ジェレミー・ブラウン(Jeremy Van Brown, 1979年10月25日 - )は、アメリカ合衆国アラバマ州バーミングハム出身の元野球選手(捕手)。
2003年に発売され、ベストセラーになったマイケル・ルイス著『マネー・ボール』(原題:Moneyball: The Art of Winning An Unfair Game、ISBN 4270000120)に於いて、オークランド・アスレチックスによるセイバーメトリクスを駆使したチーム編成の象徴的存在として取り上げられた[1]。
来歴・人物
アラバマ大学時代の2001年に、ドラフトでボストン・レッドソックスから19巡目で指名を受けたが、この時は契約せずに大学に残った。翌2002年には打率.320、11本塁打、64打点、出塁率.493を記録し、全米の大学で最も優れた捕手に贈られるジョニー・ベンチ賞を受賞した[1]。
2002年6月のドラフトで、オークランド・アスレチックスから1巡目補完(全体35位)で指名を受ける。多くのスカウトから「太りすぎで使い物にならない」と酷評されていたブラウンを、アスレチックスが高順位で指名したのは、出塁率の高さに目を付けたビリー・ビーンGMの強い意向によるものだった。契約金は、指名順位からは破格の安さとなる35万ドルだった[2]。
2006年9月1日のボルチモア・オリオールズ戦でメジャーデビューし、5試合に出場。結果的に、メジャーでプレーしたのはこのシーズンのみであった。
2008年2月15日、「個人的な理由」により現役引退を表明[3]。プロでの成績だけを見れば、平凡な野球選手に過ぎなかったブラウンだが、『マネー・ボール』で旧来の野球観を打ち破る革命的存在として描かれていたため、その引退は大きく報じられ[4]、『マネー・ボール』理論の再検証も盛んになった[5]。親しい関係者によると、『マネー・ボール』によって大きな注目を集める選手になったブラウンは、それ故のプレッシャーに悩まされていたという[1]。
『マネー・ボール』は2011年にブラッド・ピット主演で映画化され、ブラウンは終盤のわずかなシーンでホームランを打つ映像で登場するが、これは俳優による再現である[6]。
詳細情報
年度別打撃成績
背番号
脚注
外部リンク