テメシュ級モニター
テメシュ級河川モニター (S.M.S. Temes klass) は、オーストリア=ハンガリー帝国海軍が建造した河川モニター艦の艦級である。 概要本級は、国際河川であるドナウ川の権益を守るためにオーストリア=ハンガリー帝国海軍により建造された河川用のモニターである。第一次世界大戦では、緒戦のベオグラード進攻作戦で支援砲撃を行うなど、ドナウ川流域での実戦に参加した。 艦形河川での使用に適した、浅吃水で操縦性に優れる船型を採用した。浅水域で推進器が損傷するのを避けるため、艦底中央部から艦尾にかけて凹みを設け、その中に推進器を配置している。舵も、保針性と舵効を確保するため前後に長い一枚舵を採用している。 甲板上は、中央部に機関室囲壁を含む上部構造物があり、その前部に艦橋を配置した。艦橋直前の左右両舷に12cm単装主砲各1基を、後甲板の中心線上に9cm単装砲1基を置き、上部構造物上の両舷に4.7cm速射砲各1基を配置した。 同型艦1914年に「テメシュ」として竣工。1920年にルーマニア海軍に譲渡され「アルデアル(Ardeal)」と改名。1944年にソ連に拿捕され「アゾフ(Azov)」と改名。1945年にルーマニア海軍に返却後1946年解体処分。名称はドナウ川の支流テメシュ川(現在のティミシュ川)にちなむ。 1914年に「ボドログ」として竣工。1918年にユーゴスラビア海軍に譲渡され「サヴァ(Sava)」と改名。1941年4月12日に自沈。クロアチア陸軍により浮揚後、1944年9月8日に再度自沈。1962年に浮揚後に解体処分。名称はドナウ川の支流ボドログ川にちなむ。 脚注
参考図書
関連項目外部リンク
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