オーバード (プーランク)
『オーバード、ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲』(仏: Aubade, Concerto chorégraphique pour piano et dix-huit instruments )FP.51は、フランシス・プーランクが1929年に作曲した、舞踏を伴う小編成オーケストラとピアノのための協奏曲。プーランクが様々な鍵盤楽器のために作曲した5曲の協奏曲のうち2作目にあたる。 概要芸術家のパトロンであったノアイユ伯(Vicomte de NOAILLES )[1]の屋敷で行われるプライベートな演奏会のために作曲され、1929年6月18日に作曲者自身のピアノ、『牝鹿』の振付者でもあるブロニスラヴァ・ニジンスカの踊り(衣裳:ジャン・ミッシェル・フランク)により初演された[2]。翌1930年1月21日にシャンゼリゼ劇場において、『牝鹿』の主演ダンサーであったヴェラ・ネムチノヴァら、元バレエ・リュス[3]のメンバーらによって公に上演された。この時の振付はジョージ・バランシンが行ったが、『ディアナとアクタイオンの神話』のタイトルのもと、あらたに男性ダンサーによる「アクタイオン」を登場させたことから、プーランクはこれに強く抗議し、「女たちのバレエ」の副題をつけた[2]。作品はノアイユ伯夫妻に献呈され、1931年に出版された。 あらすじ森に住む純潔と貞節の女神ディアーヌ(ギリシャ神話のアルテミス、ローマ神話のディアナ)は、自ら定めた神の掟によって恋をすることができず、夜明けのたびに悲しい思いをする、という幻想的な筋書きである。 楽器編成スコアに指示された配置は、左右非対称で変則的なものである。ピアノは舞台の上手(客席から見て右側)前方に置かれ、オーケストラはピアニストの後方から左側にかけて扇形を作るように3列で着席し、ピアノを取り囲む。指揮者はピアニストの左前方(客席から見ればピアノの奥)に位置しオーケストラと向き合う。
演奏時間約21分 構成切れ目なく演奏されるが、10のセクションに区切ることができる。
脚注
参考文献
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