グル・グル (Guru Guru)は、1968年 にドイツ (当時は西ドイツ)で結成されたサイケデリック・ロック ・バンド。創設者のマニ・ノイマイヤー はソロ活動と並行して、現在もグル・グル名義の作品を発表している。
概要・略歴
創設者マニ・ノイマイヤー (2006年)
バンド名はドイツ語の蛙の鳴き声の擬音に由来する。
ドイツ人のドラマー、マニ・ノイマイヤー を中心に結成された。彼は1960年代 からフリー・ジャズ の世界で活動していたが、しだいに物足りなさを覚えるようになり、イレーネ・シュヴァイツァー ・トリオで共演したベーシストのウリ・トレプテ とともに、1968年 、ロック ・グループ「グル・グル・グルーヴ・バンド」をスタートした。初期のライブのいくつかは「社会主義ドイツ学生連盟」が運営した。当時の演奏スタイルは、トランペット・ボーカル・ドラム・ベースの騒音であり、きわめてアバンギャルド 色の濃いものだった。
1969年 にボーカリストをギタリストに代え、グループ名をグル・グルに短縮。1970年 に元アジテーション・フリー のアックス・ゲンリッヒ を迎え、当時の内外の音楽誌がジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス やクリーム と並べて評したほどの強力なフリー・ロック・トリオに変身した。同年、ファースト・アルバム『UFO』を発表。油がまだよく回っていない重機のような、鈍重な印象を与えるライブ・アルバムである。翌1971年 、セカンド・アルバム『ヒンテン』を発表、名ミキサーのコニー・プランク の音響デザインにより、すっきりと聴きやすいスペース・ジャズ・ロックに仕上がった。収録曲の「ボ・ディドリー 」は、1950年代 のアメリカ のロックンロール の先達に対する、ドラッグ 漬けのサイケデリック 世代によるリスペクトといえる。
1972年 発表のサード・アルバム『カングルー』は、ダウナーなスペース・ロック と、前作の延長上にあるジャズ・ロック をLP のAB面に分けて収録している。バンドのシリアスな面を受け持っていたウリ・トレプテはこの作品を最後に脱退し、以後はマニ・ノイマイヤーのコミカルなキャラクターを前面に出したプロジェクトとして続いていく。
1996年 に初来日。マニは、それまで「グルグル」が日本語で「回転」を意味する言葉とは知らなかったという。東京タワー の蝋人形館にはビートルズ やフランク・ザッパ らとともにマニの人形が収められており、マニを喜ばせた。以降マニは、ソロ名義を含めて来日を重ねるようになる[ 1] 。
2010年 には、旧メンバーのアックス・ゲンリッヒに、「ユニヴェル・ゼロ 」のベーシストであったギ・セジュール (Guy Segers)を加えたトリオで、派生プロジェクト「グルマニアックス (Gurumaniax)」のバンド名義で活動を開始し、アルバム『Psy Valley Hill』をリリースしている。
2017年 、来日20周年を記念した、マニ・ノイマイヤーを招聘のライブを開催。
メンバー
現ラインナップ
マニ・ノイマイヤー (Mani Neumeier) - ドラムス 、ボーカル (1968年– )
ローランド・シェフェール (Roland Schaeffer) - ギター 、サクソフォーン 、ボーカル (1975年–1982年、1995年– )
ペーター・クームステッド (Peter Kühmstedt) - ベース 、ボーカル (1977年–1979年、1993年– )
ヤン・リンドクヴィスト (Jan Lindqvist) - ギター、ボーカル (2016年– )
マニ・ノイマイヤー(Ds) 2006年
ローランド・シェフェール(G) 2006年
ペーター・クームステッド(B) 2006年
旧メンバー
エディー・ネーゲリ (Eddy Naegeli) - ギター (1968年)
ウリ・トレプテ (Uli Trepte) - ベース (1968年–1972年)
アックス・ゲンリッヒ (Ax Genrich) - ギター (1970年–1973年)
ハンス・ハルトマン (Hans Hartmann) - ベース (1973年, 1974年)
ブルーノ・シャープ (Bruno Schaab) - ベース (1973年)
コニー・ヴェイト (Conny Veit) - ギター (1973年、1974年)
フーシャン・ネヤデプール (Houschäng Nejadepour) - ギター (1974年)
ヨギ・カーペンティエル (Jürgen "Jogi" Karpenkiel) - ベース (1975年–1977年)
インゴ・ビショフ (Ingo Bischof) - キーボード (1975年–1981年)
ヘルムート・ハットラー (Hellmut Hattler) - ベース (1975年–1981年、2008年)
ゼップ・ヤンドリシッツ (Josef "Sepp" Jandrisits) - ギター (1975年–1977年)
