チャグチャラーン(ペルシア語: چغچران、ラテン文字:Chaghcharan、、チャフチャラーン - Chakhcharanと呼ばれることもある、旧称:アーハンガラーン[2](ペルシア語: آهنگران、パシュトー語: آهنګران、Āhangarān)はアフガニスタン中央部にある都市であり、ゴール州の州都である。チャグチャラーンはハリー川の南岸に位置し、海抜は2,230mとなっている。チャグチャランやチャフチェラーンと表記されることもある[3]。
チャグチャラーンは西はヘラートと高速道路で380kmにて結び、ほぼ同距離にてカーブルと結んでいる。厳しい気候のため冬季には道路はしばしば閉鎖され、夏季であっても道路状況が悪くチャグチャラーンからカーブルへは自動車で3日かかる。
2012年時点におけるチャグチャラーンの人口は約6,700人であり[1]、その大部分がペルシア語話者である。チャグチャラーン空港(英語版)は街の北東約1.5kmの地点にある。
歴史
この地域は10世紀にガズナ朝のスルターン・マフムードによりイスラム教が広まるまで、異なる宗教を信仰する人々が共に暮らす土地であった。ゾロアスター教、仏教、その他の宗教の信者も存在し、ユダヤ人もまたこの地に暮らしていた。ガズナ朝が衰退すると、12世紀にはゴールから興ったゴール朝が実権を握った。
13世紀、この地域はチンギス・カンと彼が率いるモンゴル兵により侵攻を受けた。その後は14世紀にティムールに征服されるまで、イルハン朝によって統治された。
チャグチャラーンは、バーブルがカーブルから挙兵しムガル帝国を建国するまでの旅について記した1507年の回想録バーブル・ナーマにも登場する(当時の名称はチャフチャラーン)。当時のチャフチャラーンはヘラート、ゴール、ガズニーの間にあるガルジスタン地方に位置する都市であった[4]。
2004年、独立系FMラジオ局(ダリー語:راديو صداي صلح、ラジオ平和の声)がチャグチャラーンで放送を開始した。これはアフガニスタンのゴール州付近では初の独立系メディアとなった。
2005年6月、国際治安支援部隊(ISAF)はリトアニア率いるゴール州の地方復興チームを結成、他にクロアチア、デンマーク、アゼルバイジャン、アイスランドの部隊が参加して地雷除去などの活動を行った[5]。
気候
チャグチャラーンは湿潤大陸性気候(ケッペンの気候区分ではDsb)に属し、冬は寒さが厳しく雪が降り、夏は暖かく湿度が低い。年間降水量は少なく、雨はその大部分が冬と春に記録される。
チャグチャラーンの気候
|
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
12.0 (53.6)
|
11.5 (52.7)
|
20.6 (69.1)
|
26.8 (80.2)
|
32.3 (90.1)
|
34.6 (94.3)
|
37.4 (99.3)
|
35.0 (95)
|
33.0 (91.4)
|
27.5 (81.5)
|
21.0 (69.8)
|
16.7 (62.1)
|
37.4 (99.3)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
−1.3 (29.7)
|
0.0 (32)
|
8.8 (47.8)
|
17.4 (63.3)
|
21.8 (71.2)
|
27.3 (81.1)
|
29.8 (85.6)
|
28.8 (83.8)
|
24.7 (76.5)
|
17.9 (64.2)
|
11.4 (52.5)
|
3.2 (37.8)
|
15.82 (60.46)
|
日平均気温 °C (°F)
|
−9.4 (15.1)
|
−7.3 (18.9)
|
1.6 (34.9)
|
9.3 (48.7)
|
12.8 (55)
|
17.2 (63)
|
19.3 (66.7)
|
17.8 (64)
|
12.4 (54.3)
|
6.9 (44.4)
|
1.5 (34.7)
|
−4.4 (24.1)
|
6.48 (43.65)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
−16.3 (2.7)
|
−15.3 (4.5)
|
−3.9 (25)
|
2.1 (35.8)
|
3.5 (38.3)
|
4.9 (40.8)
|
7.1 (44.8)
|
5.3 (41.5)
|
−0.2 (31.6)
|
−2.8 (27)
|
−6.8 (19.8)
|
−11.1 (12)
|
−2.79 (26.98)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−44 (−47)
|
−46.0 (−50.8)
|
−26 (−15)
|
−10.8 (12.6)
|
−6.0 (21.2)
|
−2.7 (27.1)
|
0.5 (32.9)
|
−2.0 (28.4)
|
−8.0 (17.6)
|
−14.6 (5.7)
|
−19.5 (−3.1)
|
−35 (−31)
|
−46 (−50.8)
|
降水量 mm (inch)
|
30.9 (1.217)
|
32.2 (1.268)
|
40.0 (1.575)
|
35.3 (1.39)
|
20.1 (0.791)
|
0.4 (0.016)
|
0.1 (0.004)
|
0.5 (0.02)
|
0.0 (0)
|
11.0 (0.433)
|
15.8 (0.622)
|
18.1 (0.713)
|
204.4 (8.049)
|
平均降雨日数
|
0
|
1
|
6
|
8
|
5
|
0
|
0
|
0
|
0
|
3
|
3
|
1
|
27
|
平均降雪日数
|
8
|
9
|
5
|
1
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
2
|
7
|
32
|
% 湿度
|
70
|
71
|
66
|
56
|
49
|
39
|
34
|
32
|
36
|
44
|
54
|
64
|
51.3
|
平均月間日照時間
|
146.4
|
150.2
|
198.6
|
223.9
|
320.6
|
383.9
|
389.4
|
358.0
|
344.7
|
267.7
|
217.9
|
154.7
|
3,156
|
出典:NOAA (1968-1983) [6]
|
人口
チャグチャラーンの人口は約6,700人であり、ゴール州最大の都市である。チャグチャラーンに居住する主な民族としては、アイマーク人、ハザーラ人、タジク人(96%)がいる[7]。
交通
ハリー川北西部にある空港、チャグチャラーン空港(英語版)はチャグチャラーンより北東に約1.5kmの地点にある。全長は約1800m、未舗装、小規模~中規模の航空機が発着可能となっている。チャグチャラーンから伸びる主要道路は西のヘラートと東にある首都カーブルを結んでいる。
関連項目
脚注
外部リンク
- Nancy Dupree (1977): An Historical Guide to Afghanistan. 1st Edition: 1970. 2nd Edition. Revised and Enlarged. Afghan Tourist Organization. (Chapter 32 - Chakhcharan to Herat)