コミックハウス
株式会社コミックハウスは、日本の編集プロダクション。漫画を中心とした雑誌・単行本、ドラマCD等の企画・編集・デザイン業務を出版社から請け負っている。成人向け漫画雑誌に強い。 かつて代表取締役を務めていた宮本正生(2009年2月退任[3])は辰巳出版の出身。 概要1980年代、久保書店『レモンピープル』が先鞭を付けた美少女漫画雑誌は、後続誌を次々と生むものの、まだマニア的イメージが強く、書店売りが中心だった。 コンビニエンスストアに置かれる成人向け漫画雑誌と言えばエロ劇画誌だった時代だが、講談社などの下請けで大手青年漫画誌の編集ノウハウを持っていたコミックハウスは、1986年創刊の辰巳出版『COMICペンギンクラブ』で大手青年漫画誌の垢抜けた誌面作りを持ち込み、状況を大きく変えた。 『レモンピープル』が平綴じで、白夜書房『漫画ブリッコ』はA5版だったため、多くの後続誌もどちらかを踏襲していたが、B5版中綴じの青年漫画誌に近い作りで、普通の青少年が抵抗感なく読めた『COMICペンギンクラブ』はコンビニ売りを中心に発行部数を伸ばしていく。 この実績から富士美出版『COMICキャンディータイム』、フランス書院『COMICパピポ』、メディアックス『コミックゲイザー』、笠倉出版社『MANGA絶対満足』など、続々と編集業務を委託され、一時は増刊も含めて10誌近く請け負っていた。同じく成人向け漫画雑誌の編集プロダクションだった塩山芳明の「漫画屋」などは劇画系の出自だったので、泥臭い誌面作りを続けてマニア層から一定の支持を得ていたが、コミックハウスが担当した雑誌群の編集センスは大手青年漫画誌の中でもヤング誌に近く、ヤング誌でのアシスタント経験がある漫画家も多かった。そのため、成人向けでも洗練された読みやすい漫画を描く作家を多く抱え、メジャー感もあり、「出版社がどこでも、編集がコミックハウスなら大丈夫」という安心感を与えていた。 もっとも、1990年代以降は、後にコアマガジンで『コミックメガストア』を編集した島田崇や明治拓生など、有力な編集者が次々と移籍流出したこともあり、他社も同様のノウハウを獲得。次第にコミックハウスの優位は失われていく。たとえば、1994年に創刊された2誌、『カラフルBee』(ビブロス)、『COMIC快楽天』(ワニマガジン社)は、誌面の洗練度でコミックハウスの水準に追いつき、凌駕するセンスを持っていた。また、『COMICペンギンクラブ』の形式が美少女漫画誌の定型フォーマットとなったことで、逆に一般向けのヤング誌もそのフォーマットを援用するようになった。そのため、2000年代に入ると子会社化した茜新社での出版活動が中心となっていく。 2008年4月25日には、同社初の少年雑誌であるウェブコミック『少年ソリッド』のプレ創刊号を配信した。創刊号の配信は同年6月27日で、以後、偶数月の最終金曜日に配信し、2009年7月号から毎月配信していたが、2013年1月号で新規配信を終了、休刊している[4]。 2023年現在は、DMM.com、講談社、秋田書店などの外注請負の他、茜新社から刊行している『COMIC LO』など、いわゆるマニア向けのロリコン成年漫画誌の刊行が中心となり、成人向け漫画雑誌の編集業務はかなり縮小されている。ただし、架空のキャラクターによる表現も児童ポルノとして法規制の対象に含めようとする動きが一部団体、議員に見られ、風当たりの強い状況である。 直営店直営のコミック専門店として、水道橋駅の近くに「コミックハウス1号店」(1991年開店)を経営していた。 その後、成人向けコミック・雑誌は直営の「ダンジョンブックス」(秋葉原:2008年12月20日開店)に集約し[5][6]、一般向けコミック専門店の「ジョイブックス」として2010年4月28日にリニューアルオープンしたが、前者は2011年3月18日[7][8]、後者は2011年4月15日に閉店した[9]。 脚注
関連項目
外部リンク
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