ジョン・ウォーターズ

ジョン・ウォーターズ
John Waters
John Waters
2014年
本名 John Samuel Waters Jr.
生年月日 (1946-04-22) 1946年4月22日(78歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカメリーランド州
ジャンル 映画監督
脚本家
俳優
活動期間 1964年 -
主な作品
ピンク・フラミンゴ
ポリエステル
ヘアスプレー
クライ・ベイビー
シリアル・ママ
I love ペッカー
セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ
受賞
ロカルノ国際映画祭
名誉金豹賞

2019年
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ジョン・ウォーターズ(John Waters, 1946年4月22日[1] - )は、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア出身の映画監督脚本家。過激で下品なコメディで知られており、著作も通して「バッド・テイスト(悪趣味)」文化に大きな影響を与えた。トレードマークのヒゲは付け髭である。

来歴

生い立ち

アメリカのメリーランド州ボルチモアに生まれる。カトリックの敬虔な家庭で育つが、ゲイであり、10代のころから問題児として知られ、自宅の車庫をお化け屋敷に改造して小遣いを稼いでいた。

17歳のとき祖母から8ミリカメラをプレゼントされたのがきっかけで映画製作を始める[2]ニューヨーク大学の映画学科に進むが、マリファナ所持で放校処分となり帰省する。

「ドリームランダース」という奇人仲間たちと一緒に、1964年の『黒の革ジャケットの女』から本格的に映画製作を開始し、1970年ディヴァイン主演の『モンド・トラッショ』がカルト的な人気を呼ぶ。その後、女装の怪優ディヴァインを使って『マルチプル・マニアックス』(1970年)や『ピンク・フラミンゴ』(1972年)を発表。特に後者は大成功を収めてカルトムービーブームの火付け役となった。

劇場用映画への進出

1981年の『ポリエステル』からは、劇場用映画への進出をとげる。『ヘアスプレー』(1988年)と『クライ・ベイビー』(1990年)はメジャーで製作した、過去を舞台にした比較的穏当でノスタルジックな映画であり、一般の映画ファンの支持も得た[3]

1994年の『シリアル・ママ』以降のウォーターズは過激な作風に戻った。1998年の『I love ペッカー』は自伝的な要素を持つ作品である。また、2000年の『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』は、個人的にはアート映画愛好家であるウォーターズが当時の映画界のシステムへの怒りを表したものである。

人物

著書では「裁判傍聴が趣味」「殺人犯が書いた絵を集めている」などと個人的な趣味について書いており、こういった嗜好は多くの追随者を呼んだ。メリーランド州の刑務所では囚人たちに講義をし、自作を上映したこともある。

自身の恥ずかしい趣味としてアート映画好きを挙げ、次のような作品や人物を好きな映画(映画監督)として挙げている。

ファンレターはボルチモアにあるAtomic Booksという書店を介して送ることができる。ただし、ウォーターズが定期的に本屋に寄って、集まったファンレターを受け取るという形であるため、ウォーターズが絶対に受け取るという保証はできないという[4]

2015年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生に向けて行ったスピーチが全米で大きな話題となった。スピーチ全文が収録された『Make Trouble』が2017年に刊行され(邦題:『厄介者のススメ ジョン・ウォーターズの贈る言葉』フィルムアート社、2022年)、同タイトルのアルバムもリリースされている。

監督作品

出演作品

著書

  • Waters, John (1981). Shock Value. New York: Dell Pub. Co.. ISBN 044057871X 
  • Waters, John (2003) [1987]. Crackpot: The Obsessions of John Waters. New York: Scribner. ISBN 0026244403 
  • Waters, John; Hainley, Bruce (2003). Art: A Sex Book. New York: Thames & Hudson. ISBN 0500284350 
  • Waters, John (2010). Role Models. New York: Farrar, Straus and Giroux. ISBN 9780374251475 
  • Waters, John (2014). Carsick: John Waters Hitchhikes Across America. New York: Farrar, Straus and Giroux. ISBN 0374298637 
  • Waters, John (2017). Make Trouble. Algonquin Books. ISBN 1616206357 
  • Waters, John (2019). Mr. Know-It-All: The Tarnished Wisdom of a Filth Elder. Farrar, Straus and Giroux. ISBN 0374214964 
小説
  • Waters, John (2022). Liarmouth: A Feel-Bad Romance. Farrar, Straus and Giroux. ISBN 0374185727 
脚本
  • Waters, John (1988). Trash Trio: Three Screenplays: Pink Flamingos, Desperate Living, Flamingos Forever. New York: Vintage Books. ISBN 0394759869 
  • Waters, John (2005). Hairspray, Female Trouble and Multiple Maniacs: Three More Screenplays. New York: Thunder's Mouth Press. ISBN 1560257024 
写真集
  • Waters, John (1997). Director's Cut. New York: Scalo. ISBN 393114156X 
  • Waters, John (2006). Unwatchable. New York: Marianne Boesky Gallery. ISBN 0977950301 

和訳著書

  • 『クラックポット ジョン・ウォーターズの偏愛エッセイ』(1991年、徳間書店、訳:伊藤典夫)Crackpot: The Obsessions of John Waters
  • 『悪趣味映画作法』(1997年、青土社、訳:柳下毅一郎。2004年『新装版』、2014年『新版』)Shock Value
  • 『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』(2022年、国書刊行会、訳:柳下毅一郎)Carsick: John Waters Hitchhikes Across America
  • 『厄介者のススメ ジョン・ウォーターズの贈る言葉』(2022年、フィルムアート社、訳:柳下毅一郎)Make Trouble

脚注

  1. ^ ジョン・ウォーターズ:プロフィール・作品情報・最新ニュース”. 映画.com. 2023年3月28日閲覧。
  2. ^ ジョン・ウォーターズ(John Waters)について 映画データベース”. allcinema. 2023年3月28日閲覧。
  3. ^ この2作でファンになった夫婦が、『ピンク・フラミンゴ』をレンタル・ショップで借りて観たところ、あまりに俗悪な内容だったためにウォーターズ作品の追放運動を始めたこともある(伊藤典夫 『クラックポット』訳者あとがき 267頁)。
  4. ^ John Waters Fan Mail”. Atomic Books. 2023年3月28日閲覧。

関連項目

外部リンク