グル・グル

グル・グル
Guru Guru
ドイツ・ハイデルベルク公演 (2007年9月)
基本情報
別名 グル・グル・グルーヴ
出身地 ドイツの旗 ドイツ
バーデン=ヴュルテンベルク州ハイデルベルク
ジャンル クラウトロック
実験音楽
スペース・ロック
サイケデリック・ロック
プログレッシブ・ロック
活動期間 1968年 - 現在
レーベル Ohr/Metronome Records
Brain Records
アトランティック・レコード
GeeBeeDee
Casino Records
Think Progressive
Fünfundvierzig
SPV/Revisited Rec.
ZYX Music
Trance Music
Adansonia Records
公式サイト www.guru-guru.com
メンバー マニ・ノイマイヤー (Ds)
ローランド・シェフェール (G)
ペーター・クームステッド (B)
ヤン・リンドクヴィスト (G)
旧メンバー ウリ・トレプテ (B)
アックス・ゲンリッヒ (G)
ほか 別記参照

グル・グル(Guru Guru)は、1968年ドイツ(当時は西ドイツ)で結成されたサイケデリック・ロック・バンド。創設者のマニ・ノイマイヤーはソロ活動と並行して、現在もグル・グル名義の作品を発表している。

概要・略歴

創設者マニ・ノイマイヤー (2006年)

バンド名はドイツ語の蛙の鳴き声の擬音に由来する。

ドイツ人のドラマー、マニ・ノイマイヤーを中心に結成された。彼は1960年代からフリー・ジャズの世界で活動していたが、しだいに物足りなさを覚えるようになり、イレーネ・シュヴァイツァー・トリオで共演したベーシストのウリ・トレプテとともに、1968年ロック・グループ「グル・グル・グルーヴ・バンド」をスタートした。初期のライブのいくつかは「社会主義ドイツ学生連盟」が運営した。当時の演奏スタイルは、トランペット・ボーカル・ドラム・ベースの騒音であり、きわめてアバンギャルド色の濃いものだった。

1969年にボーカリストをギタリストに代え、グループ名をグル・グルに短縮。1970年に元アジテーション・フリーアックス・ゲンリッヒを迎え、当時の内外の音楽誌がジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスクリームと並べて評したほどの強力なフリー・ロック・トリオに変身した。同年、ファースト・アルバム『UFO』を発表。油がまだよく回っていない重機のような、鈍重な印象を与えるライブ・アルバムである。翌1971年、セカンド・アルバム『ヒンテン』を発表、名ミキサーのコニー・プランクの音響デザインにより、すっきりと聴きやすいスペース・ジャズ・ロックに仕上がった。収録曲の「ボ・ディドリー」は、1950年代アメリカロックンロールの先達に対する、ドラッグ漬けのサイケデリック世代によるリスペクトといえる。

1972年発表のサード・アルバム『カングルー』は、ダウナーなスペース・ロックと、前作の延長上にあるジャズ・ロックLPのAB面に分けて収録している。バンドのシリアスな面を受け持っていたウリ・トレプテはこの作品を最後に脱退し、以後はマニ・ノイマイヤーのコミカルなキャラクターを前面に出したプロジェクトとして続いていく。

1996年に初来日。マニは、それまで「グルグル」が日本語で「回転」を意味する言葉とは知らなかったという。東京タワーの蝋人形館にはビートルズフランク・ザッパらとともにマニの人形が収められており、マニを喜ばせた。以降マニは、ソロ名義を含めて来日を重ねるようになる[1]

2010年には、旧メンバーのアックス・ゲンリッヒに、「ユニヴェル・ゼロ」のベーシストであったギ・セジュール (Guy Segers)を加えたトリオで、派生プロジェクト「グルマニアックス (Gurumaniax)」のバンド名義で活動を開始し、アルバム『Psy Valley Hill』をリリースしている。

