山下道子「ルネサンス・バロックの作曲家たち17 ディートリヒ・ブクステフーデ」『季刊リコーダー』第54号、全音楽譜出版社 、1984年4月 ISBN 4119740315
辻壮一他「特集 ブクステフーデ」『礼拝と音楽』第28号、日本基督教団 出版部、1981年4月
Kerala Johnson Snyder, Dieterich Buxtehude: Organist in Lübeck , 2nd Revised Edition, New York: University of Rochester Press, 2007.5 ISBN 1580462537
Geoffrey Webber, North German Church Music in the Age of Buxtehude , Oxford: Oxford University Press, 1996.5 ISBN 019816212X
Arnfried Edler, Friedhelm Krummacher ed., Dietrich Buxtehude und die europäische Musik seiner Zeit: Bericht über das Lübecker Symposion 1987 , Kassel: Bärenreiter, 1990 ISBN 3761809948
現代譜
Wilibald Gurlitt ed., Dietrich Buxtehudes Werke , vols. i-viii, Hamburg: Ugrino, 1925-1958 (reprint, New York: Broude International Editions, 1977)
Kerala Johnson Snyder, Christoph Wolff ed., Dietrich Buxtehude: The Collected Works , vols. ix-xvi, New York: Broude Trust, 1987-
Klaus Beckmann ed., Dietrich Buxtehude: Sämtliche Orgelwerke , vols. i-ii, Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1971-1972
Klaus Beckmann ed., Dietrich Buxtehude: Sämtliche Suiten und Variationen für Klavier/Cembalo , Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1980
演奏録音
Ton Koopman, The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir, Opera omnia , vols. i-vii, Challenge Classics CC72240, CC72241, CC72242, CC72243, CC72244, CC72245, CC72246
Ton Koopman, Hannover Knabenchor, The Amsterdam Baroque Orchestra, Cantatas , Erato 2292-45294-2, 2292-45295-2
Harald Vogel, Sämtliche Orgelwerke , Musikproduktion Dabringhaus & Grimm 314 1438-2
Lars Ulrik Mortensen, Harpsichord Music , vols. i-iii, dacapo 8.224116, 8.224117, 8.224118
John Hollway, Jaap ter Linden, Lars Ulrik Mortensen, Complete Chamber Music , vols. i-iii, dacapo 8.224003, 8.224004, 8.224005
外部リンク