セプテンバー・バレンタイン

「セプテンバー・バレンタイン」
佐々木幸男シングル
初出アルバム『One On One』
B面 向かい風
リリース
規格
ジャンル
時間
レーベル ディスコメイトレコード
作詞 斉藤敦子
作曲 安部恭弘
佐々木幸男 シングル 年表
元気です
1977年
セプテンバー・バレンタイン
(1978年)
心から
1979年
テンプレートを表示
セプテンバー・バレンタイン
安部恭弘楽曲
収録アルバムPASSAGE
リリース1994年10月21日
規格CD
ジャンル
  • ポップス
  • バラード
時間4分40秒[1]
レーベルキングレコード
作詞者斉藤敦子
作曲者安部恭弘
その他収録アルバム
  • 『I LOVE YOU -25th Anniversary of Yasuhiro Abe』(2007年)
PASSAGE収録順
風物語
(5)
セプテンバー・バレンタイン
(6)
くーな
(7)

セプテンバー・バレンタイン」は、佐々木幸男の楽曲。1978年7月25日に3枚目のシングルとして発売された。元々は作者の安部恭弘1977年の「ヤマハポピュラーソングコンテスト第14回大会」の本選会場で歌唱した楽曲で、その後に佐々木幸男に提供し、シングル発売となった作品である[2][3]

別離を描いた歌詞と美しいメロディーの洗練されたバラード曲で、フォークソングニューミュージックが全盛期だった当時の中で異彩を放っていた「名曲中の名曲」と評されている[2]。偶然ラジオでこの楽曲を聴いた飛鳥涼(現:ASKA)は、その格段のセンスの高さに思わず唸ったという逸話もあり[2]、後年には、EPO[4]東北新幹線[注釈 1]がカバーしている。 

時代背景

2月14日バレンタインは、日本では女性から男性にチョコレートを贈って愛を告白する日で、3月14日ホワイトデーは、その返礼として男性から女性へお菓子などを贈る習慣があるが、一般的に馴染みのないセプテンバーバレンタインの日とは、ホワイトデーの3月14日から半年後の9月14日のことを指し、女性から別れを切り出す日だとされている[7]

このセプテンバーバレンタインというものの発祥は、1967年から1982年まで放送されていたTBSラジオの深夜番組『パック・イン・ミュージック』だとされているが、セプテンバーバレンタインについて言及された時期や具体的なエピソードなどに関しては不明である[7]。この日には、付き合っている恋人と別れたい女性が、紫色の物を身につけ、白いマニキュアを塗って、緑色のインクで書いた別れの手紙を男性に直接手渡すのがルールだとされている[8][注釈 2]

収録曲

7"シングルレコード
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.セプテンバー・バレンタイン斉藤敦子安部恭弘戸塚修
2.向かい風佐々木幸男佐々木幸男瀬尾一三
合計時間:

収録アルバム

佐々木幸男

曲名 収録作品 発売日 規格品番
セプテンバー・バレンタイン 『One On One』 1979年10月25日 DSF-5015
『風を感じて』 1982年11月21日 DSF-4004
『佐々木幸男 ベスト』 2003年3月26日 KICS-2416
『ポプコン・マイ・リコメイド 佐々木幸男』 2006年12月21日 KICS-2495
『佐々木幸男 SUPER BEST』 2010年9月8日 CCCR-18
September Valentine 〜From London with Love〜 Jealousy 1990年12月10日[注釈 3] WMC3-3
1991年1月25日 WMC3-5

安部恭弘

曲名 収録作品 発売日 規格品番
セプテンバー・バレンタイン 『PASSAGE』 1994年10月21日 KICS-445
『LIVE!! POPCON HISTORY IV』 2006年12月13日 YCCU-10019
『I LOVE YOU -25th Anniversary of Yasuhiro Abe』 2007年12月12日 DDCZ-9018

カバー

曲名 アーティスト 収録作品 発売日 規格品番 備考
セプテンバー・バレンタイン 東北新幹線[注釈 1] 『THRU TRAFFIC』[注釈 4] 1982年6月25日 28PL-34 アレンジ:東北新幹線
「September Vallentine」表記
EPO THE BALLADS (バラード)』 1989年12月10日 32MD-1058 プロデュース:Danny Schogger
ストリング・アレンジ:Karl Jenkins

EPOのカバーも、楽曲の良さと編曲、ボーカルが見事に噛み合った名曲と評価されている[10]

脚注

注釈

  1. ^ a b 山川恵津子鳴海寛による1981年に結成された音楽ユニット[5]。2人は八神純子のバックバンド「メルティングポット」のメンバーだった[5]。鳴海寛は、1980年代後半には山下達郎のツアーにギタリストとして参加し、1990年代には「frasco」というユニットで活動したが[6]2015年に亡くなった[5]
  2. ^ ちなみに、佐々木幸男のシングル「セプテンバー・バレンタイン」の2年前の1976年に発売された梓みちよの「メランコリー」に、セプテンバーバレンタインの風習に似たような内容のくだりも見られる[7]
  3. ^ 北海道先行限定発売[9]
  4. ^ 後藤次利高水健司山木秀夫浜口茂外也らがアルバム制作に参加している[6]

出典

  1. ^ 安部恭弘/PASSAGE【移籍第1弾】”. 紀伊國屋書店ウェブストア. 紀伊國屋書店. 2022年12月17日閲覧。
  2. ^ a b c 「〈Part 1〉フィーチャリング・アーティスツ――安部恭弘」(木村 2020, pp. 72–75)
  3. ^ ポプコン 2017
  4. ^ バラード 1993
  5. ^ a b c 東北新幹線と八神純子、山下達郎、竹内まりやの意外なストーリー”. 日刊SPA!. 扶桑社 (2020年10月1日). 2022年12月17日閲覧。
  6. ^ a b 「〈Part 4〉 1980-1982――東北新幹線『Thru Traffic』」(木村 2020, p. 141)
  7. ^ a b c セプテンバーバレンタインの意味とは? 由来やルールを紹介”. マイナビ ウーマン. マイナビ (2022年6月22日). 2022年12月17日閲覧。
  8. ^ セプテンバーバレンタインの意味とは? 由来やルールを紹介(2ページ目)”. マイナビ ウーマン. マイナビ (2022年6月22日). 2022年12月17日閲覧。
  9. ^ 佐々木幸男 / ジェラシー [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2022年12月24日閲覧。
  10. ^ 「〈Part 2〉20世紀を代表するシンガー・ソングライター――EPO『THE BALLADS』」(長井 2013, p. 53)

参考資料

  • THE BALLADS』(ライナーノーツ)EPOミディ、1993年3月。MDCL-1058。  - 初盤は1989年12月
  • ポプコン バラード コレクション』(ライナーノーツ)Various Artists、ヤマハミュージックコミュニケーションズ、2017年5月。YCCU-10049。  – 初盤は2004年3月
  • 長井英治監修『日本の女性シンガー・ソングライター』シンコーミュージック・エンタテイメント〈ディスク・コレクション〉、2013年4月。ISBN 978-4401638048 
  • 木村ユタカ監修『ジャパニーズ・シティ・ポップ』(増補改訂版)シンコーミュージック・エンタテイメント〈ディスク・コレクション〉、2020年2月。ISBN 978-4401648771 

関連項目

外部リンク