2017年、来日20周年を記念した、マニ・ノイマイヤーを招聘のライブを開催。

メンバー

現ラインナップ

旧メンバー

  • エディー・ネーゲリ (Eddy Naegeli) - ギター (1968年)
  • ウリ・トレプテ (Uli Trepte) - ベース (1968年–1972年)
  • アックス・ゲンリッヒ (Ax Genrich) - ギター (1970年–1973年)
  • ハンス・ハルトマン (Hans Hartmann) - ベース (1973年, 1974年)
  • ブルーノ・シャープ (Bruno Schaab) - ベース (1973年)
  • コニー・ヴェイト (Conny Veit) - ギター (1973年、1974年)
  • フーシャン・ネヤデプール (Houschäng Nejadepour) - ギター (1974年)
  • ヨギ・カーペンティエル (Jürgen "Jogi" Karpenkiel) - ベース (1975年–1977年)
  • インゴ・ビショフ (Ingo Bischof) - キーボード (1975年–1981年)
  • ヘルムート・ハットラー (Hellmut Hattler) - ベース (1975年–1981年、2008年)
  • ゼップ・ヤンドリシッツ (Josef "Sepp" Jandrisits) - ギター (1975年–1977年)
  • ペーター・ヴォルブラント (Peter Wolbrandt) - ギター (1975年、1983年)
  • トミー・ゴールドシュミット (Tommy Goldschmidt) - ドラムス (1975年–1977年)
  • ヤン・フリーデ (Jan Fride) - ドラムス (1975年、1988年、2007年)
  • ゲルト・ドゥデク (Gerd Dudek) - サクソフォーン (1975年)
  • ディーター・ボーンシュレーゲル (Dieter Bornschlegel) - ギター、ボーカル (1977年–1979年、1994年–1997年)
  • ミシェル・ピルツ (Michel Pilz) - クラリネット (1977年)
  • ブッツェ・フィッシャー (Butze Fischer) - ドラムス、ボーカル (1979年–1983年)
  • ジェラルド・ルチアーノ (Gerald Luciano Hartwig) - ベース (1979年–1981年)
  • ハインツ・ゲムバス (Heinz Gembus) - ベース (1981年、1995年)
  • チャウメイヤー (Chowmeier) - ベース、ギター (1983年)
  • バーバラ・ラール (Barbara Lahr) - ギター、ボーカル (1984年–1988年、1993年)
  • ロルフ・シャウデ (Rolf Schaude) - ベース、ドラムス (1984年、1985年、1993年)
  • ヨルグ・ゼーバルト (Jörg Sebald) - ベース (1997年)
  • エルウィン・ディッツナー (Erwin Ditzner) - ドラムス (1985年–1988年、1993年)
  • ウリ・クリュッグ (Uli Krug) - ベース (1985年–1988年)
  • リサ・クラウス (Lise Kraus) - ボーカル (1987年–1989年、2005年)
  • ヴィトン・ウィト (Wietn Wito) - ベース (1987年、1988年)
  • ヨー・ワイネック (Jo Weineck) - キーボード (1987年、1988年)
  • ウリ・ズーフル (Uli Züfle) - サクソフォーン (1987年、1988年、1993年)
  • ルイージ・アルケッティ (Luigi Archetti) - ギター (1989年–2005年、2008年)
  • ラゼム・ルーベル (Razem Rübel) - ベース (1993年)
  • ユルゲン・エングラー (Jürgen Engler) - ギター (1997年、2008年)
  • ダモ鈴木 (Kenji "Damo" Suzuki) - ボーカル (1999年)
  • ミヒャエル・カローリ (Michael Karoli) - ギター、ボーカル (1999年)
  • ディーター・メビウス (Dieter Moebius) - キーボード (2008年)
  • クリス・カーラー (Chris Karrer) - ヴァイオリン、ボーカル (2008年)
  • ハンス・レフェルト (Hans Reffert) - ギター、ボーカル (1988年、1997年–2000年、2005年–2016年) ※2016年死去

ディスコグラフィ

アルバム

  • 『UFO』 - UFO (1970年)
  • 『ヒンテン』 - Hinten (1971年)
  • 『カングルー』 - Känguru (1972年)
  • 『不思議の国のグル・グル』 - Guru Guru (1973年)
  • 『ドント・コール・アス、ウィ・コール・ユー』 - Don't Call Us, We Call You (1973年)
  • 『ダンス・オヴ・ザ・フレイムス』 - Dance of the Flames (1974年)
  • 『マニと友人達』 - Mani und seine Freunde (1975年)
  • 『タンゴ・ファンゴ』 - Tango Fango (1976年)
  • Globetrotter (1977年)
  • 『ライヴ』 - Live (1978年)
  • 『ヘイ・ドゥ!』 - Hey du (1979年)
  • 『マニ・イン・ジャーマニ』 - Mani in Germani (1981年)
  • Mani Neumeiers neue Abenteuer (1983年)
  • 『ジャングル』 - Jungle (1987年)
  • 『グル・グル'88』 - Guru Guru 88 (1988年)
  • Live 72 (1988年)
  • 『シェイク・ウェル』 - Shake Well (1993年)
  • 『ワー・ワー』 - Wah Wah (1995年)
  • 『モシ・モシ』 - Moshi Moshi (1997年)
  • 『生誕30周年記念祭(GURU GUGU 98 LIVE)』 - 30 Jahre Live (1998年)
  • 『2000回転!』 - 2000 Gurus (2000年)
  • 『エセン 1970』 - Essen 1970 (2002年)
  • 『導師の社交部屋』 - In the Guru Lounge (2005年)
  • PSY (2008年)
  • Doublebind (2011年)
  • Electric Cats (2013年)
  • The Birth of Krautrock (2016年)

脚注

  1. ^ ゆら帝亀川千代、後藤まりこらマニ・ノイマイヤー来日公演参加”. ナタリー (2012年1月12日). 2018年2月8日閲覧。

関連項目

外部リンク