ディックスビルノッチ(英語: Dixville Notch)は、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州コーアス郡ディックスビル郡区(英語版)の非法人コミュニティ。州北部、カナダのケベック州との国境から南に20マイル (32 km)のところに位置している。人口は6人(2024年[1])。
全米で最も早く大統領選挙の投開票が行われることで知られる[2]。
歴史
ディックスビルノッチに投票所をもたらしたのは、1954年に転入してきたニール・ティロットソン(英語版)であった。当時ディックスビルノッチには投票所がなく、最寄りの投票所までは車で片道45分もかかった。AP通信社の記者から深夜投票制度の説明を聞いたティロットソンは、ほかの住民と共にニューハンプシャー州議会に独立した投票区の創設を請願した。州議会はディックスビルノッチを投票区として承認し、1960年アメリカ合衆国大統領選挙より村に投票所が設けられるようになった[1]。
大統領選挙
ニューハンプシャー州の州法では、登録有権者全員が投票を終えた時点で投票所を閉鎖し、開票に移ることが許可されている。ただし有権者は5人以上でなければならない[1]。
有権者が最低人数をわずかに上回る規模のディックスビルノッチでは、日付が変わってから数分後に投票所が閉鎖され、すぐに開票結果が発表されることから、「全米で最も早く大統領選挙の投開票が行われる村」として国内外から注目を集めている。
2024年大統領選挙の有権者6人のうち4人が共和党員であることからわかるように、伝統的に共和党候補を支持する傾向にある。ただし2008年以降は民主党候補が優勢にある[1]。
近年の大統領選挙の結果は以下のとおり。
ニューハンプシャー州には他にもミルズフィールド(英語版)とハーツ・ロケーション(英語版)が深夜投票制度を導入していたが、高齢化により制度維持が困難になったことから2024年の大統領選挙では取りやめた[1]。
出典
- ^ a b c d e f “What is Dixville Notch? Why a small New Hampshire town holds its primary voting at midnight”. CBSニュース . (2024年1月23日). https://www.cbsnews.com/news/dixville-notch-new-hampshire-voting-primary/ 2024年11月7日閲覧。
- ^ “アメリカ大統領選 “最初の開票結果”は… 有権者6人の村で早速開票”. TBSテレビ. (2024年11月6日). https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1534710?display=1 2024年11月7日閲覧。
- ^ a b “Obama Wins Dixville Notch, Hart's Location, N.H.”. NPR (米国公共ラジオ放送). (2008年11月4日). https://www.npr.org/2008/11/04/96557581/obama-wins-dixville-notch-harts-location-n-h 2024年11月7日閲覧。
- ^ “Obama, Romney Tie in Dixville Notch”. ABCニュース (アメリカ). (2012年11月6日). https://abcnews.go.com/blogs/politics/2012/11/obama-romney-tie-in-dixville-notch 2024年11月7日閲覧。
- ^ a b “米大統領選、「初戦」は引き分け 東部の小村、全土に先駆け投開票”. 時事通信. (2024年11月5日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2024110500921 2024年11月7日閲覧。
- ^ “写真で見る米大統領選:全米で一番早く投開票を行う村”. ロイター通信. (2020年11月4日). https://www.reuters.com/article/idUSKBN27K0AK/ 2024年11月7日閲覧。