フロンティヌスの最大の著作は2巻の『水道書』 De aquaeductu で、ローマ水道の現状を皇帝に報告した公式文書である。ローマの水供給の歴史と詳細が記されており、水道の利用と保守に関連する規則も含んでいる。全てのローマ水道の歴史が、水路の大きさや水量の詳細を含めて記されており、アッピア水道、アルシエティナ水道、テプラ水道、新アニオ水道、ヴィルゴ水道、クラウディア水道、トライアーナ水道などを扱っている。また、それぞれの水質についても、主に水源が川か湖か泉かという点から記述している。
水道長官となって最初に行ったことは水道の地図を作ることで、それによって保守を行う前にそれらの状態を評価できるようにした。彼は水道の多くが軽視され、能力を最大限に発揮していなかったと述べている。中でも農夫や商人が不法に水道を流用することを特に心配した。誰でも水路に管を挿し込んで水を無断で利用することが可能だったためである。そこで彼は、取水口での取水量と各地への供給量を几帳面に調べ上げ、不一致がないかを調査した。フロンティヌスはウィトルウィウスの前世紀の著作『建築について』 (De Architectura) をよく知っていた。『建築について』には用水路建設とその保守についても記述があり、フロンティヌスは自らを「配管工」だとしたこともある。
フロンティヌスは、リンゼイ・デイヴィスの《密偵ファルコ》シリーズという古代ローマを舞台としたミステリーに登場している。他にもアマンダ・コックレルがダミオン・ハンター名義で書いた The Centurions という三部作の小説にもフロンティヌスが登場している。
脚注・出典
^Paper by Rogier van der Wal (Amsterdam) to the 2010 Classical Association Conference, Cardiff
参考文献
Herschel, C, The Two Books on The Water Supply of the City of Rome of Frontinus, (trans with explanatory chapters) New England Water Works Association (1973).
Ashby, Thomas., The Aqueducts of Rome, Oxford, 1934.
Hodge, A.T. (2001). Roman Aqueducts & Water Supply, 2nd ed. London: Duckworth.