チン小帯 (チンしょうたい、Zinn’s membrane, ciliary zonule)は、毛様体小帯 または毛様小帯 とも呼び、毛様体 を水晶体 に繋ぐ環状の線維である。ヨハン・ゴットフリート・ツィン (英語版 ) にちなんで名づけられた。
はたらき
チン小帯は眼球の内部で水晶体を固定している、線維のあつまりである[ 1] 。チン小帯が水晶体を支えることによって、水晶体はその形を左右対称に保ち、ピントを網膜に合わせることができる[ 1] 。加齢にしたがって劣化していくほか、目をこすることによっても劣化し[ 1] 、一旦切れると再生しない[ 1] 。
発達
毛様体上皮細胞 がチン小帯の一部を形成している可能性がある[ 2] 。
解剖学
チン小帯は、2つの層に分かれている。薄い層は硝子体窩 に並び、厚い層は小帯線維が集まっている。線維は、毛様体小体 として知られる[ 3] 。チン小帯の直径は、約1から2 μmである[ 4] 。
水晶体との摩擦等で、色素顆粒 がチン小帯から放出されると、虹彩 の色は徐々に薄くなる。これらの色素顆粒がチャネルを阻害し、緑内障 を引き起こすこともある。
チン小帯は、主に結合組織 タンパク質 であるフィブリリン で構成されている[ 2] 。フィブリリン遺伝子の変異はマルファン症候群 を引き起こし、水晶体脱臼 の危険が高まる[ 2] 。
見かけ
チン小帯は、細隙灯 で見ることは難しいが、子供のものや虹彩欠損症、水晶体亜脱臼の場合は見えることがある[ 5] 。チン小帯の数は、年齢とともに減少する[ 4] 。チン小帯は、水晶体外縁の前方及び後方に挿入されているように見える[ 6] 。
画像
出典
^ a b c d 赤星, 隆幸 (2019年3月16日). “元気のココロ”. 日本経済新聞土曜版 (日本経済新聞): p. S7
^ a b c Kaufman, Paul L.; Alm, Albert (2010). Adler's physiology of the eye (11th ed. ed.). St. Louis, Mo: Mosby . pp. 145-146. ISBN 978-0-323-05714-1
^ http://www.etsu.edu/cpah/hsci/forsman/WebVision.htm
^ a b Bornfeld, Norbert; Spitznas, Manfred; Breipohl, Winrich; Bijvank, Gerhard J. (1974). “Scanning electron microscopy of the zonule of Zinn”. Albrecht von Graefes Archiv for Klinische und Experimentelle Ophthalmologie 192 (2): 117-129. doi :10.1007/BF00410698 .
^ McCulloch, C (1954-1955). “The Zonule of Zinn: its Origin, Course, and Insertion, and its Relation to Neighboring Structures.” . Transactions of the American Ophthalmological Society 52 : 525-85. PMID 13274438 . http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1312608/pdf/taos00047-0532.pdf 2012年12月15日 閲覧。 .
^ Farnsworth, PN; Mauriello, JA; Burke-Gadomski, P; Kulyk, T; Cinotti, AA (1976 Jan). “Surface ultrastructure of the human lens capsule and zonular attachments.”. Investigative ophthalmology 15 (1): 36-40. PMID 1245377 .
外部リンク