ティビアキス

グロウビアキス(左)、ティビアキス(右)、フロースナッパー(上)

ティビアキス(tebirkes)は、デンマーク発祥のデニッシュ・ペストリーで、バター、小麦粉、塩、牛乳からなる折りパイ生地の間にマジパン・フィリング(リモンス)を挟み、ケシの実を振りかけたものである[1]。デンマーク語でTeは茶の意味であり、birkesはケシの実を意味する[2]ユトランド半島フュン島ではKøbenhavnerbirkesとも呼ばれる。

種類

ティビアキスにはいくつかの種類と呼び方がある[3]

ビアキス Birkes
リモンスが入っていないもの
グロウビアキス Grovbirkes
リモンスがなく、グラハム粉または粗い穀粉で作らたもの
ティビアキス Tebirkes
リモンスの有無にかかわらず使われる。スモービアキス(smørbirkes)とも呼ばれる
ショコラーデビアキス Chokoladebirkes
チョコレート入りのティビアキス
オステビアキス Ostebirkes
チーズを詰たティビアキス
ハウレビアキス Havrebirkes
オーツをベースにしたグロウビアキス

起源

Birkesは、古い言葉では小麦粉から焼き、ケシの実をまぶしたパンのことを指しており、もともとはユダヤ人の安息日のパンのことを指していた [4] [5]

ティビアキスの起源は不明であるが、ある説によると、ティビアキスは19世紀にオーストリアで誕生したデニッシュである。オーストリアのパン屋がストライキをした際に、バターを使ったパンの製法をデンマークに伝えたとされている。デンマークのパン屋はこのレシピを取り入れ、追加のバターと砂糖、そして甘い詰め物や、生地の折り目を加えるなどして独自のアレンジを施したとされている[6] [7]

また、別の説もある[8]。1960年代半ばまで、デンマークではティビアキスは見られなかったが、ガンローゼベーカリーが丸めたティビアキスにリモンスを詰めて生まれた。ティビアキスの生地を平らにして試しに全体にリモンスを詰めてみたところ、数週間のうちに非常に人気が出たため、ティビアキスはリモンス入りのものだけを作るようになり、シェラン島の他のパン屋にも広がった。おそらくそれが「コペンハーゲンのティビアキス」と呼ばれる理由である。このアイデアはパン屋のハンスアンデルセンが考案した。

トリビア

ティビアキスは最大70%のバターを含むため、カロリーは高く、100gあたり約415キロカロリー/ 1739kJである[9]

ティビアキスの生地はクロワッサンにも使用できる。

ティビアキス生地を伸ばして捻って焼くと、フロースナッパーになる。

ティビアキスはデンマーク国外では知られていないため、他の言語では名前がない

脚注

  1. ^ Tebirkes (Danish Pastry with Poppy Seeds)”. 2023年3月19日閲覧。
  2. ^ ティビアキス|パンの図鑑”. 2020年12月18日閲覧。
  3. ^ Birkes, Thebirkes, Københavnerbirkes, Grovbirkes – dear child has many names”. 2023年3月19日閲覧。
  4. ^ Berkes”. Ordborg over det danske sprog, historisk ordbog 1700-1950. 2013年2月27日閲覧。
  5. ^ Hvorfor hedder det tebirkes?”. Biblioteksvagten.dk. 2019年3月1日閲覧。
  6. ^ Mia Irene Kristensen (2012年8月9日). “Danish “Tebirkes” is to Denmark, what the croissant is to France – a trademark and an old and beloved tradition.”. 2019年3月1日閲覧。
  7. ^ Wienerbrød”. www.hindbersnitten.dk. 2013年2月27日閲覧。
  8. ^ Henrik (2012年12月7日). “Birkes-mysteriet”. sofiesblog.looklab.dk. 2013年2月26日閲覧。
  9. ^ Kalorieindhold i tebirkes”. 2012年2月26日閲覧。