テトラメチルエチレンジアミン
N ,
N ,
N ′,
N ′-Tetramethylethane-1,2-diamine
[ 1]
識別情報
略称
TMEDA, TEMED
CAS登録番号
110-18-9
PubChem
8037
ChemSpider
7746
UNII
K90JUB7941
EC番号
203-744-6
国連/北米番号
2372
MeSH
N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine
ChEBI
RTECS 番号
KV7175000
バイルシュタイン
1732991
Gmelin参照
2707
InChI=1S/C6H16N2/c1-7(2)5-6-8(3)4/h5-6H2,1-4H3
Key: KWYHDKDOAIKMQN-UHFFFAOYSA-N
特性
化学式
C6 H16 N2
モル質量
116.2 g mol−1
外観
無色の液体
匂い
魚臭、アンモニア臭
密度
0.7765 g mL−1 (at 20 °C)
融点
−58.6 °C
沸点
121.1 °C
水 への溶解度
混和する
酸解離定数 pK a
8.97
塩基解離定数 pK b
5.85
屈折率 (n D )
1.4179 (20 °C)[ 2]
危険性
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード
DANGER
Hフレーズ
H225 , H302 , H314 , H332
Pフレーズ
P210 , P280 , P305+351+338 , P310
NFPA 704
引火点
20 °C (68 °F; 293 K)
爆発限界
0.98–9.08%
関連する物質
関連するアミン
トリエチレンテトラミン
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C )・常圧 (100 kPa) におけるものである。
テトラメチルエチレンジアミン (tetramethylethylenediamine) は、有機化合物 の一種で、エチレンジアミン の N -メチル化 により合成されるアミン である。不快な魚臭を持つ無色の液体。TMEDA , TEMED , TMED , TMEN などの略称で呼ばれる。pKb(塩基解離定数 )は 5.85。消防法 に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[ 3] 。
有機/無機合成における用途
テトラメチルエチレンジアミンは金属イオンへのキレート 配位子(二座配位子)として用いられる。さまざまな金属塩と安定な錯体を作り、有機溶媒 へ可溶化させる。
有機金属化学 では、リチウム イオンへの親和性がよく知られる。n-ブチルリチウム (n-BuLi) が作る6量体クラスターに作用し、活性化させる。この n-BuLi/TMEDA 錯体はベンゼン 、フラン 、チオフェン 、N -アルキルピロール 、フェロセン などのプロトンを、場合によっては 2個引き抜くほどの強い塩基 性を示す[ 4] 。さまざまな有機金属 のアート錯体 が、[Li(TMEDA)2 ]+ を対カチオンとする形で単離されている[ 5] 。それらの錯体では、[Li(TMEDA)2 ]+ イオンは4級アンモニウム イオンのようなはたらきをしているが、塩基に対する耐性はずっと高い。
他の用途
テトラメチルエチレンジアミン(0.1~0.2% v/v)はペルオキソ二硫酸アンモニウム (APS )とともに、アクリルアミド をポリアクリルアミド ゲルとする重合 ・ゲル化 反応の開始剤として用いられる。ポリアクリルアミドゲルはポリアクリルアミドゲル電気泳動 (PAGE ) やウェスタンブロッティング で担体とされる。
出典
^ “N ,N ,N ′,N ′-tetramethylethylenediamine – Compound Summary ”. PubChem Compound . USA: National Center for Biotechnology Information (16 September 2004). 30 June 2012 閲覧。
^ Lide, David R., ed (2009). CRC Handbook of Chemistry and Physics (90th ed.). Boca Raton, Florida : CRC Press . ISBN 978-1-4200-9084-0
^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
^ Haynes, R. K.; Vonwiller, S. C. "N,N,N',N'-Tetramethylethylenediamine" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York.
^ 例:Morse, P. M.; Girolami, G. S. J. Am. Chem. Soc. 1989 , 111 , 4114-4115.