チカヌマエビ
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分類
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界
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動物界 Animalia
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門
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節足動物門 Arthropoda
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亜門
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甲殻亜門 Crustacea
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綱
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軟甲綱 Malacostraca
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目
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十脚目(エビ目) Decapoda
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亜目
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抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
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下目
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コエビ下目 Caridea
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科
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ヌマエビ科 Atyidae
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亜科
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チカヌマエビ亜科 Caridellinae
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属
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チカヌマエビ属 Halocaridinides Fujino et Shokita, 1975
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種
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チカヌマエビ H. trigonophthalma
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学名
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Halocaridinides trigonophthalma (Fujino et Shokita, 1975)
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チカヌマエビ(地下沼蝦)、学名 Halocaridinides trigonophthalma は、十脚目ヌマエビ科に分類されるエビの一種。西太平洋沿岸の熱帯域に分布し、和名通り地下水中に生息する。チカヌマエビ属 Halocaridinides は2種のみが知られる小さなグループである(後述)[1][2][3][4]。
特徴
成体は体長10mm程度で、日本産ヌマエビ類としては小型である。頭胸甲の前面は丸みを帯び、額角は短く下向きで、眼より先に突き出ない。眼は小さく退化している。歩脚に外肢はないが、前3対には副肢がある。生時の体色は赤みを帯びるが、これは深海や地下水等の暗い環境に棲むエビ類によく共通する[1][2][3]。
生息地は沖縄本島、宮古島、伊良部島、鳩間島、パラオ諸島アンガウル島、グアム島の記録があり、いずれも西太平洋熱帯海域の島嶼である。タイプ産地は沖縄本島今帰仁村(なきじんそん)である[2][3][5]。
標高の低い位置にある井戸や洞窟内の地下水中に生息する。南西諸島産の地下水生ヌマエビ類は他にドウクツヌマエビ Anticaridina lauensis、アシナガヌマエビ Caridina rubella が知られるが、本種は額角が短く、歩脚に外肢がない点で区別できる。また飼育下では物陰に潜む習性が強い。地下水生で人の目に触れる機会が稀なため、生息範囲・生活史・繁殖方法等の詳細は不明だが、沖縄本島の塩川において本種とみられる第1ゾエア幼生が採集されている[2]。
レッドリスト掲載状況
- 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
- 沖縄県レッドデータブック絶滅危惧IB類(EN) - 2005年
生息地である洞窟・井戸の埋め立て、工事による地下水脈の分断、地下水汲み上げ、農薬等による地下水汚染が脅威となる。既に沖縄本島の生息地が埋め立てで失われた等の報告がある。
環境省の『その他無脊椎動物レッドリスト』では、1991年版で「希少種」、2000年版で「準絶滅危惧(NT)」であったが、2007年版では「絶滅危惧II類(VU)」となり、絶滅への危険度が増している。沖縄県レッドデータブックではさらに厳しい「絶滅危惧IB類(EN)」で掲載されている[3]。また、国や自治体の天然記念物指定を受けている生息地もある。特に本種に絞った指定ではないが、指定区域内での無許可の採集は処罰対象となる。
同属種
- Halocaridinides fowleri (Gordon, 1968)
- チカヌマエビに似ているが、第2触角(長い触角)柄部が短いこと、第3顎脚外肢が長いことで区別する。タンザニア沖のインド洋にあるザンジバル諸島に分布する[2]。
参考文献
- ^ a b 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620
- ^ a b c d e 成瀬貫, 戸田光彦, 諸喜田茂充「八重山諸島鳩間島から採集されたチカヌマエビの記録」『CANCER』第12巻、日本甲殻類学会、2003年、1-6頁、doi:10.18988/cancer.12.0_1、ISSN 0918-1989、NAID 110002950374。
- ^ a b c d 沖縄県文化環境部自然保護課『改訂版 レッドデータおきなわ-動物編- (6)甲殻類』(解説 : 藤田喜久・諸喜田茂充)2005年
- ^ De Grave, Sammy and Pentcheff, N Dean and Ahyong, Shane T and Chan, Tin-Yam and Crandall, Keith A and Dworschak, Peter C and Felder, Darryl L and Feldmann, Rodney M and Fransen, Charles HJM and Goulding, Laura YD and others (2009). “A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans”. Raffles bulletin of zoology (National University of Singapore). hdl:10088/8358. https://repository.si.edu/handle/10088/8358.
- ^ 成瀬貫「[和名 チカヌマエビ [学名] Halocaridinides trigonophthalma (Fujino & Shokita1975)]」『琉球大学資料館(風樹館)収蔵資料目録 第1号 : 琉球大学資料館(風樹館)収蔵タイプ標本目録』第1巻、琉球大学資料館(風樹館)、2009年3月、71頁、hdl:20.500.12000/12710、NAID 120001632057。