スペイン狭軌鉄道
FEVEのディーゼルカー
事業分野
スペイン国内にある狭軌の鉄道の運営 その後
事業終了 前身
EFE (Explotación de Ferrocarriles por el Estado) 後継
アディフ (鉄道施設)レンフェ・オペラドーラ (車両など) 設立
1965年 1972年(政府所有の商業的な会社として) 解散
2012年12月31日 本社
リエルガネス駅に停車中の客車列車
サンタンデール - リエルガネス間を走る電車
スペイン狭軌鉄道 (スペインきょうきてつどう、スペイン語 : Fe rrocarriles de V ía E strecha[ 1] )は、 2012年まで存在したスペイン の国営 鉄道事業者 。略称はFEVE 。スペインのメーターゲージ路線の大部分に当たる1,250kmの路線を保有していた。
歴史
倒産した民間鉄道を引き継ぎ、1926年からは政府経営のEFE (Explotación de Ferrocarriles por el Estado)が運行されていたが、EFEに代わる組織として1965年にFEVEが設立された。1941年にはレンフェ (スペイン国鉄)が設立されており、やがてスペイン国内の全ての広軌鉄道がレンフェの所有となると、EFEは狭軌線のみを運営する組織となった。FEVEは政府所有の商業的な会社として1972年に設立された。
FEVEは既存の事業者が利益を上げる事の出来なかった標準軌線(軌間 1,435mm[ 2] )及び狭軌線(1,067mm[ 3] , 1,000mm, 914mm, 750mm)を吸収し続け、その多くは軌間1,000mmに変更された。しかしながら、スペイン1978年憲法 下での地方分権により、FEVEも事業の一部を新たに出来た自治州 に移管し始めた。1978年に一部がカタルーニャ州 に移管されてカタルーニャ公営鉄道 (FGC)となり、1979年に一部がバスク州 に移管されてバスク鉄道 となり、1986年に一部がバレンシア州 に移管されてバレンシア公営鉄道 (FGV)となり、1994年に一部がバレアレス諸島州 に移管されてマヨルカ鉄道 となった。ムルシア州 の狭軌鉄道ネットワークはFEVEの制御下に残った。前述のEFEはマドリード で郊外路線を運行していたが、この路線はメトロ・マドリード の10号線となった。
2012年12月31日、FEVEの狭軌ネットワークとレンフェ の広軌ネットワークが合併され、FEVEという企業は消滅した。インフラは国営のアディフ に移管され、車両はレンフェ・オペラドーラ に移管された。狭軌ネットワークの運行は再編成後に同じ条件下で続けられている[ 4] 。
FEVEの路線網
2012年以前にFEVEが運営していた狭軌線の多くは、スペイン北西端のガリシア州 からアストゥリアス州 、カンタブリア州 を経てバスク州 まで続き、大西洋 のビスケー湾 の海岸線の周辺に位置していた。これらは他の地域のより孤立した路線と異なり、FEVEが統合的に管理していたため、大きくて重要な交通システムを構成していた。FEVEが保有していた1,194kmの路線のうち、316kmが電化されていた。
トランスカンタブリコ線
FEVEによって運行されていた排他的な観光路線として、延長650kmのトランスカンタブリコ線があった。この路線はエスパーニャ・ベルデ の海岸線に沿って、バスク州 サン・セバスティアン 、バスク州ビルバオ 、カンタブリア州 サンタンデール 、アストゥリアス州 オビエド 、ガリシア州 フェロル 、カスティーリャ・イ・レオン州 レオン を結び、1982年に全通した。列車は休日運行を行い、車両には寝台個室、ラウンジ、レストランが備わっていた。総所要日数は7泊8日である。トランスカンタブリコ線では、フェロルからアンダイエ (フランス)までの区間で部分的に一般的な地域輸送も行っており、その一部はバスク鉄道 などの地域事業者が運営していた。非観光路線でもっとも距離が長いFEVEの定期列車は、レオンとビルバオの間を約7時間で結んでいた。
通勤輸送
FEVEはセルカニアス と呼ばれる通勤電車を運行していた。FEVEの主要な通勤地区はアストゥリアス地方であり、FEVEの5路線が密集するアストゥリアス地方では、FEVEの路線とレンフェの路線が完全に統合され、地域のメトロシステムとして効果的に機能していた。ビルバオ近郊では、ビルバオのコンコルディア駅からビスカヤ県西部のバルマセダ までの路線を運行しており、バスルト 、ソドゥペ 、アラングレン 、サリャ などの町や、ビスカヤ県の小規模な村や集落を通っていた。
貨物輸送
FEVEは年間約4億6,000万トンの貨物を輸送しており、事業の大部分を占めていた。多くの産業に欠かせない鉄、鋼、石炭を輸送していた。
FEVEの路線を引き継いだ事業者
脚注
関連項目
外部リンク