ザ・ヒース・ブラザーズ とカリフォルニア大学バークレー校のスプロール・プラザにて(1980年5月)
スタンリー・カウエル (Stanley Cowell 、1941年 5月5日 - 2020年 12月17日 )は、アメリカ のジャズ ・ピアニストであり、ストラタ・イースト・レコード の共同創設者。
略歴
生い立ち
カウエルはオハイオ州 トレド で生まれた[ 1] 。4歳頃にピアノ を弾き始め、6歳でアート・テイタム に出会った後、ジャズ に興味を持つようになった[ 2] 。テイタムは家族付き合いのある友人だった[ 1] 。
高校卒業後、オーバリン大学 で学び、ミシガン大学 でクラシック・ピアノの学位を取得した。大学在学中、彼はジャズのマルチ・インストゥルメンタリスト、ローランド・カーク と共演し、それがピアニストの形成に役立った[ 1] 。彼は1960年代半ば、ニューヨークへと引っ越した[ 1] 。
その後の人生とキャリア
カウエルはマリオン・ブラウン 、マックス・ローチ 、ボビー・ハッチャーソン 、クリフォード・ジョーダン 、ハロルド・ランド 、ソニー・ロリンズ 、スタン・ゲッツ と共演した[ 3] 。カウエルは、1965年から1966年にかけてデトロイト・アーティスツ・ワークショップ・ジャズ・アンサンブルでトランペッターのチャールズ・ムーアらと共演した。
1971年、カウエルはトランペッターのチャールズ・トリヴァー と共にレコード・レーベル、ストラタ・イースト を共同で設立した。このレーベルは、当時最も成功した黒人主導のインディペンデント・レーベルの1つとなった[ 4] 。
1980年代後半、カウエルはJ・J・ジョンソン が率いるレギュラー・カルテットの一員を務めた[ 5] 。カウエルは、ニュージャージー州 にあるラトガース大学 のメイソン・グロス・スクール・オブ・アートの音楽科で教鞭をとっていた。
2020年12月17日、カウエルはデラウェア州 ドーバー のベイヘルス病院で循環血液量減少性ショック により死亡した。79歳だった[ 6] 。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
『ブルース・フォー・ザ・ヴェトコン』 - Blues for the Viet Cong (1969年、Freedom)
『ブリリアント・サークルズ』 - Brilliant Circles (1969年、Freedom)
『幻想組曲』 - Illusion Suite (1972年、ECM)
『ハンドスケイプス』 - Handscapes (1972年、Strata-East) ※ピアノ・クワイアー名義
『ムサ』 - Musa: Ancestral Streams (1973年、Strata-East)
『ハンドスケイプスII』 - Handscapes 2 (1974年、Strata-East) ※ピアノ・クワイアー名義
『リジェネレーション』 - Regeneration (1975年、Strata-East)
『ウェイティング・フォー・ザ・モーメント』 - Waiting for the Moment (1977年、Galaxy)
Talkin' 'bout Love (1978年、Galaxy)
『エクイポイズ』 - Equipoise (1978年、Galaxy)
『ニュー・ワールド』 - New World (1981年、Galaxy)
Such Great Friends (1983年、Strata-East) ※with ビリー・ハーパー 、レジー・ワークマン 、ビリー・ハート
Live at Cafe Des Copains (1985年、Unisson)
『ウィー・スリー』 - We Three (1987年、DIW) ※with フレデリック・ウェイツ 、バスター・ウィリアムス
『バック・トゥ・ザ・ビューティフル』 - Back to the Beautiful (1989年、Concord Jazz)
『シエナ』 - Sienna (1989年、SteepleChase)
『クロース・トゥ・ユー・アローン』 - Close to You Alone (1990年、DIW)
『枯葉』 - Live at Maybeck Recital Hall, Volume Five (1990年、Concord Jazz) ※旧邦題『ライヴ・アット・メイベック』
『デパーチャー#2』 - Departure No. 2 (1990年、SteepleChase)
Games (1991年、SteepleChase)
『ブライト・パッション』 - Bright Passion (1993年、SteepleChase) ※旧邦題『ラウンド・ミッドナイト』
『ソロ・ピアノ〜イマジン』 - Angel Eyes (1993年、SteepleChase)
『ライヴ』 - Live at Copenhagen Jazz House (1993年、SteepleChase)
Setup (1993年、SteepleChase)
『マンダラ・ブロッサムズ』 - Mandara Blossoms (1995年、SteepleChase)
Hear Me One (1996年、SteepleChase)
『恋のダンサー』 - Dancers in Love (1999年、Venus)
Death Is the Communion (2007年、3D)
Prayer for Peace (2010年、SteepleChase)
It's Time (2012年、SteepleChase)
Welcome to This New World (2013年、SteepleChase)
Are You Real? (2014年、SteepleChase)
Reminiscent (2015年、SteepleChase)
『JUNETEENTH』 - Juneteenth (2015年、Vision Fugitive)
No Illusions (2017年、SteepleChase)
At Keystone Korner, Baltimore (2020年、SteepleChase)
脚注
^ a b c d Collar, Matt. “Stanley Cowell ”. AllMusic . June 6, 2018 閲覧。
^ Cook, Richard; Morton, Brian (2002). The Penguin Guide to Jazz on CD . London: Penguin Books. pp. 342–344
^ Fairweather, Digby; Ian Carr ; Brian Priestley (2004). The Rough Guide to Jazz . p. 286 . https://archive.org/details/roughguidetojazz00carr
^ Russonello, Giovanni (December 20, 2020). “Stanley Cowell, Jazz Pianist With a Wide Range, Dies at 79 ”. The New York Times . December 22, 2020 閲覧。 “Strata-East Records, a pioneering institution in jazz and the broader Black Arts Movement. It would release a steady run of pathbreaking music over the next decade, becoming one of the most successful Black-run labels of its time.”
^ Yanow, Scott (2000). Bebop . p. 92
^ Chinen, Nate (18 December 2020). “Stanley Cowell, Pianist, Composer and Educator with a Kaleidoscopic View of Jazz, Is Dead at 79 ”. WBGO . December 18, 2020 閲覧。
外部リンク