ゲット・トゥゲザー (1964年の曲)

「ゲット・トゥゲザー」
ヤングブラッズシングル
初出アルバム『The Youngbloods
B面 All My Dreams Bluet(1967年)
Beautiful(1969年)
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 ニューヨーク、RCAビクター・スタジオB(1966年)
ジャンル フォークロック
時間
レーベル RCAビクター
作詞・作曲 チェット・パワーズ
プロデュース フェリックス・パパラルディ
ゴールドディスク
ゴールドディスク
チャート最高順位
ミュージックビデオ
「Get Together」 - YouTube
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ゲット・トゥゲザー」(英語: “Get Together”)は、シンガーソングライターチェット・パワーズ英語版[注 1]が作詞・作曲した楽曲。“Let’s Get Together”と表記されることもある。1960年代から’70年代初めにかけて多くのアーティストの間で歌い継がれ、ヤングブラッズカバー・バージョンが最もよく知られている。

オリジナル

パワーズは、ディノ・ヴァレンティDino Valentiという芸名でロサンゼルスを根城に活動していた時期[注 2]に本曲を書いて1964年1月に録音した。しかし本音源は未発表のままにお蔵入りし、30年以上たった1996年、コンピレーション・アルバム Someone to Love — The Birth of the San Francisco Sound に収録されて日の目を見た[3]

パワーズは1964年からクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスに再加入する1969年までに麻薬違反で二度検挙され、その保釈金や経費を捻出する為に、本曲を含めた数曲の著作権をキングストン・トリオ英語版のマネージャーだったフランク・ウァーバー英語版に売却した[注 3]。従って本曲のオリジナルは、キングストン・トリオが1964年6月に発表したライブ・アルバム Back in Town に収録されたものであるとされる。

ヤングブラッズのバージョン

ヤングブラッズ1967年1月発売のデビュー・アルバム『ザ・ヤングブラッズ[注 4]で本曲をカバーし、同年7月にシングル・カットした。このシングルは9月2日付の《ビルボード》Hot 100で62位、《ビルボード》イージー・リスニング・チャートで37位を記録した[4]

その後、キリスト教徒・ユダヤ教徒全国会議英語版 が行ったラジオの公共広告に使われたことから注目を集め、1969年6月に再発売された。その結果、9月6日から9月13日にかけて2週連続で《ビルボード》Hot 100の5位を記録し[5][6]、《ビルボード》の1969年の年間チャートの16位になって、ゴールド・ディスクに輝いた。

1971年発表のライブ・アルバム『ライド・ザ・ウィンド』にライブ・バージョンが収められている。

また、『パープル・ヘイズ/紫のけむり英語版』(1982年)、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)、『ラスベガスをやっつけろ』(1998年)、『月のひつじ』(2000年)、『ライディング・ザ・ブレット英語版』(2004年)、『キャッツ & ドッグス 地球最大の肉球大戦争』(2010年)などの映画で使用された。

