『ゴールデン・サマー』(The Golden Summer )は、1953年に刊行されたエラリー・クイーンのうちフレデリック・ダネイによる児童小説。ダニエル・ネイサン名義[1]。
物語
舞台は1915年のアメリカ、ニューヨーク州のはずれにある小さな町エルマイラ。主人公のダニーは小柄で胸板は薄く、腕も細い。小さな顔に大きな耳と鼻、ごつい大きな眼鏡。マーク・トウェインの主人公さながらの日々を過ごす10歳の少年を描いた半自伝小説。
夏の長期休暇が終わる新学期[2]初日の切なさに至るまで、少年期の「こがね色の夏」[3]の思い出が語られる。
主な登場人物
- ダニー
- 本作の主人公。エルマイラの町に住む少年。少年期のフレデリック・ダネイがモデル。
- チャド
- ダニーの友人。ダニーよりは大柄。
- サートリアス
- ダニーの友人。のんき者で好奇心旺盛。
- オーガスト
- ダニーの友人。ガキ大将。
特記事項
- 本書の執筆動機は、相方のマンフレッド・リー抜きで一人で長編を書けるかといった挑戦もあったという[4]。
- 児童小説(半自伝小説)ではあるが、随所に推理小説のテクニックが駆使されており、読者の注意をひく内容になっている。
日本語訳書
脚注
- ^ 出版当時はクイーン著作であることは伏せられた。(東京創元社「ゴールデン・サマー」解説)
- ^ アメリカでは(特に学校)9月が新学期とされる場合が多い。
- ^ 主人公ダニーは「金もうけ(お小遣いかせぎ)」も大好きである。
- ^ 「クイーンの定員」など評論・エッセイはダネイ単独の執筆。