クマガイソウ
クマガイソウ(熊谷草、学名:Cypripedium japonicum Thunb.[1])は、ラン科アツモリソウ属に分類される多年草の1種。大きな花をつけ、扇型の特徴的な葉をつける。 和名の由来は、アツモリソウともに、膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣に見立て、源平合戦の熊谷直実(くまがい なおざね)と、一ノ谷の戦いで彼に討たれた平敦盛(たいら の あつもり)にあてたものである[2]。 特徴クマガイソウは、北海道南部から九州にかけて分布する。低山の森林内、特に竹林、杉林などに生育し、大きな集団を作る。草丈は40cmくらいまで、葉は対生するように二枚つき、それぞれ扇型の特徴的な形をしている。 栽培クマガイソウの地下茎は節間が長く、全長はしばしば1m以上になる。 適地であれば地植え栽培が可能ではある。 種の保全状況評価と保護活動日本では環境省により、レッドリストの絶滅危惧II類(VU)の指定を受けていて[3][4]、多くの都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト) 群落がある地域では、住民による保護団体が、開花する5月に観光地として開放しつつ、盗掘を防ぐ活動をしている例がある[6]。 熊谷直実の故地である埼玉県熊谷市では、有志が1979年に「くまがい草保存会」を結成。庭園の星溪園などに植栽したが根付かず、鉢植えなどを除いて絶え、保存会は2014年に解散した[7]。 近縁種台湾産のタイワンクマガイソウ Cypripedium formosanum は地下茎が短く、鉢植えが可能である。 脚注
参考文献
外部リンク
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