チョコレートドーナツ
『チョコレートドーナツ』(原題: Any Day Now)は、2012年のアメリカ合衆国のドラマ映画。 「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された映画である[1]。脚本を務めたジョージ・アーサー・ブルームはモデルとなったゲイの男性を友人に紹介され、彼がその子供を養子にしようとしたらどうなるだろうかと考えて、ゲイの男性が少年を養子にしようとしたときに直面するであろう問題について調査した後、数ヵ月後には脚本ができていたという[1]。 日本語版のキャッチコピーは「僕たちは忘れない。ぽっかりと空いた心の穴が愛で満たされた日々―。」[2]。 2020年に日本において世界で初めての舞台化、東山紀之主演、宮本亞門演出[3]。 物語1979年のカリフォルニア。歌手を夢見ながら、ショーパブでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと心を通わせ合い、交際を始める。 そんな折、ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコが、危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知る。繰り返されるマルコの脱走に心を痛めたルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案する。同性愛の恋人同士であることを伏せ、法的手続きによりマルコの監護者となった二人は、本当の両親のようにマルコに愛情を注ぎ、三人で幸せな日々を送る。 だが周りの反応は冷淡であり、彼らをパーティに招いたポールの上司との衝突で事態は一気に悪化し、ふたりはマルコの養育者と認められず裁判沙汰となる。弁護士の奮闘もむなしく、ルディとポールはマルコとの関係を引き裂かれる。そしてふたたびの脱走を試みたマルコが放浪のあげく悲惨な運命をたどったことをルディは知る。 歌手として認められたルディは、愛する者たちとのつながりを引き裂かれた怒りと悲しみとをマイクに叩きつけてゆく。 キャスト括弧内は日本語吹替。
日本公開アメリカで高い評価を受けていた本作だが、日本での上映は当初1館のみであった。日本の宣伝担当によると、様々な日本のテレビ局に宣伝を売り込んでいたものの、局や番組のプロデューサーから「ゲイカップルとダウン症の映画なんて紹介できないよ」と断られ続けたという。しかし、映画コメンテーターのLiLiCoは『王様のブランチ』にて泣きながら本作を紹介し、その翌週から上映館が140館に増え、日本でも広く知られるようになった[4]。その後、本作のBlu-ray&DVDが発売されるときにLiLiCoは宣伝隊長に就任している[5]。本作の紆余曲折について、LiLiCoは後年、「高い評価を受けていた傑作が、偏見によって紹介されもしなかった。頭にきましたね」「テレビは(出演者やスタッフなど)LGBTQの人たちに支えられている業界なんだから、そろそろトップも意識を変えていかなきゃいけないと思いますよ」とコメントしている[4]。 舞台PARCO劇場オープニング・シリーズとして2020年12月7日初日の予定だったが[3]、直前になって出演者が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、開幕が延期となった[6]。 2021年3月23日と24日には、マルコを演じたダウン症の青年二人にスポットを当てたドキュメンタリー番組がEテレで放送された。 2023年10月 - 11月、PARCO劇場開場50周年記念シリーズとして、東京・大阪・熊本・宮城・愛知で再演予定[7]。 初演キャスト(2020年)
スタッフ(2020年)再演キャスト(2023年)
スタッフ(2023年)
参考文献
外部リンク
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