シェルター・レコード

  • シェルター・レコード
  • Shelter Records
設立1969年 (56年前) (1969)
設立者レオン・ラッセル、デニー・コーデル
解散1981年 44年前 (1981)
現況閉鎖
販売元ブルー・サム・レコードキャピトル・レコード
ジャンル多様なジャンル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
本社所在地オクラホマ州タルサロサンゼルス

シェルター・レコード (: Shelter Records)は、レオン・ラッセルとレコード・プロデューサーのデニー・コーデルが設立したアメリカ合衆国レコードレーベルで、1969年から1981年まで存在した。

概要

シェルターはロサンゼルスとラッセルの故郷オクラホマ州タルサの2箇所に事務所を開設し、教会を改装したレコーディング・スタジオとスタジオを利用するアーティストのための住居やその他設備を用意して「ワークショップの雰囲気」を押し出すことを試みた[1]。タルサのレコーディング・スタジオ、チャーチ・スタジオは歴史的建造物の教会を使用していた。

ラッセルは1976年までシェルターに在籍している[2]。彼はシェルターを離れたあと、自身のレーベル、パラダイス・レコードを設立したが、その後はコーデルがシェルターの単独の所有者となった[3]

シェルター・レコードの商標は、チャーチ・スタジオのテレサ・ノックスが所有している。

同レーベルは、ラッセルの他にタルサ・サウンドのアーティスト、J・J・ケイル、ドゥワイト・トゥイリー・バンド、ギャップ・バンドをはじめ、アラン・ガーバー、(ジェシー・ウルフ・アンド・ウィングスの)ジェシー・バリッシュ、ドン・ニックスフレディ・キングトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズフィービ・スノウ、リチャード・トーランス・アンド・ユーリカ、ウィリス・アラン・ラムジー、グリース・バンドといったアーティストたちと契約をした[4]

シェルター・レコードはまた、レゲエ・アーティストのボブ・マーリーのアメリカにおける最初のシングル、「Duppy Conqueror」をリリースしている[5][6]

配給の歴史

シェルター・レコードは当初ブルー・サム・レコードによって配給されていたものの、その後1970年から1973年の間、キャピトル・レコード/EMIが配給を担当した。その間、レーベルのロゴは赤地に反転したスーパーマンのロゴが付いた卵があしらわれていた。このロゴをDCコミックスが問題とし、商標権侵害でシェルターを訴えた[7]。シェルターはキャピトル/EMIとの配給契約が終了するまでの期間は、スーパーマンのロゴの部分を黒いバーで塗りつぶす措置を取った。その後は、シェルターのロゴは卵に手描きで"S"の文字が描かれたものが使われるようになっている。

1974年から1975年まで、シェルターは黄色のレーベルと新しいロゴを使い、MCAレコードが配給した。その後1975年から1977年は、配給はABCレコードに移っている。ここでは当初は黄色のレーベル、続いて土星の形をした輪の中にシェルターの卵があしらわれたロゴを配した赤みがかったオレンジ色のレーベルが使われた。このレーベルの下部には擬人化した三日月のイラストが添えられた。

1977年にシェルターの配給は主にドゥワイト・トゥイリー・バンドのためにアリスタに移管されるが、トム・ペティとJ・J・ケイルについてはABCが引き続き権利を留保した。シェルターはABCがMCAに売却された1979年まで活動を続けた。MCAはシェルター名義でもう一枚J・J・ケイルのアルバムをリリースしたが、その後はABCが権利を保有していたシェルターの音源はMCA傘下のバックストリート・レコードからリリースされるようになった。

シェルターとアリスタの契約は1981年に終了し、これによりシェルター・レコードは終焉を迎えた。その後間もなく、シェルター音源はのちにDCCとして知られることとなるダンヒル・コンパクト・クラシックスに買収され、そこからいくつかのLPおよびコンピレーションが再発されている。DCCはレコーディング・エンジニアのスティーヴ・ホフマンがリマスターを行ない他のレーベル音源のコンピレーションCDを主に発売したが、その後倒産した。

1991年、シェルターの音楽出版物はロンドー・ミュージックに売却された[8]。1993年、シェルターの音源はキャピトル・レコード/EMIに買収され、傘下のライト・スタッフが多くの作品を再発したが、トム・ペティとJ・J・ケイルのアルバムはこの中には入らなかった。これは、トム・ペティのシェルターのアルバムの権利がペティの財産管理団体の管理下にあり、ワーナー・ミュージック・グループが所有するライノによって配給されていたこと、またペティが以前所属していたリプリーズ・レコードとJ・J・ケイルのシェルターのアルバムについてはMCAの後継会社のユニバーサル ミュージック グループの管理下にあったことによるものであった[9][10]

英国では、1970年代末にはアイランド・レコードがシェルターの作品を配給していた[11][12]

