ツルボラン亜科 Asphodeloideae は、ススキノキ科に属する単子葉植物の亜科の1つ。アロエなど800種程度を含む。日本にはツルボラン Asphodelus ramosus、ハナツルボラン Asphodelus fistulosus が帰化または栽培で存在し、アロエ属の種が園芸栽培される。
APG植物分類体系ではツルボラン科 Asphodelaceae としてキジカクシ目の中に含めていた。第2版(APG II)ではススキノキ科に含めてもよいとし、第3版 (APG III) ではススキノキ科の亜科とされた。クロンキスト体系ではこの科は認められておらず、アロエ類はアロエ科に属する。
形態
形態は、かつてユリ科とされていた他の単子葉植物に準じる。アロエ類は多肉植物である。共有派生形質として、胚珠が半倒生であること、仮種皮が存在することが挙げられる。生理的には、アントラキノン誘導体を産生すること、ステロイドサポニンを産生しないことが特徴である[1]。
分類
- ツルボラン類 - アロエ類を内部に含む側系統群である。西アジア・ヨーロッパ・アフリカに分布。Bulbine・Bulbinellaの2属はオセアニアにも分布する[1]。
- アロエ類 - かつてアロエ科 Aloaceae、アロエ亜科 Alooideae とされていた多肉植物が含まれる。およそ500種が属し、ケープ植物区で特に多様性が高い。花被は合着し筒状になり、総状または穂状花序をつくる[2]。
系統
次のような系統樹が得られている[2][3]。
画像
脚注
- ^ a b Klopper, Ronell R., Abraham E. Van Wyk, and Gideon F. Smith. (2010). “Phylogenetic relationships in the family Asphodelaceae (Asparagales)”. Biodivers. & Ecol 3: 9-36.
- ^ a b Manning, John, et al. (2014). “A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae subfamily Alooideae: A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?”. Systematic Botany 39 (1): 55-74. doi:10.1600/036364414X678044.
- ^ Chase, Mark W., et al. (2000). “Phylogenetics of Asphodelaceae (Asparagales): an analysis of plastid rbcL and trnL-F DNA sequences”. Annals of Botany 86 (5): 935-951. doi:10.1006/anbo.2000.1262.
外部リンク