ペーター・ヴォルブラント (Peter Wolbrandt) - ギター (1975年、1983年)
トミー・ゴールドシュミット (Tommy Goldschmidt) - ドラムス (1975年–1977年)
ヤン・フリーデ (Jan Fride) - ドラムス (1975年、1988年、2007年)
ゲルト・ドゥデク (Gerd Dudek) - サクソフォーン (1975年)
ディーター・ボーンシュレーゲル (Dieter Bornschlegel) - ギター、ボーカル (1977年–1979年、1994年–1997年)
ミシェル・ピルツ (Michel Pilz) - クラリネット (1977年)
ブッツェ・フィッシャー (Butze Fischer) - ドラムス、ボーカル (1979年–1983年)
ジェラルド・ルチアーノ (Gerald Luciano Hartwig) - ベース (1979年–1981年)
ハインツ・ゲムバス (Heinz Gembus) - ベース (1981年、1995年)
チャウメイヤー (Chowmeier) - ベース、ギター (1983年)
バーバラ・ラール (Barbara Lahr) - ギター、ボーカル (1984年–1988年、1993年)
ロルフ・シャウデ (Rolf Schaude) - ベース、ドラムス (1984年、1985年、1993年)
ヨルグ・ゼーバルト (Jörg Sebald) - ベース (1997年)
エルウィン・ディッツナー (Erwin Ditzner) - ドラムス (1985年–1988年、1993年)
ウリ・クリュッグ (Uli Krug) - ベース (1985年–1988年)
リサ・クラウス (Lise Kraus) - ボーカル (1987年–1989年、2005年)
ヴィトン・ウィト (Wietn Wito) - ベース (1987年、1988年)
ヨー・ワイネック (Jo Weineck) - キーボード (1987年、1988年)
ウリ・ズーフル (Uli Züfle) - サクソフォーン (1987年、1988年、1993年)
ルイージ・アルケッティ (Luigi Archetti) - ギター (1989年–2005年、2008年)
ラゼム・ルーベル (Razem Rübel) - ベース (1993年)
ユルゲン・エングラー (Jürgen Engler) - ギター (1997年、2008年)
ダモ鈴木 (Kenji "Damo" Suzuki) - ボーカル (1999年)
ミヒャエル・カローリ (Michael Karoli) - ギター、ボーカル (1999年)
ディーター・メビウス (Dieter Moebius) - キーボード (2008年)
クリス・カーラー (Chris Karrer) - ヴァイオリン 、ボーカル (2008年)
ハンス・レフェルト (Hans Reffert) - ギター、ボーカル (1988年、1997年–2000年、2005年–2016年) ※2016年死去
ディスコグラフィ
アルバム
『UFO』 - UFO (1970年)
『ヒンテン』 - Hinten (1971年)
『カングルー』 - Känguru (1972年)
『不思議の国のグル・グル』 - Guru Guru (1973年)
『ドント・コール・アス、ウィ・コール・ユー』 - Don't Call Us, We Call You (1973年)
『ダンス・オヴ・ザ・フレイムス』 - Dance of the Flames (1974年)
『マニと友人達』 - Mani und seine Freunde (1975年)
『タンゴ・ファンゴ』 - Tango Fango (1976年)
Globetrotter (1977年)
『ライヴ』 - Live (1978年)
『ヘイ・ドゥ!』 - Hey du (1979年)
『マニ・イン・ジャーマニ』 - Mani in Germani (1981年)
Mani Neumeiers neue Abenteuer (1983年)
『ジャングル』 - Jungle (1987年)
『グル・グル'88』 - Guru Guru 88 (1988年)
Live 72 (1988年)
『シェイク・ウェル』 - Shake Well (1993年)
『ワー・ワー』 - Wah Wah (1995年)
『モシ・モシ』 - Moshi Moshi (1997年)
『生誕30周年記念祭(GURU GUGU 98 LIVE)』 - 30 Jahre Live (1998年)
『2000回転!』 - 2000 Gurus (2000年)
『エセン 1970』 - Essen 1970 (2002年)
『導師の社交部屋』 - In the Guru Lounge (2005年)
PSY (2008年)
Doublebind (2011年)
Electric Cats (2013年)
The Birth of Krautrock (2016年)
脚注
関連項目
外部リンク