グラスホッパー (タミヤ)グラスホッパーは、田宮模型(現・タミヤ)の電動ラジコンバギーである。1984年5月14日発売、キット価格は税抜7,400円。 田宮模型の電動RCカーのなかで最も安価で発売されたモデルである。2005年6月に再発売された。 概要発売当時はオフロードバギー・ラジコンカーブームの真っ只中であったが、ラジコンバギーカーのキットは高額な物が多く、田宮模型が発売していた「ファイティングバギー」は19,800円、「マイティフロッグ」でも14,800円であった。当然少年達には高嶺の花であったが、グラスホッパーはそれらを大きく下回る価格で市場に投入された。 シャーシは軽量でシンプル、かつ高剛性なABS樹脂製バスタブシャーシが用いられ、モーターはマブチRS-380Sが搭載された。多くの車が540クラスを採用する中、一回り小型で非力なモーターではあったものの、総重量1000g台の軽さとあいまって中々の走行性能を発揮した(ただし、アフターパーツで540モーターに容易に交換可能なため、操作性は犠牲になるもののパワーアップは可能だった)。 サスペンションはフロントがストラット独立懸架、リヤがリジッドアクスル・ユニットスイング。ダンパーはなく、前後ともにスプリングのみというシンプルな構造で、特にリヤは構造上縦運動しか出来ず、芝などを走らせるとヒョコヒョコした走りになるため、バッタの意である「グラスホッパー」を冠した。 シャーシはバスタブ構造の為上部が大きく開口しており、ボディーを外せばほぼすべての電気パーツが露出する為、メンテナンス性は高かった。しかし、小石や砂、埃などが侵入した場合、内部に残りやすかった。 ギヤボックスは完全密閉の為埃などの侵入には強かったが、分解する為にはサスの取り外しなどが必要の為、若干面倒だった。 同年10月、この車種に改良を加えた上級モデル「ホーネット」が登場。ユーザーは徐々にそちらへ移行していく形となった。しかしグラスホッパーは、先述のとおり540モーターに交換可能であったこと、さらにホーネットのボディ(ポリカーボネート製)への交換や、タイヤをスパイクタイヤに換装し、後輪サスペンションをオイルダンパーへ、アクスルのスイングユニットもローリング方式へ変更が可能など、あらゆる面でホーネットと同一モデルに改良が可能であった。そのため、「グラスホッパー改ホーネット仕様」に改造し、引き続き同機を愛用したユーザーも居た。 生産終了後には、ホーネットでの改良点を受け継いだマイナーチェンジ版であるグラスホッパーII(後述)が販売された。このモデルは1993年12月でもタミヤの通常製品のラインナップになっており、それを含めれば10年近く存在したロングセラーモデルに挙げられる。 メカニズム
走行性能モーターが小さいため加速・最高速度とも他車種より劣るが、軽さを活かした軽快な走りが特徴で、バッテリーの持ちも良く、8分も走らないモデルが多かった中にあって20~30分のロングドライブも可能であった。しかしサスペンションが頼りなく、少しの段差で跳ねてしまい、その後の挙動も不安定で、走行安定性は低かった。 耐久・整備性能フロントとサイドに弾性樹脂大型バンパーを装備していたこともあり横・前部からの衝突には耐えられたが、シャーシ一体のサスマウントにビスを通してサスアームを連結していたため衝撃を受けた際の逃げに難があり、フロント足回りがよく破損した。また、バッテリーケースの蓋が脱落しがちであったが、この2点はホーネットにも共通した短所である。 また、ボディも現在のようなポリカーボネート製ではなく、樹脂製でシャーシにビス止めだったため脱着が面倒であった。 グラスホッパーIIホーネットで改良されたシャーシをさらに改良して発売されたモデル。1988年8月9日発売、キット価格は税抜7,400円。 メカニズム
グラスホッパーとの相違点
限定モデルグラスホッパーIIには以下の2種類の限定モデルが存在する。こうしたモデルは主に海外で人気が高かった。
備考 |