ジョン・健・ヌッツォ(ジョン・けん・ヌッツォ、本名: ジョン・ケン・ヌーゾー、John Ken Nuzzo )は、アメリカ国籍のテノール歌手。東京都出身。父はイタリア系アメリカ人、母は日本人。元東京音楽大学客員教授。元ICM NY所属。元アミューズ所属[1]。
略歴
東京都出身。南カリフォルニア・チャップマン大学音楽部声楽科卒業。
2000年に世界三大歌劇場の一つであるウィーン国立歌劇場でデビューし、新進歌手に贈られるオーストリア芸術新人大賞「エバーハルト・ヴェヒター・メダル」を受賞。ウィーン・フォルクスオーパーにてレナード・バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」、ザルツブルク音楽祭にアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー「カンダウレス王」、ジャック・オッフェンバック「ホフマン物語」で出演するなど、ヨーロッパでの歌手としての地位を確立する。その後、巨匠ジェームズ・レヴァインの招待によりメトロポリタン歌劇場にデビュー。その活動がTBS系TV番組「情熱大陸」にて放映され、日本国内で一躍脚光を浴びる。NHK大河ドラマ「新選組!」のテーマ曲を歌い、NHK紅白歌合戦に2度出場(後述)。天皇・皇后とローマ法皇に歌声を披露した経験をもつほか、MLBやサッカーの国際試合での国歌斉唱もつとめた。2008年、覚せい剤取締法違反の現行犯で警視庁荏原警察署に逮捕された[2]。翌2009年に懲役1年6か月、執行猶予3年の判決が出る。2010年に活動再開。
これまでエディタ・グルベローヴァ、アンジェラ・ゲオルギュー、レナート・ブルゾン、レオ・ヌッチ等と共演。ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、NHK交響楽団、東京交響楽団、札幌交響楽団、京都市交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団等、国内外のオーケストラへ客演。
2016年には、三大テノールの1人、プラシド・ドミンゴと歌劇「真珠とり」の二重唱や世界的ホルン奏者のラデク・バボラークとベンジャミン・ブリテンの珠玉の名作「テノール、ホルンと弦楽の為のセレナード」の共演に加え、ニューアルバム「イタリアン・アリア」を発売し全国10ヶ所のリサイタルツアーを実施。
2017年、NHKナゴヤニューイヤーコンサートやサントリーホールでジョアキーノ・ロッシーニ「荘厳ミサ曲」に出演、京都市交響楽団「バレンタイン・コンサート」とウィーン楽友協会「UTAU DAIKU」への再出演に加え、台湾と香港でデビュー果たし、アジアでの活動を広げる。その一方でロベルト・シューマン「詩人の恋」をリリースする等、ドイツ歌曲に取り組む。
2018年に、東京芸術劇場での歌劇「真珠とり」、軽井沢大賀ホール春の音楽祭のほか、オール・プッチーニのリサイタルツアーを実施。2019年、サントリーチェンバーミュージック・ガーデンで「美しき水車小屋の娘」のほか、日墺友好150周年記念イヤーに伴うウィーン公演やリサイタルツアーを行う。
年譜
主な受賞歴
受賞年
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コンクール
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受賞位
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1985年
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アリタリア 国際声楽コンクール
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第2位
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1992年
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ロサンゼルス・ヤングアーティスト声楽コンクール
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第1位
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1992年
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ロサンゼルス・オペラギルドコンクール ほか
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第1位
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1993年
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第9回日本声楽コンクール
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第1位
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1997年
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NATS「ロサンゼルス・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」
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第1位
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1998年
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国際ベルベデーレ・コンクール日本予選
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最高位
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2001年
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オーストリア芸術新人大賞「エバーハルト・ヴェヒター・メダル」
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受賞
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2002年
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第13回出光音楽賞受賞
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受賞
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ディスコグラフィ
アルバム
発売日
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タイトル
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レーベル
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2021年4月14日
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Die schöne Müllerin, Op.25, D.795<抜粋>
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フォンテック
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2020年10月7日
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NUZZO meets PUCCINI
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フォンテック
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2020年8月17日
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RARE LIVE TRACK 2020
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フォンテック(配信限定盤)
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2019年5月22日
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BEETHOVEN×SCHUBERT
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フォンテック
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2018年3月21日
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セレナータ
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フォンテック
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2017年3月8日
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シューマン:詩人の恋Op.48
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フォンテック
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2016年11月18日
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NUZZO JAZZ
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CVレーベル
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2016年5月11日
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イタリアン・アリア
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フォンテック
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2012年6月6日
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〜Le Grand Amour〜想いの届く日(古澤巌作品ゲスト出演)
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HATS
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2004年10月27日
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Tenorissimo〜テノリッシモ〜
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ユニバーサルミュージック
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2004年2月21日
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NHK大河ドラマ「新選組!」オリジナル・サウンドトラック
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ユニバーサルミュージック
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2003年6月11日
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Treasure Voice〜トレジャー・ボイス
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ユニバーサルミュージック
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DER RIESE VOM STEINFELD ウィーン国立歌劇場
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ORF
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ツェムリンスキー『カンダウレス王』 ザルツブルク音楽祭2002
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ANDANTE
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2004年3月8日
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ブリテン『ビリー・バッド』 ウィーン国立歌劇場
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ORFEO D'OR
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DVD
出演
CM 出演
- ハウス食品「六甲のおいしい水」(2005年)
- デルモンテ「パスタヴェローチェ」(声のみ)
NHK紅白歌合戦出場歴
- 注意点
主なTV出演番組
主なラジオ出演番組
声優
国歌斉唱
参考文献
- 黒柳徹子も惚れ込む歌声を披露!ジョン・健・ヌッツォ、52歳になった現在の美声&体調管理
- ジョン・健・ヌッツォの健康法は1日2~3リットルの水と、本番2日前の・・・MASACA!
- 毎日新聞「ジャズへの強い思い」インタビュー
- exciteニュース 初のジャズ・アルバムに「夢叶った!
- 準主役でメトデビュー よみタイムvol.25
- メトロポリタン・オペラ千秋楽 よみタイムvol.64
- メジャーのオペラで主役獲得 よみタイム vol.76
- 2005年ザルツブルグ音楽祭演目
- 方丈記800年記念「古典の日・世界遺産コンサート」 レポート
- りゅーとぴあマガジン インタビュー 情熱的でパワフルなリサイタルを
- フィリアホールインタビュー 日常を越えて身体に響く“歌”
- サントリーチャンネル チェンバーミュージックガーデン2016インタビュー
- ばんだい高原国際音楽祭を10倍楽しもう! メンバーズ・インタビュー
- デーリー東北 名曲オペラの夕べ 圧巻、会場一つに ヌッツォさんら観客魅了
- 福島民報社 迫力の歌声響く ジョン・健・ヌッツォさんコンサート
- TEDxTOKYO
- テノリッシモ 福山雅治ジャケット写真撮影
- 出光音楽賞歴代受賞者
- 東京音楽大学社会人特別講義
脚注
- ^ “AMUSE”. web.archive.org. 2021年4月9日閲覧。
- ^ a b 奇行数々…紅白2度出場ヌッツォが覚せい剤 スポーツニッポン新聞社、2008年12月2日
外部リンク