光学曲線からモデル化した形態
カレリア (1391 Carelia)は、小惑星帯 中央部にある岩石質の小惑星 である。1936年2月16日にフィンランド 南西部のトゥルク にあるIso-Heikkilä 天文台で、フィンランド人天文学者ユルィヨ・バイサラ が発見した[ 1] 。S型小惑星 で、自転周期 は5.9時間、直径は約11時間と測定される。ヨーロッパ 北東部の地域名カレリア に因んで命名された[ 6] 。
軌道と分類
カレリアの軌道要素 を階層クラスタリング分析 を用いて分析した結果、どの小惑星族 にも属さないとされた[ 7] [ 8] 。太陽 から2.1-3.0天文単位 のカークウッドの間隙 を1485日(4年1か月)かけて公転している。軌道離心率 は0.16、黄道 に対する軌道傾斜角 は8°である[ 2] 。ドイツ南西部のケーニッヒシュトゥール天文台 で初めて観測され、w:Obserbation arc は、トゥルク での発見よりも2日間前に伸ばされた[ 1] 。
命名
フィンランド湾 とロシア の白海 の間にあるヨーロッパ北東部のカレリアに因んで命名された。命名は、1955年のポール・ハーゲット の著作The Names of the Minor Planets の中で言及された[ 6] 。1939年から1940年にソビエト連邦 とフィンランドの間で行われた冬戦争 以降、この地域はロシアに属している。ユルィヨ・バイサラが発見した天体の多くには、カレリアでの戦争に因んだ名前が付けられている。
物理的性質
デヴィッド・トーレン による分類では、カレリアは、小惑星帯内側では最も一般的である岩石質のS型小惑星に分類される[ 2] 。スローン・デジタル・スカイサーベイ の分類でもS型とされている。
自転と極
2016年、Lowell Photometric Databaseのモデル化した測光 データを用いたカレリアの光学曲線 が公表された。光学曲線の分析により、自転周期は5.878 22 ± 0.000 01時間で、黄道座標 (λ, β)で(21.0°, -79.0°)と(208.0°, -43.0°)の2つのスピン軸を持つことが明らかとなった[ 4] 。
直径とアルベド
アメリカ航空宇宙局 の広視野赤外線探査機 (WISE)及びこの後継のNEOWISE による探査により、それぞれ、カレリアの直径は11.089及び11.570 km、表面のアルベド は0.1972及び0.214と測定された[ 3] [ 8] 。Collaborative Asteroid Lightcurve Link は、絶対等級 12.07と岩石質の小惑星の標準的なアルベドである0.20を用いて、直径を11.46kmと計算している[ 9] 。
出典
^ a b c d e f “1391 Carelia (1936 DA) ”. Minor Planet Center . 3 April 2017 閲覧。
^ a b c d e f g h “JPL Small-Body Database Browser: 1391 Carelia (1936 DA) ”. Jet Propulsion Laboratory. 16 March 2020 閲覧。
^ a b Masiero, Joseph R.; Grav, T.; Mainzer, A. K.; Nugent, C. R.; Bauer, J. M.; Stevenson, R. et al. (August 2014). “Main-belt Asteroids with WISE/NEOWISE: Near-infrared Albedos” . The Astrophysical Journal 791 (2): 11. arXiv :1406.6645 . Bibcode : 2014ApJ...791..121M . doi :10.1088/0004-637X/791/2/121 . https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2014ApJ...791..121M/abstract 3 April 2017 閲覧。 .
^ a b Durech, J.; Hanus, J.; Oszkiewicz, D.; Vanco, R. (March 2016). “Asteroid models from the Lowell photometric database” . Astronomy and Astrophysics 587 : 6. arXiv :1601.02909 . Bibcode : 2016A&A...587A..48D . doi :10.1051/0004-6361/201527573 . http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/bib_query?bibcode=2016A&A...587A..48D 3 April 2017 閲覧。 .
^ Carvano, J. M.; Hasselmann, P. H.; Lazzaro, D.; Mothé-Diniz, T. (February 2010). “SDSS-based taxonomic classification and orbital distribution of main belt asteroids” . Astronomy and Astrophysics 510 : 12. Bibcode : 2010A&A...510A..43C . doi :10.1051/0004-6361/200913322 . https://sbnarchive.psi.edu/pds3/non_mission/EAR_A_I0035_5_SDSSTAX_V1_1/data/sdsstax_ast_table.tab 16 March 2020 閲覧。 . (PDS data set)
^ a b Schmadel, Lutz D. (2007). “(1391) Carelia”. Dictionary of Minor Planet Names . Springer Berlin Heidelberg. p. 112. doi :10.1007/978-3-540-29925-7_1392 . ISBN 978-3-540-00238-3
^ “Asteroid 1391 Carelia – Proper Elements ”. AstDyS-2, Asteroids – Dynamic Site. 16 March 2020 閲覧。
^ a b “Asteroid 1391 Carelia ”. Small Bodies Data Ferret . 16 March 2020 閲覧。
^ “LCDB Data for (1391) Carelia ”. Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 3 April 2017 閲覧。
外部リンク