ダークキングダム
『ダークキングダム』は、1994年4月29日に日本テレネットから発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム。 概略魔王軍の兵士が隣国制圧、暗殺、勇者打倒などの任務をこなしていくというストーリー。イルラント12宝石の探索、軍馬テキロの入手、アトリビュート・パワー(AP)の入手、各キャラクター専用装備の入手などゲームの攻略とは直接関係ない隠しイベントが比較的豊富である。またあるイベントを攻略することによりエンディングが多少変化するというギミックもある。 開発はライオットが行い、プロデューサーはメガCD用ソフト『サイボーグ009』(1993年)を手掛けた大友美智男、企画はPCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフト『夢幻戦士ヴァリス』(1992年)を手掛けた折原綱義およびPCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフト『天使の詩II 堕天使の選択』(1993年)を手掛けた土屋広継、プログラムはPCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフト『サークI・II』(1992年)を手掛けた岩附宏和が担当している。 本作は2006年にWindows用ソフトとしてi-revoにて配信された。 設定舞台ダークキングダムの舞台となる世界は「イルラント」と呼ばれる。もともと人間の世界であったが、神の国から巨大な氷に乗ってやってきたという魔王軍によって侵略を受けている。8つの地方に分かれている。
種族等級ダークキングダムの背景世界"イルラント"の魔物は新生体と呼ばれ、四つの等級に分けられている。もっとも、種族等級がそのまま魔王軍での階級と一致するわけではない。
魔族はエリート意識が強く、また人間及び人間に似た姿をした進人族や死族を忌み嫌い、蔑む傾向が強い。その割に人間の姿に変身する者が多い理由は謎である。 死族のなかでも、魔術などで自ら望んで不死化した者たちは高等死族と呼ばれる。魔族と同様に下位種族と同列にあつかわれるのを嫌う。 魔王軍の階級制度
侯爵・伯爵
一等位・二等位・三等位・四等位・五等位
六等位・七等位・八等位
上級無等位・中級無等位・下級無等位 以上が魔王軍の正規兵である。正規兵は部隊の隊長として部下を率いて戦う存在であり、戦功によって昇進し新たな力(AP)を授かることができる。この点が傭兵と異なる点である。 正規兵となるためには単なる力自慢ではだめであるらしいが、いかなる基準で選抜がなされているのかは不明である(入隊判定として、門をくぐらせてオーラの色による選別が行われる)。 入隊した魔物は下級無等位の位を与えられる。任務を成功させ八等位に昇格すると一般兵から魔王軍の下級幹部・ローアークとなり、魔王フリードに謁見することが許される身分となる。ローアークの上にはミドルアーク、ハイアークの地位があり、五等位以上がミドルアーク、伯爵以上がハイアークである。
傭兵は正規兵に雇われて部下として付き従う魔物である。昇格によってAPを授かることはできず、また、魔法の組み換えもできない。名前は冒険者の職業や武器防具にちなんだ者が多い。
闘士は闘技場で正規兵の腕試し、修行の相手となる魔物である。最下級の存在であり、使い捨てである。 登場人物魔王軍ジェンの部隊
フォースアークウル派
魔王軍四公爵の一人。ウル派を率いる。四公爵中最も老獪な人物。昇格のさい、ジェンたちの面前にデグとともに現れる。
伝説の闘神と呼ばれる人物。亜族。伯爵、後に侯爵。同族出身のウォルは敬意をはらい、魔族出身のギルは軽視する態度をとる。ふたりの姿勢に違いはあるが、逸材として好意的に見守っている。
ウルの腹心。魔族。一等位、後に伯爵。正規兵なりたてのジェンとギルの口論を一喝して沈静し、以降ふたりはデグに一目置く。実質的にはジェンの上司である。ある事件後、地位は変わらないものの役職において左遷される。 ゼーレン派
魔王軍四公爵の一人。魔族。ゼーレン派を率いる。孤高の人物で誰とも組まず、中立を保つ。物語後半においては完全にそうと言い切れない態度もあった。
ゼーレン配下の将。魔族。三等位。電撃を得意技とする。ロートルと化して久しい。 ヘルト派
魔王軍四公爵の一人。竜人族。ヘルト派を率いる。ウル派とは友好関係にあり、ベーザーとは仲が悪い。豪快な人物のようであるが、実は小心である。
虎獣人の侯爵。ヘルトの部下。豪快な性格で情に篤い。
魔女、伯爵。ヘルトの部下。ザルクの愛人。妖艶さがあり異性を誘惑するように話す。 ベーザー派
魔王軍四公爵の一人。死族(高等死族)。全員が死族からなるベーザー派を率いる。魔法に秀でるが、陰険な性格で他の公爵たちからは孤立している。種族等級では第三等の死族に属するが、他の魔物を下等種族と見下している。
伯爵。ベーザーの腹心だが、器量は狭く実力も大したものではない。後にある事件によって公爵に昇格するが、実力は伴っていなかったためあっさりとウルに殺されてしまう。
ベーザー派の行動隊長。三等位。黒衣の魔道師の姿で暗躍する。本来の姿に戻ると、髑髏のオーラを背負った騎士風の姿になる。口調は紳士的で物腰は丁寧だが、性格は陰険。しかしその実力は確かなものである。
ベーザー派の下級幹部。フェア・ラートの配下。
ベーザー派の構成員。無理矢理に構成員にされた者もいる。多くはフェア・ラートの指揮の下行動するが、ニッド・ベルクが直接率いていた者もいる。 魔王城
魔王軍の支配者。魔族。自らは陣頭には立たないが軍団の組織化・統率に優れ、イルラント征服を企図する。全土制圧を目前にして、勇者ルクスと黄金戦士に苦戦を強いられる。
「徹夜明けはスケルトンでもつらい」と情のあるユニークな発言をする、魔王城の名物門番。
人間
伝説の勇者パルスの5代目の子孫。魔王を倒すため諸国を旅し力をつけていく。
ルクスを破ったジェンの戦闘力を素直に評価し、ジェンの部隊に興味をしめす。勇者パーティーの実質的なリーダー。
ルーンディンク王は魔王軍をルクスたちに任せて、王国軍はみだりに動かさない方針をとる。4人は少年・少女だが、その強さに大人のメンツは丸つぶれとの市民の意見もある。
パレオ国内のほこらに住む。ジェンたちに攻略のヒントを独り言のかたちで語り聞かす。
ティンカンサス領内に家がある。12宝石イベントなどでジェンたちと接点をもつようになる。
トゥード領のケスヤの町に隠れ住む伝説の魔法使い。魔導神兵の開発者であり、かつAPの研究家。
魔導神兵(カーティス島)、ジニム(パレオの反体制派リーダー)、ケルドラ(魔女、ティンカンサス国・神魔兵団隊長)、ヘクストリア工場(魔導兵、策士リャントーを含む) 黄金戦士の軍団
超生体、黄金戦士と呼ばれる存在。その戦闘力は魔王軍の大幹部たちをすら遥かに凌ぐ。自身の力を他者に分け与えたり、分身を作り出すことも可能。洗脳の術なども使いこなす。自身の妨害をする者は誰であれ攻撃をしかけてくる。
トーデスの分身。単なる使い捨て。それでも相当に強い。
サー、カウン、ミリアなど。トーデスが召喚した異世界の魔物。 スタッフ
評価
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、7・6・6・7の合計26点(満40点)[2]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.0点(満30点)となっている[3]。
脚注
外部リンク |