カンジュルハン・スタジアムの悲劇
カンジュルハン・スタジアムの悲劇(カンジュルハン・スタジアムのひげき)は、2022年10月1日にインドネシアのカンジュルハン・スタジアムで行われたサッカーの試合後に発生した暴動であり[1]、サッカー史上では1964年に発生したエスタディオ・ナシオナルの悲劇に次いで、2番目に死者数が出た事件である。 経緯インドネシアではサッカーはバドミントンと並ぶ国民的スポーツであり、各地にプロチームと熱狂的なファンがいる[2]。そのため、サッカーの試合で暴力行為が見られるのは目新しくはない[3]。 暴動が発生した東ジャワ州マラン県で2022年10月1日、リーガ1の試合が行われた。 試合をめぐっては、長年のライバル関係にあるアレマFCとプルセバヤ・スラバヤのサポーターの衝突を防ぐ目的で、プルセバヤ・スラバヤのサポーターはチケットの購入を禁止されていた[3]。しかし、政治・法務・治安担当調整大臣のマフッド・MDは、3万8000人を収容するはずであったこの試合で4万2000枚のチケットが販売されていたとInstagramに投稿した[3]。 アレマFCはこの試合で、宿敵のプルセバヤ・スラバヤの山本奨に決勝点を許し2-3で敗れた[4]。アレマFCの本拠地であるマラン県でここ20年以上なかった敗戦を喫し、アレマFCのサポーターがグラウンドに侵入した[4][5]。サポーター同士の乱闘を止めるために警察官2名が死亡したため、警察が催涙剤を発射した後に暴動が起きた[6]。 死傷者135人が死亡し、583人が負傷した[7]。その多数が呼吸困難による窒息死や圧死であり、催涙剤を発射されてパニックになった観客が、武器を持った警察官から逃げようとして一斉に出口に殺到したことで、多数の死者を出す要因となった[1][6]。 余波国際サッカー連盟は、試合会場で警備員や警察官が「群衆を統制するためのガス」を携行したり使用したりしてはならないと定めている[3]。 インドネシアサッカー協会はリーグの全試合を1週間中断し、アレマFCの今シーズン中のホームゲーム開催を禁止した[4]。加えて、事故の原因を究明するために調査チームをマランに送ると発表している[4]。今回の出来事は「インドネシアサッカーの顔に泥を塗った。」とも付け加えた[3]。 インドネシア大統領のジョコ・ウィドドは、調査中はサッカーの国内トップリーグの全試合を中止するように命じた[3]。 処分インドネシア国家警察は10月6日、催涙ガスを使用した警察官3人や試合主催委員会の責任者、地元チーム警備責任者などを業務上過失致死の容疑で刑事訴追すると発表した[8]。 ギャラリー
脚注
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