ソレント(SORENTO)は、韓国のKIAが製造・販売しているSUVである。
初代(2002年-2009年)BL型
2002年登場。以来、欧米市場におけるキアの最量販車種の一つとなっている。エンジンは直42.4リットルガソリンエンジン、V63.5リットルガソリン(シグマエンジン)、直列4気筒2.5リットルディーゼルエンジンの三種類。2006年にはフェイスリフトが行われ、ガソリンエンジンも3.5リットルが3.8リットル(ラムダエンジン)に置き換えられた。朝鮮日報によってデザインが初代トヨタ・ハリアー / レクサス・RXに酷似していると指摘されている[1]。ハリアーはモノコックボディであるが、ソレントはヒュンダイ・テラカン(二代目三菱・パジェロベースの中型SUV)のプラットフォームを用いて開発されたため、ラダーフレームシャシーを採用している。
マレーシアではキアの現地パートナーであるナザのブランドで製造・販売されており、国産車の認定を受けている。
2代目(2009年-2015年)XM型
2009年4月 ソウルモーターショーで発表後、発売。韓国仕様は車名を「ソレントR」とした。先代のボディ・オン・フレーム構造から一転して、乗用車と同じモノコックボディを採用したクロスオーバーSUVとなっている。2.7L・LPG(162PS)、2.4L・ガソリン(175PS)、2.2L・ディーゼル(200PS)の3種のエンジン全てに6速ATを搭載するが、このうちAWDの設定があるのは2.2L・ディーゼルのみである。尚、2.2Lディーゼルは低公害車としての認証を受け、軽油自動車環境改善負担金が5年間免除の対象となっている(ソウル市基準で約70万ウォン)。
装備面では、リヤコンビランプへの発光ダイオードの採用、JBLと共同開発したオーディオシステム、スマートエントリー&プッシュスタートシステムを備えるなど、先代以上の充実度となった。
欧州デビューは2009年9月のフランクフルトモーターショーで、北米デビューは2009年12月のロサンゼルスオートショーであった。北米仕様車には直列4気筒 2.4L (175hp) またはV型6気筒 3.5L (276hp) エンジンが搭載される。北米向けのソレントはアメリカ合衆国ジョージア州ウェストポイントに建設されたKMMG(キア・モーターズ・マニュファクチュアリング・ジョージア)で生産される最初の車種であり、2009年11月16日に生産が開始された。翌2010年1月にアメリカ国内で発売が開始されたが、同月の販売台数は7,398台でキアのベストセラーとなった[2]。なお、KMMGではソレントに加えてヒュンダイ・サンタフェの生産も移管されることになっている[3]。
2012年6月18日、大幅改良を受けたソレントの概要が発表される[4]。韓国では7月10日に「ニューソレントR」が発売された。8月16日には欧州仕様の詳細が発表された[5][6]。外観や内装、アルミホイールのデザインの変更だけにとどまらず、プラットフォームも完全に刷新されてDM型ヒュンダイ・サンタフェと共通のものになった。欧州仕様のエンジンのラインナップは「R」 2.0Lディーゼル 110kW (150PS)、改良版「R」 2.2L ディーゼル 145kW (198PS)、2.4L GDI 144kW (197PS) の3つとなる。いずれもトランスミッションは6速MTが標準となり、オプションで6速ATが選択できる。
3代目(2015年-2020年)UM型
2014年8月29日、韓国にて発表。韓国国内仕様の名称は「ソレントR」から他国仕様同様の「ソレント」に戻った。エクステリアは韓国、ドイツ、アメリカの各デザインスタジオの連携で形成され、2013年のシカゴオートショーならびにソウルモーターショーで披露されたコンセプトカー「クロスGT」のデザインエッセンスを各部に反映するとともに、近年の起亜のデザインアイコンである「タイガーノーズグリル」はさらに大型化され、存在感を際立たせている[8]。ボディサイズはさらに拡大され、先代比で全長が95mm、全幅が5mm、ホイールベースが80mm延長された。エンジンはサンタフェと同じく2.0Lと2.2Lの2種の直噴ディーゼルを用意する。
2017年7月には韓国でフェイスリフトを受け、新たにLEDヘッドライト、新造形のLEDリヤコンビレンズなどを採用。安全装備も強化されている。
4代目(2020年- )MQ4型
2020年2月17日発表[9]。同年3月、ジュネーヴモーターショーにて初公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の流行によって中止された。
エクステリアデザインはフロントにLEDヘッドライトと調和する「タイガーノーズグリル」を採用した[10]。
パワートレインは、韓国・ヨーロッパ向けには1.6Lターボガソリンエンジンに44.2 kWを発揮するモーターと1.49 kWhリチウムイオンバッテリーを組み合わせたハイブリッドモデルに加え、2.2Lディーゼルエンジンを搭載したモデルをラインナップ[11]。北米向けには韓国・ヨーロッパ向けと同じハイブリッドモデル、2.5Lガソリンエンジン、2.5Lターボガソリンエンジンを搭載したモデルをラインナップした[12]。また、2020年8月26日にはプラグインハイブリッドモデルを発表[13]。最高出力180ps、最大トルク265N·mを発揮する1.6Lターボガソリンエンジンに最高出力66.9kW、最大トルク304N·mを発生させるモーター、容量13.8kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、システム全体で最高出力265ps、最大トルク350N·mを発揮する。
新型の「ソレント」では、インフォテインメントシステムなどを搭載し、最新の10.25インチ・タッチスクリーン・インフォテインメントシステムのほか、12.3インチの高解像度デジタルインストルメントクラスターも搭載されている。Apple CarPlayやAndroid Autoを用いることで、スマートフォンと全てのインフォテインメントシステムをシームレスに接続。優れたコネクティビティも備えている。また、前方衝突回避アシストシステムやサラウンドビューモニター、インテリジェントスピードリミットアシストシステムなど、様々な先進安全技術も搭載されている。
販売台数
暦年
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アメリカ
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カナダ[14]
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韓国[15]
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グローバル
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2002
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8,451 |
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52,963 |
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2003
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40,787 |
|
68,051 |
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2004
|
52,878 |
|
48,082 |
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2005
|
47,610 |
|
29,521 |
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2006
|
50,672 |
|
21,589 |
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2007
|
36,300 |
|
11,963 |
|
2008
|
29,699 |
|
6,137 |
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2009
|
24,460 |
|
1,039 |
|
2010
|
108,984 |
|
42,480 |
|
2011
|
130,235 |
|
40,602 |
|
2012
|
119,597 |
14,031 |
35,002 |
219,154[16]
|
2013
|
105,649 |
14,542[17] |
29,168 |
|
2014
|
102,520 |
13,982 |
38,126 |
|
2015
|
116,249
|
14,372[18] |
77,767 |
|
2016
|
114,733 |
15,466 |
80,715 |
|
2017
|
99,684 |
14,181 |
78,458 |
|
2018
|
107,846[19] |
15,579 |
67,200 |
|
2019
|
95,951 [19]
|
16,054
|
52,325
|
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2020
|
74,677[20]
|
11,821
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車名の由来
「ソレント」は、イタリア共和国カンパニア州ナポリ県にある街の名前(ソレント)に由来する。
脚注
注釈
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
キア・ソレントに関連するカテゴリがあります。
外部リンク