キア・カーニバルカーニバル (Carnival, ハングル: 카니발)は、韓国のKIAが生産するMPV (ミニバン) である。海外市場ではセドナ(Sedona)の名で販売される。 歴史初代(KV-II型、1998年-2005年)
1998年登場。全長約4.9mの大柄なMPVである。「カーニバル」の名称は韓国、欧州、豪州などで用いられ、北米および英国ではセドナ (Sedona )の名称で販売された。搭載されたエンジンは、2,497ccのV6DOHCで、5段マニュアルもしくは4段オートマティックが組み合わせた。また、マレーシアではキアの販売を行なっているナザで生産され、「ナザ・リア」(Naza Ria )の名称で国産車として販売されている(もっとも外観上の違いはバッジとグリル程度にすぎない)。なお、韓国ではマイナーチェンジで「カーニバルII」の名称になっている。日本では2000年版の「輸入車ガイドブック」 (日刊自動車新聞社) に「輸入予定車種」として掲載されたが、結局導入されなかった。 2代目(VQ型、2005年-2014年)
ロングホイールベース版 (2005年-2014年)2005年2月のシカゴ・モーターショーで新型「セドナ」として世界初公開され、その後韓国でグランドカーニバル (Grand Carnival )として発売開始、北米でも2006年2月に発売された。北米市場の嗜好にあわせて全長は約5.1mとさらに大きくなり、北米版ホンダ・オデッセイ、トヨタ・シエナ、日産・クエストに匹敵する大型MPVとなった。エンジンは韓国仕様車は2.9リットルのコモンレールディーゼルエンジンを、北米仕様車はV型6気筒3.8リットルのガソリンエンジンを搭載する。韓国仕様車では4列シート11人乗りというレイアウトを採っているが、これは韓国内の税法が9人乗り以上を乗合車(ミニバス)とする法規に変わったための措置である。そのため韓国内ではバスとして扱われ、バス専用車線を走行することも可能である。現代自動車からも姉妹車のヒュンダイ・アントラージュ (Hyundai Entourage )が2006年2月のシカゴ・モーターショーで発表され、同年4月から発売が開始された。ただしこちらは北米のみの専売車種となる。また、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)により実施されているNCAP(新車アセスメントプログラム)で最高の5つ星の評価を得た。 ショートホイールベース版 (2006年-2013年)韓国で2006年1月24日に新型「カーニバル」として発表。その後、3月のジュネーヴ・モーターショーで欧州デビューを果たす。英国では先代同様「セドナ」の名称が使用される。こちらは欧州市場向けに全長を約4.8m程度に収めた中型MPVである。エンジンは2.9リットルのコモンレールディーゼルエンジンと、V型6気筒2.7リットルのガソリンエンジン(欧州仕様車のみ)が用意される。
3代目(YP型、2014年 - 2020年)
9年ぶりのフルモデルチェンジとなる今回は、4年4か月の時間と3500億ウォンの費用をかけて開発された[1]。 ニューヨークモーターショー2014で新型「セドナ」としてワールドプレミア[2]。フロントは近年のキアのデザインアイコン「タイガーノーズグリル」を大型・直立化したものが採用され、新開発となるプラットフォームはホイールベースを先代比で+40mmとして居住性を高めるとともに、車体全体の76%に高張力鋼を使用することで剛性を36%引き上げた。北米仕様は3列シート仕様の7/8人乗りとなり、エンジンは先代の3.5L・V6から新開発の3.3L・V6・GDiに変更された。 市販仕様については、先ず韓国で2014年5月22日に発表・発売開始された。同仕様は2.2L・VGTディーゼルエンジンのみの設定となり、4列/2-2-2-3レイアウトの9人乗りとバスレーンも走行可能な4列/2-3-3-3レイアウトの11人乗りの2種を用意されたが、のちに2-2-3レイアウトの7人乗り「リムジン」も登場したため(この仕様変更に伴い、3.3L・V6・GDiも追加されている)、計3種となった。前2仕様については4列目の格納方法を改良することで、6人ないしは8人乗車時で先代比2倍以上となる546Lの荷室空間を確保した。 オーストラリアにおいては、安価かつ頑丈な多人数車として人気があり、「2016ドライブ・カー・オブ・ザ・イヤー・アワード」において、「ベストピープルムーバー」に選ばれている。 4代目(KA4型、2020年 - )
2020年6月、韓国にて発表。同年7月28日より事前契約を開始、翌8月18日に発売した。6年ぶりのフルモデルチェンジとなった4代目はスタイリッシュなデザインと最新の利便性、キアのアイデンティティである「タイガーノーズ」をベースとしたシンフォニックアーキテクチャラジエーターグリル、Cピラーの立体パターンクロームトリムとリアコンビネーションランプで構成され、スマート電動スライドドア、スライドドアとテールゲートの同時開閉、乗降ライトなど、様々な新技術も採用され、ハイルーフ仕様である「ハイリムジン」はこの代でも引き続き設定される。 プラットフォームは「Type N3」を採用。これは主要メカニズムとともに、のちにヒュンダイ・スターリアにも採用されることとなる。 2023年11月、最新のデザインテーマに沿ったマイナーチェンジが敢行され、フロントマスクが大幅に変更された。
脚注
外部リンク・キア・カーニバル (朝鮮語) ・CARNIVAL (英語) |