ジェイソン・クラレンス・クライス(Jason Clarence Kreis、1972年12月29日 - )は、アメリカ合衆国・ネブラスカ州オマハ出身の元サッカー選手、サッカー指導者[1]。
選手時代
クライスは、故郷のネブラスカ州オマハにあるグラディエーター・サッカークラブでプレーしていた。その後、バーク高校の新入生として、クライスは全州選抜に選ばれた[2]。彼は選抜に選ばれた唯一の新入生であった。翌年、クライスと彼の家族はルイジアナ州マンデビルに移り、そこでマンデビル高校をいくつかのクラス5A州サッカートーナメントに導いたが、準々決勝でラファイエット高校に敗れた。
その後、1991年にノースカロライナ州ダーラムのデューク大学に進学した。
マイナーリーグ
1993年の夏の間、 USISLのローリー・フライヤーズでプレーした[3]。 1994年の夏には、ルイジアナに戻り、同じくUSISLのニューオーリンズ・リバーボートギャンブラーでプレー[4]。1995年の春にローリー・フライヤーズとの最初のプロ契約に署名した。
ダラス・バーン
1995年8月1日、メジャーリーグサッカーと契約を結び[5]、ドラフトの5巡目でダラス・バーンによって全体の43番目に指名された。彼はバーンの歴史の中で最初のゴールを決めた。 1999年、アメリカ生まれの選手として初のリーグMVPを獲得。リーグ史上初のシーズン15得点・15アシストも記録した。 オールスターには5回出場し、通算で5得点を挙げた。
2004年6月26日、D.C.ユナイテッド戦でリーグ通算89得点目を決め、ロイ・ラシターを抜いてリーグの通算得点数でトップに躍り出た。この記録はハイメ・モレノが2007年8月22日に記録を更新するまで、3年以上にわたり破られることは無かった。ダラス・バーンでは9シーズンを過ごし、合計91得点と65アシストで247ポイントを獲得し、プレーオフで4ゴールと2アシストを追加して終了した。出場試合数(247)・得点(91)・アシスト(65)・ポイント(247)はダラス史上最高の記録であり続けている。
レアル・ソルトレイク
2004年11月17日、翌年からMLSに加盟することが決まっていたレアル・ソルトレイクに移籍し、クラブの歴史の中で最初の選手となった。開幕2戦目のロサンゼルス・ギャラクシー戦でソルトレイクの歴史の最初のゴールを決めた[6]。これにより、2つの異なるチームでチームの歴史上初の得点を記録したリーグ史上初の選手となった[7]。
2005年8月13日、カンザスシティ・ウィザーズ戦でMLS史上初の通算100得点を達成した[8]。同じ1996年度にプロ入りした選手には、エリック・ウィナルダ、ブライアン・マクブライド、ジョー・マックス・ムーアなどストライカーがおり、特に危険なゴールスコアラーと見なされたことはなく、1999年に一度だけリーグ得点王であったクライスが達成したことは、予想外のものと見なされた[9]。
2006年、MLS拡張ドラフトが行われるにあたり、チームからプロテクトされず、その後ドラフトでトロントFCによって指名された。その後2006年11月17日にソルトレイクが再び買収し、その代わりにトロントに部分的な割り当て金を送金された[10][11]。
代表
通算で14試合に出場[12]。1996年8月30日に、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで行われたエルサルバドル戦で代表デビューを果たした[13]。1999年9月8日、キングストンでのジャマイカ戦で代表初ゴールを挙げた。これが代表唯一のゴールであった [14]。
指導者時代
レアル・ソルトレイク
2007年5月3日、現役を引退し、ジョン・エリンガーの後任としてレアル・ソルトレイクの監督に就任[15]。2008年にチームを初のプレーオフ出場に導き、2009年にはチームを初のMLSカップ優勝に導いた。その後も2013年までのすべてのシーズンでチームをプレーオフに導いた。2011年にはCONCACAFチャンピオンズリーグに出場。グループAを首位で通過し、トーナメントも決勝まで進出したが、CFモンテレイに合計で3–2で敗れ、優勝は逃した。
2011年、レアル・ソルトレイクはクライスの現役時代の背番号であった9番を永久欠番とした[16]。
2013年、レアル・ソルトレイクでの契約が終了し、延長のオファーがあったものの拒否した。
ニューヨーク・シティFC
2013年12月11日、2015年からMLSに参戦することが決まっていたニューヨーク・シティFCの初代監督に就任した[17]。チームはレギュラーシーズンで10勝17敗7分でイースタンカンファレンスで8位になり、2015MLSカッププレーオフに敗退した。その後、2015年11月2日に退任した[18]。
オーランドシティSC
2016年7月19日、エイドリアン・ヒースの後任としてオーランドシティSCの監督に就任した[1]。就任後最初の試合では、クラブを2か月ぶりの勝利に導いた[19]。2018年6月15日、監督を退任した[20]。
U-23アメリカ代表
2019年3月19日、U-23アメリカ代表の監督に就任した[21]。
フォート・ローダーデールCF
2020年2月15日、クライスはインテル・マイアミCFの下部組織であるUSLリーグ1のフォート・ローダーデールCFを指導した[22]。
インテル・マイアミ
2021年3月1日、インテル・マイアミCFのアシスタントコーチに就任した[23]。
脚注
- ^ a b DelGallo, Alicia (July 19, 2016). “Orlando City hires former NYCFC coach Jason Kreis”. Orlando Sentinel. http://www.orlandosentinel.com/sports/orlando-city-lions/os-orlando-city-hires-jason-kreis-20160719-story.html July 19, 2016閲覧。
- ^ NEBRASKA USA TODAY – Wednesday, June 8, 1988
- ^ Flyers top Dynamo 2–1 in a shootout The News & Observer – Wednesday, June 9, 1993
- ^ "KREIS LEADS GAMBLERS' ROUT, 5–1" Times-Picayune (New Orleans) – Saturday, July 9, 1994
- ^ "Flyers' Kreis signs deal with Major League Soccer" The News & Observer Wednesday, August 2, 1995
- ^ Edward, James (April 10, 2005). “Donovan shoots L.A. Galaxy over Real S.L.”. Deseret News. http://www.deseretnews.com/article/600125221/Donovan-shoots-LA-Galaxy-over-Real-SL.html?pg=all July 12, 2016閲覧。