その他のバージョン

アーティスト名 発表年 収録アルバム等
チャド・ミッチェル・トリオ英語版 1965年 That's the Way It's Gonna Be
ウィ・ファイヴ英語版 1965年
ジェファーソン・エアプレイン 1966年 ジェファーソン・エアプレイン・テイクス・オフ英語版
ジュディ・コリンズ 1966年 ニューポート・フォーク・フェスティヴァル英語版で披露。
H. P. ラブクラフト[注 5] 1967年 H.P.ラヴクラフト英語版
ザ・サンシャイン・カンパニー英語版 [注 6] 1968年
  • シングル。
  • Sunshine & Shadows[7]
ザ・ステイプル・シンガーズ 1968年 What the World Needs Now Is Love
ザ・ストーン・ポニーズ英語版[注 7] 1968年 ストーン・ポニーズ&フレンズVol.3英語版
カーペンターズ 1969年 涙の乗車券
スミス英語版[注 8] 1969年 『スミス・ファーストA Group Called Smith)』
ジョニ・ミッチェル 1969年 この年に行ったコンサートでミッチェルは数多く披露[注 9]
ブラザース・フォア 1969年 『レッツ・ゲット・トゥギャザー』
ボニー・ドブソン英語版 [注 10] 1969年 『朝の露Bonnie Dobson)』
アソシエイション 1970年 ライヴ英語版
アン・マレー 1970年 蜜と小麦と笑い声英語版
スキータ・デイヴィス 1970年 A Place in the Country
デイヴ・クラーク・ファイヴ 1970年 シングル
ラリー・サントス英語版 1970年 Mornin’ Sun
ルイ・アームストロング 1970年 サッチモ、カントリーを歌う英語版
レイ・スティーブンス英語版 1970年 Everything Is Beautiful
ノエル・ポール・ストゥーキー 1973年 カーネギー・ホール・コンサートOne Night Stand
ブレッド&バター 1974年 『バーベキュー』[注 11]
インディゴ・ガールズ英語版 1989年 ストレンジ・ファイアー英語版』の米国
ビッグ・マウンテン 1996年 『レジスタンス』
ジェフリー・フォスケット英語版 2000年 『トゥエルヴ・アンド・トゥエルヴ』の日本盤ボーナストラック
デヴィッド・クロスビー 2001年 プリフライト英語版[注 12]の再発2枚組 The Preflyte Sessions[8]
フェアポート・コンヴェンション 2002年 Fairport Unconventional[9](1967年録音BBC音源[注 13]
ウィルソン・フィリップス 2004年 カリフォルニア (ウィルソン・フィリップスのアルバム)英語版
リズ・ライト英語版 2005年 ドリーミング・ワイド・アウェイク英語版
アン・ウィルソン 2007年 ホープ&グローリー英語版

脚注

  1. ^ Chester Powersとも。本名はChester William Powers, Jr. 1937年10月7日生、1994年11月16日死去。
  2. ^ 翌年の夏頃にサンフランシスコへ移動し、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス(QMS)に参加する。ペンネームでジェス・オリス・ファロウ(Jesse Oris Farrow)などを使用している。
  3. ^ ビリー・ロバーツ英語版名義の「ヘイ・ジョー」もこの際に売却されたパワーズのアレンジ楽曲とされたが現在は否定されている。ティム・ローズ英語版による原曲の由来説では歌詞について伝承民謡等の類似曲は無く否定されている。類似した詩の節やコードと楽曲には作者不明の民謡にも多く、楽曲が成立するまで参考にされた多くの曲があったことにが推察される。
  4. ^ プロデューサーは、フェリックス・パパラルディ
  5. ^ シカゴで結成のフォーク・ロックサイケデリック・バンド。
  6. ^ ロサンゼルスフォーク・ロック・グループ。
  7. ^ リンダ・ロンシュタットが在籍したバンド。
  8. ^ アメリカのロック・バンド。イギリスのザ・スミスとは異なる。
  9. ^ ビッグ・サー・フォーク・フォーク・フェスティヴァル英語版(1969年9月開催)を記録した映画『Celebration at Big Sur』でミッチェルの歌う姿を確認できる。彼女は友人のクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングジョン・セバスチャン英語版らを従えて「ゲット・トゥゲザー」をカバーした。
  10. ^ カナダ人、反戦反核曲「モーニング・デュー英語版」の原作者。
  11. ^ 曲全体のカバーではなく歌詞の一部を繰り返す。
  12. ^ ザ・バーズ名義。
  13. ^ 番組「John Peel's Top Gear」収録1967年11月24日、放送日12月10日。

出典

参考資料

  • ハーディ, フィル、ラング, デイヴ 著、三井徹 訳『ロック・エンサイクロペディア 1950s – 1970s』みすず書房、2009年11月25日。ISBN 978-4-622-07344-4 

外部リンク