ズザナ 155mm自走榴弾砲
ズザナ 155mm自走榴弾砲(スロバキア語:155 mm samohybná kanónová húfnica vz. 2000 Zuzana)は、スロバキアの自走榴弾砲である。ダナ 152mm自走榴弾砲をベースにZTS社(現KONSTRUKTA-Defence社)によって開発された。 開発チェコスロバキアには1981年からダナ 152mm自走榴弾砲が配備されていた。1990年のビロード革命後もスロバキア陸軍にはダナが配備され続けたが、東欧革命後の政治変動でスロバキア政府はNATO寄りの立場をとり、最終的にはNATO加盟も希望するようになった。こうした中、軍内部でも武装を西側基準に改正する動きが見られ、最終的に自走榴弾砲もNATO標準の155mm口径に変更することが決定し、1997年にダナ改造の155mm自走榴弾砲8両が発注された。 構造車体の基本的な構造は、ダナ 152mm自走榴弾砲とほぼ同じである。ベース車両には、ダナと同じタトラ815VP31 29265 8X8トラックが用いられ、小火器や砲弾片に耐えられる装甲を有するNBC防御能力付き密閉車体が搭載されている。タイヤには空気圧調節機能があり、ある程度のオフロード走行能力を有する。 ダナとの大きな違いは搭載する榴弾砲にあり、ズザナは新開発の45口径155 mm榴弾砲を搭載する。ベースブリード弾では39.6 kmの射程を有する。砲塔にはラマー式の自動装填装置を有しており、最大で毎分6発、持続射撃時には毎分1発の射撃が可能である。搭載する155mm 砲弾は60発で、榴弾の他成形炸薬弾も用意されており、ある程度の対戦車攻撃も可能である。ただし砲塔の旋回は、全周旋回が可能であったダナと異なり、ズザナでは左右60度の限定旋回になっている。 運用ズザナはスロバキア陸軍にズザナ2000の名で採用され16両が配備された他、国際市場にも売り込まれてギリシャ陸軍が少数採用した。その後、スロバキア製のT-72にズザナの砲塔を搭載したT-72M1自走砲も開発され、ギリシャ陸軍、キプロス陸軍が採用している。 2009年には榴弾砲を新開発した52口径砲に更新した上で砲塔の全周周回を可能とし、その他に新型装甲キャブの採用や自動化による乗員数の削減(4名→3名)といった改良を加えたズサナ2がスロバキア陸軍の試験に合格した。スロバキア陸軍は25両を発注しており、2021年から2022年にかけて引き渡される予定である。 2022年6月3日、スロバキアはズザナ2をウクライナに18輌売却すると発表し、同年8月13日には最初の4両の引き渡しが行われたと発表した。また、8輌の供与も行われている。 派生型
脚注
参考文献
外部リンク |