シャコバサボテン
シャコバサボテン(蝦蛄葉仙人掌)学名(Schlumbergera truncata (Haw.) Moran, 1953)とは、サボテン科スクルンベルゲラ属[1](シュルンベルゲラ属とも呼ぶ)に属する森林性樹上着生生活をするサボテンの一種である。ブラジルリオデジャネイロ州のオルガン山脈などの高山を原産とするサボテンで、冬場(北半球ではクリスマスの時期)に開花することから「クリスマス・カクタス」と海外では呼ばれる。 短日性植物で一日の日照時間が短くなってくると蕾を形成することが知られている。シャコバサボテンの種内交配園芸品種も昭和期には日本に多数存在していたが、現在はほとんどが失われてしまった。茎の節ごとに一対の突起が隆起しており、これがシャコの身体を彷彿とさせることからこの名が付いた。現在は、この原種を基にした雑種群に慣用的に「シャコバサボテン」と呼ぶことが多い。 また、本種を使用して発展した現在主流の雑種群は、商品名として「デンマーク・カクタス」として普及している[2]。 形態多肉質で縁にぎざぎざがある小判型の形状をした葉茎節がいくつも連なった形状をしており、幾又にも枝分かれする。その枝先に花をつける。現在の様々な園芸品種群の花色は赤色、ピンク、桃色、朱色、黄色(低温下で開花させると濁った橙色に花色が変わる性質を持つ)、白色(低温下で開花させると薄い桃色に花色が変わる性質を持ち、白く咲いても雌蕊は赤紫色をしている)、アルビノ性の純白色品種(温度に関係なく純白の花を咲かせ、雌蕊が黄色いところで前述の白花品種とは区別できる)など多彩である。開花期は10月頃から1月頃にかけてが中心であり、花は7cmほどの大きさ。商業鉢物として広く普及してきたが、落蕾と言い、蕾がポロポロと取れてしまう欠点がある。蕾が未成熟の時に移動させると落蕾しやすいので、ある程度蕾が大きくなってから株を移動させないとならない。
短日植物短日植物で園芸植物としては開花を促すために短日処理を行う(シャコバサボテンの場合、管理温度10-15°C、必要処理日数25-30日、開花到達日数50-60日)[3]。 原種現在の様々な園芸品種群は以下の種(しゅ)が元になっている。
保全状況評価スクルンベルゲラ属自体はワシントン条約附属書II類に掲載されており、取引が規制されている。ただし、「Schlumbergera truncata(スクルンベルゲラ・トルンカタ)の栽培品種」および「スクルンベルゲラ・トルンカタ)の交配種」は除外されており、ワシントン条約の適用を受けない[6]。 IUCNレッドリストにおいて、ブラジルのリオデジャネイロ州に自生する S. russelliana は生育地喪失等の理由から絶滅危惧種(Endangered)[7]、ほぼ同じ地域に分布する S. truncata は違法採取や生育地が都市に近い場所であることによる悪影響から危急種(Vulnerable)と評価されている[8]。 脚注
関連項目外部リンク
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