- ^ “Storylines | City vs. Real Salt Lake” (英語). Orlando City Soccer Club. (2017年6月30日). https://www.orlandocitysc.com/post/2017/06/30/storylines-city-vs-real-salt-lake 2017年9月10日閲覧. "Kreis scored the first goal in RSL history – and became the first player to score the first goal for two clubs, having scored Dallas' first goal in 1996..."
- ^ Black, Michael (August 14, 2005). “Real notes: Hitting century mark a Real big deal for Kreis”. Deseret News. http://www.deseretnews.com/article/600155819/Hitting-century-mark-a-Real-big-deal-for-Kreis.html?pg=all July 12, 2016閲覧。
- ^ Connolly, Marc (August 14, 2005). “Kreis, the unexpected record holder”. MLSnet.com. オリジナルのMay 20, 2007時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070520081320/http://www.mlsnet.com/news/mls_news.jsp?ymd=20050814&content_id=39889&vkey=news_mls&fext=.jsp July 12, 2016閲覧。
- ^ "Real Salt Lake reacquires rights to captain Jason Kreis" (Press release). Real Salt Lake. 17 November 2006. 2007年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月11日閲覧。
- ^ “MLS all-time scoring leader Kreis chosen by Toronto”. Associated Press. ESPN. (November 17, 2006). http://espn.go.com/espn/wire?section=soccer&id=2666395 July 12, 2016閲覧。
- ^ Lodes, Kirk J. (2008). The American Soccer Guide. Mobile, Alabama: Infosential Press. p. 70. ISBN 9781930852099. OCLC 213482683. https://books.google.com/books?id=IEtLjtqaCTgC July 12, 2016閲覧。
- ^ “International Friendly: USA 3, El Salvador 1 (Aug. 30)”. Soccer America. (August 31, 1996). http://www.socceramerica.com/article/16235/international-friendly-usa-3-el-salvador-1-aug.html July 12, 2016閲覧。
- ^ “Late goal gives U.S. tie with Jamaica”. Sports Illustrated. (September 9, 1999). オリジナルのNovember 2, 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121102232204/http://sportsillustrated.cnn.com/soccer/news/1999/09/08/us_jamaica_ap/ July 12, 2016閲覧。
- ^ Real Salt Lake captain Jason Kreis retires, named head coach Archived May 29, 2007, at the Wayback Machine.
- ^ Davis (March 25, 2011). “Real Salt Lake extend Kreis' contract through '13”. MLSSoccer.com. April 24, 2011閲覧。
- ^ “Jason Kreis named as Head Coach”. nycfc.com. (December 11, 2013). http://www.nycfc.com/News/Latest-News/2013/December/Head-Coach? December 11, 2013閲覧。
- ^ “New York City part ways with head coach Jason Kreis”. mlssoccer.com. (November 2, 2015). http://www.mlssoccer.com/post/2015/11/02/new-york-city-fc-part-ways-head-coach-jason-kreis-after-missing-playoffs-inaugural November 2, 2015閲覧。
- ^ Diaz (July 31, 2016). “Orlando City finds love with Jason Kreis in first game”. Orlando Sentinel. Tronc. May 7, 2018閲覧。
- ^ “Orlando City SC Agrees to Part Ways with Head Coach Jason Kreis”. OurSportsCentral.com (June 15, 2018). 2018年6月15日閲覧。
- ^ “Jason Kreis Named Head Coach of U-23 MNT”. USSoccer.com (March 19, 2019). 2019年3月19日閲覧。
- ^ Liljenwall (February 15, 2020). “Inter Miami CF hire Jason Kreis to coach USL League One side Fort Lauderdale CF”. MLS Official Website. March 2, 2021閲覧。
- ^ “Inter Miami CF announce staff for new head coach Phil Neville”. MLS Official Website (March 1, 2021). March 2, 2021閲覧。