グリーゼ370Gliese 370
星座
ほ座
見かけの等級 (mv )
7.67[ 1]
分類
K型主系列星 [ 2]
位置元期 :J2000.0 [ 2]
赤経 (RA, α)
09h 51m 07.0518026760s [ 2]
赤緯 (Dec, δ)
−43° 30′ 10.023686079″[ 2]
視線速度 (Rv)
-9.560 km/s[ 2]
固有運動 (μ)
赤経: 461.603 ミリ秒 /年 [ 2] 赤緯: -471.880 ミリ秒/年[ 2]
年周視差 (π)
88.6737 ± 0.0173ミリ秒[ 2] (誤差0%)
距離
36.782 ± 0.007 光年 [ 注 1] (11.277 ± 0.002 パーセク [ 注 1] )
絶対等級 (MV)
7.43[ 1]
物理的性質
半径
0.533 R ☉ [ 注 2]
質量
0.69 M ☉ [ 1]
表面重力
25 G[ 3]
自転 速度
< 3 km/s[ 1]
自転周期
47.13 ± 6.98 日 [ 1]
スペクトル分類
K6Vk:[ 2]
光度
0.126 ± 0.008 L ☉ [ 1]
HZ 内縁距離
0.291 au [ 4]
HZ外縁距離
0.612 au[ 4]
有効温度 (Teff )
4,715 ± 102 K [ 3]
色指数 (B-V)
1.179[ 2]
色指数 (U-B)
1.133[ 2]
色指数 (R-I)
0.615[ 2]
金属量 [Fe/H]
-0.33 ± 0.03[ 1]
年齢
56.1 ± 6.1 億年[ 1]
他のカタログ での名称
CD -42 5678, GJ 370, HD 85512, HIP 48331, LHS 2201, NStars (英語版 ) 0951-4330, SAO 221544, YPC 2340
■ Template (■ ノート ■ 解説) ■Project
グリーゼ370 (英語 : Gliese 370 )は、地球 から約36光年 の距離に存在するスペクトル型 がK5Vの主系列星 である。天球 上ではほ座 の方角に位置する。グリーゼ370という名称は、地球から20パーセク 以内に位置する恒星 を収録したグリーゼ近傍恒星カタログ での番号であり、この他にも HD 85512 といった名称で知られている。この恒星 はそのハビタブルゾーン 付近にスーパー・アース サイズの太陽系外惑星 を持つことが知られているが[ 1] 、存在を疑問視する研究結果も報告されている[ 5] 。
恒星
大きさの比較
太陽
グリーゼ370
グリーゼ370は、質量 が太陽 の7割程度、表面温度 も太陽より 1,000 K 以上低いと推定され、放射エネルギー が太陽よりだいぶ小さい[ 1] 。そのため、ハビタブルゾーンは内径が0.291 au 、外径が 0.612 au と見積もられ、金星 の公転軌道(0.723 au)よりも恒星に近い[ 4] 。
惑星系
グリーゼ370bの軌道 と恒星のハビタブルゾーン
HD 85512 bの想像図[ 6] 。出典: ESO/M. Kornmesser
2011年 8月19日 、高精度視線速度系外惑星探査装置 (HARPS)によるドップラー分光法 (視線速度法)での観測で、この恒星のハビタブルゾーンの「すぐ内側」に、地球 の3.6倍の質量 を持つ惑星グリーゼ370b (HD 85512 b )を発見した、と発表された[ 1] 。 この惑星は、ハビタブルゾーン内には位置していないが、もしこの惑星の表面の50%以上が雲 に覆われていれば、液体 の水 が存在可能な温度 を維持することができると考えられている[ 7] 。グリーゼ370bは2007年 に発見されたグリーゼ581d とともに、生命が存在する環境 の候補として挙げられた最初の系外惑星だが、その後、生命が居住するには熱すぎると考えられるようになった[ 8] 。
2023年 、グリーゼ370を含むドップラー分光法によって発見された惑星を持つことが知られている複数の恒星の視線速度 データの再評価を行った研究結果が公表された。この研究によると、以前の研究で検出され、惑星グリーゼ370bに由来すると考えられていた周期が約58日の視線速度の変動は観測されず、それよりもやや短い約51日周期の変動が検出された。両者の変動がどちらもグリーゼ370bに起因していると考えることは現実的に許容できず、惑星の軌道要素 の是正限度を大幅に逸脱するものとなっている。さらに、この周期は以前の研究で求められていた主星グリーゼ370の自転 周期との方が差が小さいことから、この視線速度の変動は主星の自転に起因しているとみられると分析され、グリーゼ370bの存在には疑義が呈されることとなった[ 5] 。
脚注
注釈
^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
^ 式
R
=
L
4
π
σ
T
e
f
f
4
{\displaystyle R={\sqrt {\frac {L}{4\pi \sigma T_{\rm {eff}}^{4}}}}}
から計算。ここで、
R
{\displaystyle R}
は半径、
L
{\displaystyle L}
は光度、
T
e
f
f
{\displaystyle T_{\rm {eff}}}
は表面の有効温度、
σ
{\displaystyle \sigma }
はシュテファン=ボルツマン定数 を表す。
出典
外部リンク
座標 : 09h 51m 07.1s , −43° 30′ 10″