リリース作品[13]

1970年

1971年

1972年

  • Jim Horn - 『Through the Eye』 (SW 8906)
  • Jesse, Wolff & Wings - 『Jesse, Wolff & Wings』 (SW 8907)
  • J.J. Cale - 『Naturally』 (SW 8908)
  • Alan Gerber - 『The Alan Gerber Album』 (SMAS 8909)
  • Leon Russell - 『Carney』 (SW 8911)
  • J.J. Cale - 『Really』 (SW 8912)
  • Freddie King – 『Texas Cannonball』 (SW 8913)
  • Willis Alan Ramsey - 『Willis Alan Ramsey』 (SW 8914)

1973年

  • D.J. Rogers - 『D.J. Rogers』 (SW 8915)
  • Black Grass - 『Black Grass』 (SW 8916)
  • Leon Russell - 『Leon Live』 (STCO 8917)
  • Jim Horn - 『Jim’s Horns』 (SW 8918)
  • Freddie King - 『Woman Across the River』 (SW 8919)
  • Jimmy Rogers - 『Gold Tailed Bird』 (SW 8921)
  • Hank Wilson - 『Hank Wilson’s Back, Vol. I』 (SW 8923)
  • Mary McCreary - 『Butterflies in Heaven』 (MCA-347)

1974年

  • J.J. Cale - 『Okie』 (SR 2107)
  • Leon Russell - 『Stop All That Jazz』 (SR 2108)
  • Phoebe Snow - 『Phoebe Snow』 (SR 2109)
  • Mary McCreary - 『Jezebel』 (SR 2119)
  • The Gap Band - 『Magician's Holiday』 (SR 2111)
  • Richard Torrance - 『Eureka』 (SR 2112)
  • Don Preston - 『Don Preston Has Been Here All the Time』 (SR 2114)
  • O'Neal Twins - 『O'Neal Twins』 (SR 2125)
  • Larry Hosford - 『Larry Hosford A. K. A. Lorenzo』 (SR 2132)

1975年

  • Richard Torrance & Eureka - 『Belle of the Ball』 (SR 2134)
  • Leon Rusell - 『Will o’ the Wisp』 (SR 2138)
  • Freddie King - 『The Best of Freddie King』 (SR 2140)

1976年

  • Dwight Twilley Band - 『Sincerely』 (SRL 52001)
  • J.J. Cale - 『Troubadour』 (SRL 52002)
  • Larry Hosford - 『Cross Words』 (SRL 52003)
  • Leon Russell - 『Best of Leon』 (SRL 52004)
  • Lyons & Clark - 『Prisms』 (SRL 52005)
  • Tom Petty & Heartbreakers - 『Tom Petty & Heartbreakers』 (SRL 52006)

1977年

  • Richard Torrance & Eureka III - 『Living Today』 (52023)

1978年

  • Tom Petty & Heartbreakers - 『You're Gonna Get It!』 (DA 52029)

1979年

  • J.J. Cale - 『5』 (MCA 3163)

脚注

  1. ^ Bob Kirsch, "3-Year-Old Shelter has 2 home bases", Billboard 1973年11月10日
  2. ^ Irwin Stambler, Grelun Landon, Lyndon Stambler, Country Music: The Encyclopedia (St. Martin's Press, 2000年), ISBN 978-0-312-26487-1, p.424. Google ブックス抜粋版を見ることができる.
  3. ^ Leon Russell founded Shelter Records in the '70s and, with it, a local scene”. Thomasconner.info. 2025年1月9日閲覧。
  4. ^ Leon Russell”. Leonrussellrecords.com. 2003年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月9日閲覧。
  5. ^ "Denny Cordell, 51, Record Producer", New York Times, 1995年2月25日
  6. ^ Remembering Leon Russell”. Pastemagazine.com (November 15, 2016). 2025年1月9日閲覧。
  7. ^ "Shelter sued by Superman", Billboard 1971年9月11日
  8. ^ Lichtman, Irv (1990年5月19日). “Rondor Music Buys Shelter Pubs; Sets Expansion Plans”. Billboard: pp. 6–82 
  9. ^ Shelter Records”. Discogs.com. 2025年1月9日閲覧。
  10. ^ Shelter Records (3)”. Discogs.com. 2025年1月9日閲覧。
  11. ^ Morris 11/13/2016, Edward. “Leon Russell, Master of Musical Styles, Dead at 74”. Cmt.com. 2016年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月9日閲覧。
  12. ^ Leon Russell: A lifetime legacy of music”. Tulsaworld.com. 2025年1月9日閲覧。
  13. ^ シェルター・レコード・ディスコグラフィー, Shelter Album Discography By Mike Callahan, David Edwards, and Patrice Eyries

外部リンク