カナダ軍最高司令官(カナダぐんさいこうしれいかん 英: Commander-in-Chief of the Canadian Forces 仏: Commandant en Chef des Forces Canadiennes)は、カナダ軍における最高の指揮権者を意味する。憲法上、カナダ国王が権限を有するが、通常は、その代理であるカナダの総督が代行し、最高司令官(Commander-in-Chief)を称している[1]。
1867年英領北アメリカ法は、カナダにおける陸海軍並びに陸上及び海上の民兵は、国王の指揮に服することを示した。1904年になると民兵法の制定により、カナダにおける軍事上の最高司令官(Command-in-Chief of the Militia)は国王の代理である総督に移され、1905年には総督特許状もそのように改められた。軍の拡大後も、国王が最高司令官の地位にあり続けた[2][3]。司令官の名称は、1910年の海軍省の設立に伴い、'民兵及び海上兵力最高司令官'(Commander-in-Chief of the Militia and Naval Forces)となり、1918年のカナダ空軍設立後は'民兵及び海空軍最高司令官'(Commander-in-Chief of the Militia and Naval and Air Forces)、1947年には'総督職及び全カナダ最高司令官'(Office of Governor General and Commander-in-Chief in and over Canada)に変更されている[1][4]。1968年のカナダ軍の統合軍化の改革に際しても、軍最高位であることが継続された。
現在では、事実上、最高司令官の職務は象徴的・儀礼的なものであり、実際の指揮権はカナダの内閣が保持している。最高司令官の職務としては、内閣の承認のもとに、軍旗や部隊章、栄典の授与のほか、王立カナダ連隊の名誉連隊保有者に関する事項や参謀総長の任命、将兵及びその家族の激励等となっている[1]。また宣戦布告文書への署名もその職務にある。
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海軍用最高司令官階級章
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陸軍用最高司令官階級章
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空軍用最高司令官階級章
脚注
- ^ a b c Office of the Governor General of Canada, Role and Responsibilities > Commander-in-Chief, Queen's Printer for Canada, http://www.gg.ca/document.aspx?id=45 1 October 2010閲覧。
- ^ Canadian Forces Grievance Board (28 August 2006), Canadian Forces Grievance Board, HAR-7088-3119, Ottawa: Queen's Printer for Canada, オリジナルの7 April 2008時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20080407040503/http://www.cfgb-cgfc.gc.ca/english/csViewer.asp?x=1#tphp 7 February 2008閲覧。
- ^ Federal Court of Canada (21 January 2008), In the Matter of Aralt Mac Giolla Chainnigh v. the Attorney-General of Canada, T-1809-06; 38, Ottawa: Queen's Printer for Canada, p. 5, 2008 FC 69, http://decisions.fct-cf.gc.ca/en/2008/2008fc69/2008fc69.pdf 7 February 2008閲覧。
- ^ ジョージ4世 (1 October 1947), Letters Patent Constituting the Office of Governor General of Canada, X., Ottawa: King's Printer for Canada, http://www.solon.org/Constitutions/Canada/English/LettersPatent.html 7 June 2006閲覧。